(2024年 馬場状態 11/17まで) [良]18 [稍重→良]1 [良→稍重]1 [良→稍重→重]1 [稍重]19 [稍重→重]1 [重]19 [不良→重]1 [重→不良]2 [不良]33
重賞競走

【高知けいばの重賞】福永洋一記念

高知が生んだ天才騎手を語り継ぐ記念競走!

基本情報

創  設
2010年
出走資格
・4歳以上
・出走申込時高知在籍で1走以上
競走距離
1600m
出走頭数
11頭以内
負担重量
57kg(牝馬2kg減)
本 賞 金
1着:1,200万円
2着:420万円
3着:240万円
4着:180万円
5着:120万円
(着外賞金:50万円)

今年度開催

第14回福永洋一記念
開催日:2023(令和5)年5月30日(火)

歴代優勝馬・競走成績

レースレコード

2017年4月26日 第8回
カイロス(57kg)
(牡7 那俄性哲也厩舎/佐原秀泰騎手)
1:42.1(雨・不良)

概要

JRAで9年連続年間最多勝をあげる功績を残し、昭和の時代に「天才ジョッキー」と称えられるも、落馬事故により現役生活を終えた福永洋一元騎手。その名前を付けた「福永洋一記念」を生まれ故郷の地である高知競馬場で行いたいと息子である福永祐一騎手(当時)が語ったことが本競走創設のきっかけである。

一時代を築いた伝説の名騎手の名を冠した競走であることに加え優勝馬関係者には福永祐一氏より福永洋一賞が授与されることもあり、高知けいば関係者の中からもぜひ取りたい重賞として度々名前が挙がる競走のひとつとなっている。

当日の開催には福永祐一氏だけでなく福永洋一氏本人も来場して表彰式に臨席することもあるほか、福永親子ゆかりの著名な競馬関係者が出演するイベントが行われるなど回を重ねるごとに盛大に開催されてきたことから、創設当初から注目度が高い(新型コロナウイルス感染症拡大防止期であった2020年以降ステージイベントは行われていない)。

なお、同日にJRA条件交流競走が実施されることが多いこと、また福永祐一氏はじめJRA関係者の参加も考慮されてか、土日ではない曜日に行われる。

レースは短距離・中距離ともに守備範囲といえるマイル戦となっており、短距離の「黒船賞(JpnIII)」や「御厨人窟賞」、中距離の「二十四万石賞」の後から2か月程度と間隔も開いていることから、ローテーション的にも両路線の強豪が揃いやすい設定となっている。

本競走創設当時の高知けいばでは重賞を基本的に交流競走としていたが、この競走に関しては当初から高知所属馬限定とされている。また、2019年の第10回から通常よりも賞金が一段階高く設定されるようになり、競走設定上も特別な存在となっている。

競走名の由来

高知市出身の元JRA騎手福永洋一氏より

出走馬選出基準

  • 高知県競馬組合による選出

ローテーション

歴史

「夜さ恋ナイター」が始まって間もない2009年8月10日、「応援イベント」の一つとしてJRA騎手によるトークショーが開催され、そこに福永祐一騎手が参加。その行事の締めに入る頃、福永騎手から「高知けいばのレースで『福永洋一記念』が作れれば」と発したことがきっかけとなり、さっそく翌2010年に重賞競走として新設されたものである。

第1回の開催された2010年は高知けいばの経営がまだ綱渡りだった頃であり、1着賞金も一般的な古馬重賞と同じ50万円と規模は小さく、また開催日は5月10日と通常は開催されない月曜日の開催であった。
しかし、伝説的な騎手の記念競走を同じ道を歩んだ子が発起し、出身地の地方競馬場で開催されるという背景、そして当日は福永洋一氏が表彰式に臨席し、公の場に姿を見せたこともあって初回から競馬マスコミにも大きく取り上げられる。第1回を制したフサイチバルドルの鞍上である赤岡修次騎手は福永洋一氏の出身中学を卒業した「後輩」であるという地元らしいエピソードも披露された。

第3回が行われた2012年あたりから場内でのイベントも活発化。中には福永祐一騎手や時にJRA騎手も参加したものもあり、「かつおのたたきの実演とおふるまい」(2012・2016・2018)、「アイスクリンおふるまい」(2013)、「土佐あかうしのおふるまい」、「土佐のお座敷遊び体験」(ともに2014)等はJRAではまずできないレベルでファンとの距離が近い行事が行われた。また、福永洋一氏と同じ時代を生きた競馬関係者によるトークショーにも年々ビッグネームが登場するなど、いち地方競馬場のレベルを超えた一大行事になり、改めて福永洋一氏の存在の大きさを物語っていた。

このように高知けいばの中でも特段に注目度が高い競走ということもあり、当初から各陣営も精鋭を送り込んでおり、歴代の優勝馬にはその当時の看板クラスの馬が数多く並んでいる。競走条件は創設当初から変更はなく、経営改善に応じて賞金等の増額が行われた。

なお、2020年からは新型コロナウイルス感染予防及び拡散防止策が取られたため、同年は無観客開催、翌年以降場内イベントは行われていない。また、当初から4月下旬~5月上旬を中心にゴールデンウィーク前後の開催が続いていたが、2022年より開催時期は5月下旬に移されている。

「福永洋一記念」タイムライン
  • 2010年
    (第1回)
    5月上旬開催の4歳以上1600m定量重量戦として創設

    1着賞金50万円(第3回まで、以降増額)

  • 2012年
    (第3回)
    田中 守調教師が3連覇達成
  • 2015年
    (第6回)
    同日にJRA・地方騎手交流競走「ジョッキーズバトル 洋一カップ」開催

    現高知競馬場30周年記念競走として開催

  • 福永祐一騎手が騎乗

    バーチャルトラック号に騎乗し4着。「洋一カップ」のエキストラ騎乗。

  • 2019年
    (第10回)
    1着賞金を500万円に増額

    これ以降古馬重賞の中で賞金体系が基本より高くなる(第11回まで、以降増額)

  • 2020年
    (第11回)
    新型コロナウイルス感染症の感染予防及び拡散防止のため無観客で開催

    ※ステージ等でのイベントはこの回以降未実施

  • 2022年
    (第13回)
    開催時期を5月下旬に変更

傾向(過去10年)

2013年(第4回)~2022年(第13回)までの成績を集計し、傾向を分析する。

天候・馬場状態

期間中良馬場で行われたのは2015年の第6回のみで全て重か不良。しかも全体の半数が不良馬場での開催であるうえ、高知けいばのイメージ通り?「晴の不良」が4度と最も多い。

天候稍重不良
0024
1010
0011

走破時計

期間中の3着内馬の走破時計の分布を集計した。

唯一の良馬場開催である第6回の勝ち時計は1分44秒1、重馬場4戦の平均勝ち時計が1分43秒47、不良5戦の平均勝ち時計は1分43秒36となっている。勝ち時計に馬場状態での差があまり見られなかった。

一方、3着内時計は高知けいばの傾向に沿い、馬場が悪くなるに従い走破時計が早くなる。中心的な時計は43~44秒台といえる。

3着内馬走破時計稍重不良
1分42秒台013
1分43秒台026
1分44秒台165
1分45秒台031
1分46秒台200

単勝人気

期間中単勝1番人気馬は4勝と、人気馬の順当勝ちの比率はそこまで高くないが、3着内は8割を占めており、筆頭人気が馬券圏内へ入る傾向は高い。
一方、2・3番人気の勝利は1度ずつも4番人気馬が3勝。2016年の第7回は6番人気馬ニシノファイターが勝利と頭からの波乱が比較的起きている。2・3着に関しても単勝人気は割れており、傾向から見ると人気順通りに行かない波乱の可能性が潜んでいる競走ともいえる。

単勝人気1着2着3着4・5着6着以下
1番人気42220
2番人気12241
3番人気13114
4番人気31222
5番人気00235
6番以下121835

性別

期間中の出走馬を性別で分類すると、出走が多いのは圧倒的に牡馬である。なお、エプソムアーロンが連覇しているため、牡馬優勝馬の実数は7頭となる。

セン馬の優勝は第12回(2021年)のスペルマロンのみであるが、この回は2着もセン馬のアイアンブルーが入っており、セン馬によるワンツーであった。

牝馬は期間中僅か3頭の出走にとどまるが、第9回(2018年)にティアップリバティが歴代唯一の牝馬優勝を記録している。

性別1着2着3着4・5着6着以下
牡馬8991338
セン馬11177
牝馬10002

馬齢

高知けいばにおける古馬重賞の傾向通り、高齢馬の活躍が多い。最高齢優勝は第5回(2014年)のエプソムアーロンで10歳。また、第11回(2020年)には11歳のサクラレグナムが2着に入っており、7歳以上が8勝している。馬齢で軽視するのはナンセンスといえよう。

4歳馬は期間中に入着もなく、期間中最若齢の優勝馬は5歳馬であるが、期間外では第3回(2012年)に遠征でも活躍した4歳馬コスモワッチミーの優勝がある。

馬齢1着2着3着4・5着6着以下
4歳00004
5歳21335
6歳03248
7歳330611
8歳11138
9歳以上424411

発走枠

期間中、優勝馬は7枠の4頭を筆頭に外枠に固まっている感があり、2着も近い様子がある。一方、3着は比較的まんべんなく散らばっている。マイル戦は内枠有利と言われるが、この競走では固執しなくてもよさそうな傾向がみられる。

1着2着3着4着
以下
1枠1126
2枠1008
3枠0127
4枠1126
5枠0307
6枠11110
7枠42011
8枠21312

調教師・騎手

期間内に3着内が1回以上ある馬を対象として、所属していた厩舎、騎手を集計した。

調教師

打越勇児調教師の3勝を筆頭に、重賞級の馬を常時抱えるイメージのある厩舎が上位を占める。また、創設当初に3連覇した田中 守調教師は期間中は1勝ながら2、3着入りの馬は多数おり、本競走との相性は変わらず良好といえる。

調教師1着2着3着出走頭数
打越勇児30113
雑賀正光22219
別府真司20113
田中 守14415
*炭田健二1103
那俄性哲也1002
松木啓助01112
細川忠義0103
中西達也0101
宮川浩一0011
*は引退

騎乗騎手

上位厩舎の主戦格と目される騎手が上位に並び、上位調教師の成績ともほぼリンクする。騎手起用からもこの重賞への意気込みが伝わる傾向が見える。

騎手1着2着3着騎乗数
宮川 実3009
永森大智2219
倉兼育康2015
赤岡修次1328
佐原秀泰1206
*中西達也1103
上田将司0106
林 謙佑0104
郷間勇太0023
*西川敏弘0019
岡村卓弥0019
*山頭信義0011
[金]吉原寛人0011
*は引退

払戻金

5つの賭式をピックアップ。期間中の払戻結果の傾向を探った。

人気通りの1番人気決着が賭式を問わず少ないのが大きな特徴であり、過去の傾向からは単勝人気順に拘らず、小波乱以上は考えておいた方がよさそうである。

単勝式

払戻金中央値:365円(最低110円~最高2,970円)
人気中央値:3番人気(最高1人気~最低6人気)

払戻金(円)200未満200~500510~1,0001,010以上
回数4213
単勝人気1234~56以下
回数41131

単勝1番人気決着は4度で全て払戻金は200円未満。一方、これに次ぐのが4番人気馬で3度と波乱の傾向がうかがえる。うち2度は10倍を超える払戻となっており、上位人気に力差がなければ中位人気の単勝でも妙味が出る可能性を感じさせる。

馬番連勝複式

払戻金中央値:745円(最低270円~最高12,950円)
人気中央値:4番人気(最高2人気~最低20人気)

払戻金(円)200未満200~500510~1,0001,010~3,0003,010以上
回数04231
馬複人気12~34~56~1011以下
回数05221

馬複1番人気決着は過去10年出ておらず、2010年の第1回に出たのみである。ただ、単勝1番人気馬は期間中6度連対していることもあって、半数の5度が単勝1番人気馬が絡んだ2~3番人気決着と期間中極端な荒れ方はほとんどない。唯一万馬券決着となったのは、上位人気が連対を外した2017年の第8回のみである。

馬番連勝単式

払戻金中央値:1,210円(最低300円~最高28,100円)
人気中央値:5番人気(最高1人気~最低37人気)

払戻金(円)500未満500~10001,010~3,0003,010~10,00010,010以上
回数12511
馬単人気12~56~1011~2021以下
回数14311

馬単1番人気決着は2015年の第6回が唯一で、5倍未満の払戻となったのもこの時のみ。10番人気以内決着8度にしては中央値が10倍を超えており、少ない点数でもトリガミを起こすというケースが傾向的には少ない。一方で万馬券は全体的に波乱となった2017年の第8回のみである。

三連勝複式

払戻金中央値:1,730円(最低260円~最高15,780円)
人気中央値:6番人気(最高1人気~最低31人気)

払戻金(円)500未満500~1,0001,010~30003,010~10,00010,010以上
回数13411
三連複人気12~56~1011~2021以下
回数23311

三連複1番人気決着は2度。10番人気以内決着8度の割りに中央値は1,730円と高い。ただ人気薄が比較的絡んだケースもある割には30倍以下の払戻が8度と大きな跳ねは少ない面もある。万馬券は2017年の第8回のみ。

三連勝単式

払戻金中央値:6,280円(最低1,720円~最高131,430円)
人気中央値:18番人気(最高3人気~最低164人気)

払戻金(円)1,000
未満
1,000~
5,000
5,010~
10,000
10,010~
100,000
100,010以上
回数04231
三連単人気12~1011~5051~100101以下
回数02611

期間中10倍未満の払戻はなく、三連単の最高人気での決着は2022年の第13回で3番人気。万馬券は4度と比較的でている。期間中は上位人気から下位人気に流れる決着が3度しかなかったことから、ある程度並びの波乱も考慮しておくことも傾向的には必要と思われる。

記録

※馬は2勝以上、騎手・調教師は3勝以上

勝利回数上位馬

2勝
エプソムアーロン(4,5)

勝利回数上位騎手

4勝
宮川 実(3,9,11,13)

勝利回数上位調教師

4勝
田中 守(1,2,3,6)
3勝
打越勇児(9,11,13)

連覇
  • エプソムアーロン
    第4・5回(2013,2014)
  • 永森大智騎手
    第4・5回エプソムアーロン(2013,2014)
  • 田中 守調教師(3連覇)
    第1回フサイチバルドル(2010)、
    第2回イーグルビスティー(2011)、
    第3回コスモワッチミー(2012)
  • 雑賀正光調教師
    第4・5回エプソムアーロン(2013,2014)

前年度開催

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