(2024年 馬場状態 4/29まで) [良]8 [良→稍重]1 [稍重]6 [重]13 [不良→重]1 [重→不良]1 [不良]16
重賞競走

【高知けいばの重賞】だるま夕日賞

黒船賞最後のゲートを争うマイル戦!

基本情報

創  設
2014年
出走資格
・4歳以上
・出走申込時所属場で1走以上
競走距離
1600m
出走頭数
11頭以内
負担重量
57kg(牝馬2kg減)
本 賞 金
1着:1,200万円
2着:420万円
3着:240万円
4着:180万円
5着:120万円
(着外賞金:50万円)
ステップ
1着馬に「黒船賞(JpnIII)」優先出走権付与

今年度開催

黒船賞選考競走
第11回だるま夕日賞

開催日:2024(令和6)年2月11日(祝日)

歴代優勝馬・競走成績

レースレコード

2020年2月16日 第7回
ウォーターマーズ(57kg)
(牡7 大関吉明厩舎/西川敏弘騎手)
1:42.6(曇・不良)

概要

優勝馬に「黒船賞(JpnIII)」優先出走権を付与する「黒船賞選考競走」第3戦。黒船賞の高知所属馬の出走枠は3頭のため、他所属馬の直前回避やこれまでの優先出走権獲得馬の出走回避といった特殊要因がない限り、地元馬にとって黒船賞出走へのラストチャンスとなる。

重賞としての「だるま夕日賞」は2014年の創設だが、その前から特別競走の黒船賞選考競走として行われていた「だるま夕日特別」を格上げしたものであり、前身を含めると黒船賞選考競走としての歴史は最も長い。

距離は1600mと黒船賞よりも長い距離で争われる。既に同距離の「大高坂賞」や短い「黒潮スプリンターズカップ」で短距離路線馬に優先出走権を与えていることから、最後の3枚目のきっぷはスプリントに偏り過ぎていない地元オープン馬にも黒船賞への道を与えている。

なお、特別競走時代から競走名の由来である「だるま夕日」の地元、宿毛市から賞が提供される宿毛市長賞典競走として開催されている。

競走名の由来

高知県西部の宿毛市にある宿毛湾で冬の日の夕方に見られる、海に沈む夕日がだるまのように歪んで見える現象「だるま夕日」より

出走馬選出基準

高知県競馬組合による選出

ローテーション

歴史

同名の競走は「黒船賞」開始以前から行われており、インターネット上で確認できる最古の1996(平成8)年にはサラ系B級の特別競走として実施されたことが確認できる。当時は同じ読み方でも「だるま夕特別」という表記で行われており、2004(平成17)年から現在の表記となった。

1997(平成9)年に高知けいばが準重賞を新設した際、その一つとしてサラ系オープン1300mの準重賞競走に格付けされる。当初は秋に開催され、同年度に新設された秋の短距離重賞「黒潮スプリンターズカップ」(休止前・当時は1400m戦)の前哨戦的な位置づけがされていた。

2001(平成13)年度より基本的に年明けの2月に開催されるようになる。時期に加え前年度より距離が黒船賞と同じ1400m戦になっていたことで、当時の高知けいば公式サイトのコラム記事では地元前哨戦的な存在との記述も見られ、この頃から黒船賞との結びつきが始まったと考えられる。ただ初期の黒船賞は現在のような選考競走的な体系が未整備で、当時はあくまでイメージとしての前哨戦の域を出ていなかった。インターネット上で公開されている公式資料を確認すると、黒船賞に関連付けがされたのは遅くとも2004年の開催時である。

2000年代の高知けいばの経営危機の影響か2004年度から準重賞の区分がなくなり、2005(平成18)年の開催から本競走は特別競走へ格下げされた。ただ、黒船賞へのトライアル競走としての位置づけは維持され、同時に特別競走に格下げされた準重賞は次第に競走自体が消滅するなか、本競走は黒船賞選考競走だったこともあってか維持された。

2008(平成21)年は経営危機の深刻化で黒船賞の開催が取りやめとなり、本競走は通常の特別競走として実施されることとなるが、この際に1600m戦に変更。翌年からは黒船賞が再開されたことで再び選考競走に戻るも距離設定は存置され、本戦より距離の長いトライアル競走となった。

2010(平成23)~2013(平成26)年の本競走は、高知けいば全体で主要競走を近隣地区との交流競走とする取り組みを行っていたことから、近畿(2012(平成25)年まで)・中国・四国地区交流競走となっていたが、遠征馬はなく地元馬のみで実施されている。

「地方競馬IPAT」の開始などもあって売り上げの改善傾向が見えつつあった2013年度より準重賞の区分が復活するなど番組編成の改編が行われる。本競走は黒船賞選考競走の位置づけは残した上で重賞へ格上げとなり2014(平成27)年の開催から現在の「だるま夕日賞」となった。

準重賞~特別競走時代は細かな変遷を繰り返していた本競走であるが、重賞となってからは開催時期ですら僅かな変動にとどまっており、賞金等の増額以外に条件設定の変化はなく実施されている。

2023年の第10回からは、黒船賞路線の重要度を示すかのように他の黒船賞選考競走2競走とともに通常の古馬重賞よりも一段階賞金が引き上げられている。

「だるま夕日賞」タイムライン
  • 次項以前
    特別競走「だるま夕陽特別」として実施
  • 1997年
    準重賞に格上げ

    サラ系オープン1300m別定重量戦

  • 2000年
    1400m戦に変更
  • 2002年
    2月開催に変更

    前年までは秋に開催。2001年は開催なし(年度単位では連続している)。

  • 2004年
    「だるま夕日特別」に改称

    ※この年の黒船賞選出基準の一つに本競走の優勝とあるのが確認できる

  • 2005年
    特別競走に格下げ

    高知けいば全体の準重賞設定取り止めに伴うもの。この年のみ1月開催。

  • 2007年
    定量重量戦に変更

  • 2008年
    1600m戦に変更

    この年のみ3月開催、かつ黒船賞開催取り止めのため通常の特別競走として実施

  • 2010年
    近畿・中国・四国地区交流競走となる

    他地区出走枠を兵庫・福山所属7頭以内とする

  • 2013年
    中国・四国地区交流競走となる

    他地区出走枠を福山所属6頭以内とする

  • 2014年
    (第1回)
    重賞に格上げされ「だるま夕日賞」となる

    高知所属馬のみの競走となる

傾向(過去10年)

2014年(第1回)~2023年(第10回)までの成績を集計し、傾向を分析する。

天候・馬場状態

過去9年は良~不良すべての馬場状態で開催されており、良馬場の開催が3度と重馬場と並んで多い。

天候稍重不良
1030
1002
小雨0100
1010

走破時計

期間中の3着内馬の走破時計の分布を集計した。

良馬場3戦の平均勝ち時計が1分45秒93、唯一の稍重開催である第5回(2018年)の勝ち時計は1分47秒8、重馬場4戦の平均勝ち時計が1分44秒70、不良2戦の平均勝ち時計は1分43秒45となっている。勝ち時計のかかり方は近年の高知けいばのイメージ通り稍重>良>重>不良となっており、1段階ごとに1秒前後違う傾向にある。

3着内時計も概ねその傾向に沿っており、重や不良の場合はある程度スピード性能が求められる傾向がある。なお、良馬場の1分44秒台は開催途中に雨が降り始め、「雨の良馬場」で行われた第8回(2021年)で記録されているためやや特殊とも見える。

3着内馬走破時計稍重不良
1分42秒台0002
1分43秒台0011
1分44秒台1032
1分45秒台1061
1分46秒台3020
1分47秒台4200
1分48秒台0100

単勝人気

過去は黒船賞路線の先行2戦で勝っている大看板的存在はこの競走を休むケースも見られ、強力な軸が不在となる印象もある。

過去10年では単勝1番人気が5勝し、複勝圏内外れは1度だけ。軸としての信頼度は高いが、他の黒船賞選考競走に比べると1番人気馬の圧倒的優位度は薄れる感がある。勝ち馬は4番人気以内からと頭からの大波乱となったことはないが、2番人気の勝ちがなく3番人気が3勝しており、小波乱の気配は感じられる。
2、3着に関しても人気薄の割り込みが見られ、マイル戦らしい雰囲気を漂わせている。

単勝人気1着2着3着4・5着6着以下
1番人気53101
2番人気02431
3番人気43003
4番人気10054
5番人気01216
6番以下0131134

性別

牡馬優勝馬のうちイッツガナハプンが第4回(2017年)と第5回(2018年)を連覇しており、実数は6頭。比率で考えるとセン馬の健闘が目立ち、過去10年で3分の1がセン馬の優勝となっている。牝馬は参戦実績が少なく勝ちはない反面、半数近くが入着しており、敢えての参戦にはひと警戒を要しても良さそう。

性別1着2着3着4・5着6着以下
牡馬7671636
セン馬33138
牝馬01215

馬齢

第9回(2022年)優勝のダノングッドが11歳で優勝したのを筆頭に過去9年の歴代勝ち馬のうち4頭が9歳以上。また、出走頭数も9歳以上の括りが最も多かった。6~7歳辺りが好成績の中心で若馬は出走自体が少ないのはこの時期の重賞の傾向と同じといえるが、第10回(2023年)で4歳馬ガルボマンボが優勝。高知生え抜きの上位馬が移籍しないケースも増えてきたため、今後は傾向が変わる可能性もある。

馬齢1着2着3着4・5着6着以下
4歳10104
5歳112210
6歳14267
7歳24249
8歳10247
9歳以上411412

発走枠

序盤の位置が取りやすい内枠有利と言われるマイル戦であるが、勝ち馬は複数出ているのは中枠。ただし、単勝1番人気馬がこれまで6枠より外に入ったことがない点を付記しておく。

一部に極端な枠が見られるが、このうち5枠の2勝は全て単勝1番人気馬。一方、2枠は単勝1番人気馬が過去2度入ったこともあるものの、これまで連対馬が出ていなかった。

1着2着3着4着
以下
1枠1117
2枠0037
3枠3205
4枠1216
5枠2107
6枠21110
7枠02114
8枠11313

調教師・騎手

期間内に3着内が1回以上ある馬を対象として、所属していた厩舎、騎手を集計した。

調教師

スペルマロン(第8回・2021年)、ダノングッド(第9回・2022年)と看板級の馬で連覇している別府真司調教師が4勝、管理する出走馬の半数近くが連対と好成績を誇る。第4、5回(2017、2018年)をイッツガナハプンで連覇した田中 守調教師が2勝で続く。一方、雑賀正光調教師が過去9回中2着が5度あり、上位勢力を長く保持していることがうかがえる。

調教師1着2着3着出走頭数
別府真司41012
田中 守21111
雑賀正光15321
松木啓助12014
細川忠義1016
*大関吉明1015
打越勇児01112
田中譲二0014
那俄性哲也0013
*炭田健二0011
*は引退

騎乗騎手

第3~5回(2016~2018年)に3連覇した赤岡修次騎手が勝利数の筆頭。一方、連対率では永森大智騎手が9度の騎乗で2着5回ながら6度の連対と好相性。

騎手1着2着3着騎乗数
赤岡修次3129
*倉兼育康2105
永森大智1509
*西川敏弘1107
*別府真衣1001
多田羅誠也1001
宮川 実0209
岡村卓弥0039
佐原秀泰0027
林 謙佑1015
*中西達也0011
郷間勇太0014
*は引退

黒船賞選考競走既出走馬の本競走参戦は

近年は黒船賞選考競走は中1~2週の間隔で1月中旬~2月中旬あたりで3競走組まれるのが定番である。
現在年明け1~3月の高知けいばは毎週自己条件がある形で番組が組まれている状況であり、選出されれば3つの選考競走全てに出走することも可能である。
マイル戦であるため他の2競走とは少し毛色が異なる本競走だが、本競走上位3頭が同年の他の選考2競走に出走した際の結果を集計した。

    1着 2着 3着
大高坂賞 1着 0 1 1
2着 2 1 0
3着 1 2 0
4着以下 0 0 1
未出走 7 6 8
黒潮
SC
1着 0 2 1
2着 2 0 0
3着 1 1 2
4着以下 0 0 1
未出走 7 7 6

過去の本競走上位3頭は、そもそも前2競走に出ていない馬が大半であったものの、事前に同年の大高坂賞か黒潮スプリンターズカップに出走していた場合は、そこで3着以内となった馬がほとんどであった。ただしこれまで前2競走の勝ち馬が本競走に参戦して勝利した例はない。

なお、大高坂賞~黒潮スプリンターズカップ~だるま夕日賞と黒船賞選考競走3競走全てに出走したケースは過去10年で8例あるが、このうち全て連対は2例(2015年バーチャルトラック、2020年スペルマロン)、全て3着内が2例(2017年カッサイ、2020年ウォーターマーズ)ある(残りは1戦だけ3着外2例、全3着外2例)。

本競走で上位と目する馬を見極める際、今年の黒船賞選考競走での成績を確認しておくことは傾向的にも重要と言えそうだ。

払戻金

5つの賭式をピックアップ。期間中の払戻結果の傾向を探った。

上位人気は堅実に抑えるべきといえる傾向ではあるが、連勝単式の場合、人気順にはむしろ逆らった方がいいとも言えるような傾向がみられる。

単勝式

払戻金中央値:325円(最低120円~最高1,770円)
人気中央値:2番人気(最高1人気~最低4人気)

払戻金(円)200未満200~500510~1,0001,010以上
回数4231
単勝人気1234~56以下
回数50410

単勝1番人気の勝利が5度と半数を占め、この場合は全て200円以下の払戻であった。これまでで一番の人気薄でも第6回(2019年)の4番人気馬であり、あまり奇をてらい過ぎない方が傾向としては安全という感があるが、続くのが3番人気となっており、2番人気の勝ちがない。

馬番連勝複式

払戻金中央値:505円(最低330円~最高4,920円)
人気中央値:3番人気(最高1人気~最低18人気)

払戻金(円)200未満200~500510~1,0001,010以上
回数0523
馬複人気12~34~56~1011以下
回数15301

馬複1番人気の決着は1度だけも、2~5番人気のほぼ順当~若干の小波乱決着が大半を占める。連対は単勝1番人気絡みが8度と多く、残りの2度はいずれも「2番人気-3番人気」で決着しているため、馬複に関しては上位人気馬の信頼度は例年高いと言える。

ただし、「1番人気-2番人気」はこれまでないため、1番人気軸信頼なら人気薄に拡げて若干でも高い払い戻しが引っかかるのを期待するのも悪くはない。

馬番連勝単式

払戻金中央値:1,153円(最低460円~最高6,070円)
人気中央値:6番人気(最高2人気~最低20人気)

払戻金(円)500未満500~1,0001,010~3,0003,010以上
回数2233
馬単人気12~56~1011~2021以下
回数05320

馬単は1番人気決着がこれまでない。そのため、最低払戻の記録も460円と幾分高くなる。概ね組み合わせは上位人気絡みの範疇で収まってはいるものの、2番人気の勝ちがなかったり近年は1番人気の相手が中位以下の人気薄というケースも出てきており、上位人気中心ならボックス、あるいは1番人気頭でも広く相手を流すなど一工夫は必要という感はある。

三連勝複式

払戻金中央値:895円(最低170円~最高19,090円)
人気中央値:4番人気(最高1人気~最低35人気)

払戻金(円)500未満500~1,0001,010~30003,010~10,00010,010以上
回数42202
三連複人気12~56~1011~2021以下
回数43102

1番人気決着が4回。第7回(2020年)までは必ず3番人気内が2頭入っていたため、1番人気が着外となり3着に人気薄が届いた第5回(2018)年を除き、連勝単式と比べるとおとなしい決着が続いていた。ただ、第8回(2021年)、第9回(2022年)と1番人気は勝利するものの残る2頭が波乱となる決着が続いたこともある。傾向の変化がみられるのか注意が必要である。

三連勝単式

払戻金中央値:4,025円(最低840円~最高92,400円)
人気中央値:15番人気(最高2人気~最低138人気)

払戻金(円)1,000
未満
1,000~
5,000
5,010~
10,000
10,010~
100,000
100,010以上
回数14140
三連単人気12~1011~5051~100101以下
回数05212

1番人気決着はこれまでなく、10倍以下決着もこれまでは1度だけと紛れは見られる。勝ち馬こそ4番人気以内という傾向はあるものの、以前は上位人気内の順番の入れ替わりや3着に人気薄というパターンが多かったものが、伏兵人気馬が2着に飛び込むことが2年連続で起きたりと、駒が揃ってきたことで幅広く構えておく必要がでてきている感もある。

記録

※馬は2勝以上、騎手・調教師は3勝以上

勝利回数上位馬

2勝
イッツガナハプン(4,5)

勝利回数上位騎手

3勝
赤岡修次(3,4,5)

勝利回数上位調教師

(3勝以上該当調教師なし)

連覇
  • イッツガナハプン
    第4回(2017)、第5回(2018)
  • 赤岡修次騎手(3連覇)
    第3回メイショウツチヤマ(2016)、
    第4・5回イッツガナハプン(2017,2018)
  • 田中 守調教師
    第4・5回イッツガナハプン(2017,2018)

前年度開催

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