(2024年 馬場状態 4/29まで) [良]8 [良→稍重]1 [稍重]6 [重]13 [不良→重]1 [重→不良]1 [不良]16
重賞競走

【高知けいばの重賞】金の鞍賞

高知2歳馬チャンピオン決定戦!

基本情報

創  設
1973年
出走資格
・2歳
・出走申込時所属場で1走以上
競走距離
1400m
出走頭数
12頭以内
負担重量
56kg(牝馬1kg減)
本 賞 金
1着:800万円
2着:280万円
3着:160万円
4着:120万円
5着:80万円
(着外賞金:40万円)
ステップ
1着馬に来年度「高知優駿」の優先出走権
(例年)

今年度開催

高知市長賞典
第45回金の鞍賞

開催日:2023(令和5)年12月28日(木)

歴代優勝馬・競走成績

※競走成績は1998年以降

レースレコード

2022年12月28日 第44回
ユメノホノオ(56kg)
(牡2 田中 守厩舎/吉原寛人騎手)
1:30.4(晴・不良)
※現行距離開催期間内のレコード

概要

年末に行われる高知けいば所属2歳馬の最後の重賞競走であり、デビュー地を問わず出走資格がある高知2歳馬全体の頂点競走。高知けいばの根幹距離とされる1400m戦で行われる。

高知デビュー馬限定である重賞「黒潮ジュニアチャンピオンシップ」及び準重賞「土佐寒蘭特別」上位馬に優先出走権が与えられており、高知デビュー上位馬が揃いやすい。2歳戦線の締めくくりとともに翌年の3歳三冠路線における地元デビューの有力馬として名乗りを上げる一戦となる。

他場から移籍の2歳馬は高知で1走以上の出走歴が必要であるうえ、高知デビュー馬への優先枠が大きいことから、近年の選考状況を踏まえると他場で長く実績を積んで直前に移籍した場合は本競走には間に合わないように思われる。

競走名の由来

旧名称「ジュニア(ー)ゴールデン賞」の「ゴールデン」を継承した「金」と馬具の「鞍」を合わせたものと推測。

出走馬選出基準

  • 優先出走を認める馬
    本年度「ネクストスター高知」5着以内
    本年度「土佐寒蘭特別」3着以内
  • 高知県競馬組合による選出

ローテーション

歴史

旧桟橋競馬場時代から続く数少ない重賞の1つ。現競馬場移転後もしばらくは「ジュニア(ー)ゴールデン賞」の名称であった(余談だが、2003(平成15)年まで行われたアラブ系2歳重賞も「ジュニアーシルバー賞」~「銀の鞍賞」)。
1997(平成9)年に実施された重賞競走の体系化に合わせ、名称を現在の「金の鞍賞」とし、距離を1400m戦に短縮している。2016(平成28)年に「黒潮ジュニアチャンピオンシップ」が創設されるまでは、長らく唯一の2歳馬重賞であった。

しかし、一般的に高知けいばが経営危機にあるとされた2000年代以前から(現)2歳馬の入厩減少が深刻化していたと伝わっており、サラ系新馬戦が1998(平成10)年を最後に組めない状況に陥る。このため、原則高知デビュー馬による競走として行われていた本競走も1999(平成11)年以降他場デビュー馬を含めた形での競走が数年続いたのち、2002(平成14)年の第30回を最後に2歳馬全体の在籍馬不足のため開催が7年に渡りストップした。

高知けいばの長い経営危機が続く中、2歳馬の目標となる競走もなく、高知をデビュー地とする馬は極端に減少。このため、他地区でデビューした後にシーズン終了や見切りをつけて移ってくる移籍馬がある程度揃うまで高知けいばは2歳競走そのものが行えない時期が続き、賞金がある馬や賞金がなくても2歳のレースがない馬は、同様に頭数不足が深刻化していた古馬戦への出走を余儀なくされていた。

2010(平成22)年1月1日、開催日の都合上明け3歳重賞となったものの、回次も引き継いで「高知市長賞典 第31回金の鞍賞」として再開。2008(平成20)年をもって終了したアラブ系重賞「南国王冠 高知市長賞」以来となる高知市長賞典の重賞競走となった。

なお、高知けいばは2009年途中から、従来交流競走でなかった「福永洋一記念」を除く重賞競走を近畿・中国・四国地区交流競走としたため、本競走も同様の取り扱いが取られ、2010~2012(平成24)年の第31~34回は交流競走として実施。2010年12月の第32回は福山から3頭の遠征馬が出走している。

2010年代から徐々に始まった高知けいばの経営回復に伴って、2015(平成27)年に2歳新馬戦が再開。以降、高知デビュー2歳馬は年を追うごとに増加。移籍馬も加えて早い時期から2歳競走が安定して組める状況となったことで、当競走の前に重賞、準重賞競走も年々整備。現在は上位馬が集まる競走でステップアップした馬たちが年末に集まる、高知2歳馬の頂点競走としての体裁も整った感がある。

なお、2017(平成29)年度から世代重賞勝ち馬は「高知優駿」への優先出走が認められることとなったため、「金の鞍賞」は遡った2016(平成28)年の第38回優勝馬からこれが適用されている。

「金の鞍賞」タイムライン
  • 1973年
    (第1回)
    「サラ系3才優駿」として創設

    旧桟橋競馬場1200m戦、1着賞金50万円

  • 1979年
    (第7回)
    「サラ系3才優駿ジュニアゴールデン賞」に改称

  • 1981年
    (第9回)
    「ジュニアーゴールデン賞」に改称

    ※1979~1982年は地方競馬情報サイトデータベースに表記揺れがあり詳細不明

  • 1983年
    (第11回)
    「サラブ3才優駿・ジュニアーゴールデン賞」に改称し、1600m戦に変更

  • 1984年
    (第12回)
    「サラ系3才優駿・ジュニアーゴールデン賞」に改称

  • 1985年
    (第13回)
    現競馬場へ移転
  • 1988年
    (第16回)
    「サラ系3才優駿・ジュニアゴールデン賞」に改称
  • 1989年
    (第17回)
    「サラ3才優駿・金の鞍賞」に改称

    ※1996年(第24回)のみ地方競馬情報サイトデータベースでは「3才」を「3歳」と表記

  • 1997年
    (第25回)
    競走名を「金の鞍賞」とし、1400m戦に変更

    これまでの最高となる1着賞金200万円となり、1999年(第27回)まで継続
    ※地方競馬情報サイトデータベースでは第27回のみ「サラ系3才優駿」が付記されている

  • 2001年
    (第29回)
    馬齢表記の変更に伴い2歳馬重賞となる。馬齢重量戦から定量重量戦に変更。

    前年までの負担重量55kg(牝馬1kg減)から負担重量55kg(牝馬2kg減)に変更

  • 2002年
    (第30回)
    第30回を最後に一旦開催休止

    当時は「原則として初出走が高知競馬で引き続き在籍していること」が資格となっていたが、1999年(第27回)以降は毎回他場デビュー馬も出走しており、当回は9頭中高知デビュー馬が1頭だった。1着賞金は50万円。

  • 2007年
    出走資格が「出走申込時、高知競馬在籍で1走以上」のみに変更

    ※原則高知デビュー馬限定としていた規定を削除。休止は継続。

  • 2010年
    (第31回)
    第31回から「高知市長賞典 金の鞍賞」として再開。近畿・中国・四国地区交流競走に変更。

    元日に開催されたため編成サイクル初日(前年)時点の2歳馬による明け3歳馬重賞として実施。他地区出走枠を兵庫・福山所属8頭以内とした交流競走となる。1着賞金は当時の3歳重賞と同額の27万円となり、2012年(第34回)まで継続。
    定量重量戦は変更ないが、負担重量56kg(牝馬2kg減)となる。
    ※同年末に2歳重賞としても実施したため、2010年は2回開催。

  • 2011年
    (第33回)
    ヒロカミヒメ号が優勝し10年ぶりの高知デビュー馬制覇

    2001年(第29回)のリンデンスワロー号以来

  • 2012年
    (第34回)
    中国・四国地区交流競走に変更

    他地区出走枠を福山所属6頭以内に変更

  • 2013年
    (第35回)
    高知所属馬のみの重賞に変更
  • 2016年
    (第38回)
    優勝馬に「高知優駿」優先出走権を付与

  • 2022年
    (第44回)
    24年ぶりに全馬高知デビュー馬によって開催

    ※1998年(第26回)以来

傾向(過去10年)

2013年(第35回)~2022年(第44回)までの成績を集計し、傾向を分析する。

天候・馬場状態

寒く日照時間が短い12月下旬の開催で馬場の乾きが鈍くなることもあってか、過去10年間は重馬場ないし不良馬場のみの開催でほとんどが晴。半数が「晴の不良馬場」となっており、高知競馬場らしい条件で行われやすい傾向にある。

天候稍重不良
0045
0000
0010

走破時計

期間中の3着内馬の走破時計の分布を集計した。

重馬場開催5戦の勝ち時計平均は1.32.82、不良馬場5戦は1.31.56と不良の方が1秒ほど早い。

3着内馬の走破時計は1分30~34秒台まで。ただし、重の31秒台と34秒台は同一年の1~3着で計時されたものであるため、重の場合は馬場状態や展開が作用しやすいとも考えられる。一方、不良であれば素直に時計を出せる馬に重心を取ってもという印象も。

3着内馬走破時計不良
1分30秒台01
1分31秒台35
1分32秒台47
1分33秒台52
1分34秒台30

単勝人気

単勝1番人気が1着・同2番人気2着がそれぞれ半数以上を占め、過去8年連続で2番人気以内が勝利を収めている。1番人気が複勝圏を外したのは2014年が最後であり、軸馬は順当に攻めるのが無難という感も。

近年は高知デビュー馬や早目に高知に転入し、出走を重ねた馬が出走馬の中心となったため、対戦成績による力量比較はしやすくなった感もあり、上位人気馬の順当勝ちもうなづける面はある。2013年に10番人気馬ニシノマリーナ、翌2014年に4番人気馬ブルージャスティスが勝利しているが、当時は転入馬が大半を占める時代であり、ニシノマリーナは転入3戦目、ブルージャスティスは転入2戦目と日が浅い上、他にも似たような経歴の馬が多く、当時は力量の見極めが難しかったのではとの感もある(両馬とも後に3歳重賞でも勝利)。

ただし3着に関しては人気に関係なく万遍なく出ており、波乱の芽を期待するならまずは三連系の3頭目の荒れといったところか。

単勝人気1着2着3着4・5着6着以下
1番人気61201
2番人気24103
3番人気02143
4番人気10315
5番人気02215
6番以下1111447

性別

過去10年では牡馬、牝馬が拮抗と言っていい状況。勝ち馬は牝馬の方が多い時代もあったのだが、2015年の新馬戦再開後は流れが変わり、牡馬の有力馬も増えたことを実感する。性別は出走資格にないが、セン馬の出走歴はない。

なお、期間中に本競走を勝利した高知デビュー馬は全て牡馬である(2016年フリビオン、2018年アルネゴー、2020年ブラックマンバ、2022年ユメノホノオ)。

性別1着2着3着4・5着6着以下
牡馬665932
セン馬00000
牝馬4451132

発走枠

1400m戦は1300m戦ほど枠順の有利・不利は問われないとは言うものの、本競走に関しては外枠好走傾向がはっきり出ており、連対馬の半数が7枠か8枠という比較的極端な結果となった。

また、過去10年では内寄りの1~3枠から勝ち馬は不在、1枠に至っては連対馬も出ていない。ただし、過去10年で1枠に入った単勝人気の最高位は4番人気が1度あるのみで(3着)、たまたま有力馬と縁がない枠という感もある。

さらに歴史を紐解いてみると、3枠の勝利と1枠の連対は一旦休止前の2000年(第28回)、1枠の勝利は1996年(第24回)が最後。2枠の勝利に至っては「JBIS Serach」の最大限である1986年(「第14回ジュニアーゴールデン賞」)まで遡っても例がなく確認できなかった。ジンクスは永遠ではないであろうが…。

1着2着3着4着
以下
1枠0019
2枠0145
3枠0307
4枠2008
5枠22113
6枠20213
7枠21115
8枠23114

調教師・騎手

期間中に3着内が1回以上ある馬を対象として、所属していた厩舎、騎手を集計した。

調教師

4厩舎が2勝と比較的割れているが、打越厩舎は期間中の3着内率が5割を超える。同厩舎ワンツーは2021年に田中 守厩舎が達成している。

調教師1着2着3着出走頭数
打越勇児2117
田中 守21010
*炭田健二2025
細川忠義2017
別府真司12220
田中譲二1005
宮路洋一0207
中西達也0116
工藤真司0116
雑賀正光01112
*大関吉明0103
那俄性哲也0013
*は引退

騎乗騎手

現役では赤岡騎手が2勝。キャリアある騎手の活躍感があるが、期間中現役だった中西、西川、倉兼の3調教師の活躍が改めて思い返される結果にも。なお、過去10年は佐原騎手が全て騎乗している。

騎手1着2着3着騎乗数
赤岡修次2009
*倉兼育康2106
*中西達也2014
岡村卓弥1119
宮川 実1116
上田将司1006
吉原寛人1001
*西川敏弘0418
永森大智0108
林 謙佑0105
畑中信司0102
佐原秀泰00210
*別府真衣0027
多田羅誠也0014
嬉 勝則0012
*は引退

払戻金

5つの賭式をピックアップ。期間中の払戻結果の傾向を探った。

傾向としては人気上位馬の信頼度が近年特に高く、単勝式や二連勝式馬券は堅い決着が多かった。一方三連勝式では1頭波乱馬を加えると妙味があるようだ。

単勝式

払戻金中央値:200円(最低110円~最高3,900円)
人気中央値:1番人気(最高1人気~最低10人気)

払戻金(円)200未満200~500510~1,0001,010以上
回数5311
単勝人気1234~56以下
回数62011

単勝式は1番人気馬の単勝が2倍を切ったケースが5度もあるなど、上位人気へ票が集中しており、支持を集めた1番人気となる傾向がある。実際に1番人気6勝、2番人気2勝と概ね人気に応えており、波乱となったのは高知デビュー馬が少なかった2014年以前にまでさかのぼる。

馬番連勝複式

払戻金中央値:310円(最低170円最高13,390円)
人気中央値:1.5番人気(最高1人気~最低34人気)

払戻金(円)200未満200~500510~1,0001,010以上
回数2404
馬複人気12~34~56~1011以下
回数51031

馬複は万馬券決着となった2014年のみが突出しており、1番人気の組み合わせでの決着が5度、その多くが300円以下の払戻と上位人気の順当決着が多い。上位人気への支持が集中しやすい傾向にあるのは単勝式と同様だが、馬複は2016年以降、全て単勝1番人気が絡む10番人気未満で決着しており、上位人気馬が揃って連対を外すような波乱は近年起きていない。

馬番連勝単式

払戻金中央値:785円(最低190円最高29,300円)
人気中央値:3番人気(最高1人気~最低66人気)

払戻金(円)500未満510~10001,010~3,0003,010以上
回数4222
馬単人気12~56~1011~2021以下
回数51301

293倍を付けた2014年は特異例といえる状況で、馬単も1番人気決着は10年で4度と頻度が高く、馬複以上に人気寄りに決着する傾向が続いており、2014年から10番人気未満決着のみである。ただし単勝1番人気馬の勝利でも相手が波乱で少し跳ねたケースはあるため、単勝や馬複に比べると妙味がある可能性がある。

三連勝複式

払戻金中央値:1,060円(最低180円最高14,260円)
人気中央値:3番人気(最高1人気~最低47人気)

払戻金(円)500未満510~1,0001,010~30003,010~10,00010,010以上
回数23221
三連複人気12~56~1011~2021以下
回数16012

三連複の1番人気決着は「1人気-2人気-3人気」だった2016年の1回だけ。しかし2~5番人気決着が6回と群を抜いており、上位人気2頭に3頭目だけ(小)波乱というケースが多い。また、過去2度の21番人気以下決着はともに「1人気-2人気-10人気」であり、上位人気中心で抑える場合でも3番手を手広くすると面白いかもしれない。

三連勝単式

払戻金中央値:4,070円(最低330円最高188,390円)
人気中央値:8.5番人気(最高1人気~最低443人気)

払戻金(円)1,000
未満
1,010~
5,000
5,010~
10,000
10,010~
100,000
100,010以上
回数15121
三連単人気12~1011~5051~100101以下
回数14302

三連単の1番人気決着も「1人気-2人気-3人気」だった2016年の1回。払戻が1,000円未満となったのはこの時のみ。しかし払戻が10万円を超えた2014年を含め、3度ある万馬券決着でも1番人気は絡んでおり、1番人気を蹴らずとも波乱決着となれば払戻は見込める傾向にある。

記録

※3勝以上

勝利回数上位騎手

5勝 西川敏弘(17,18,28,33,34)
4勝 赤岡修次(24,31,39,43)
   北野真弘(23,26,27,29)
3勝 打越初男(4,5,7)

勝利回数上位調教師

4勝 打越慶男(4,5,7,17)
3勝 谷 力(20,24,30)
   細川忠義(26,40,41)
   別府真司(32,34,42)

連覇
  • 打越初男騎手
    第4回リリアントツプ(1976)、
    第5回アサヒテルヒカリ(1977)
  • 西川敏弘騎手
    第17回リードプレス(1989)、
    第18回ヒットベンチャー(1988)
    第33回ヒロカミヒメ(2011)、
    第34回マインダンサー(2012)
  • 北野真弘騎手
    第26回ギャロップスキー(1998)、
    第27回オオギリセイコー(1999)
  • 中西達也騎手
    第37回ブラックビューティ(2015)、
    第38回フリビオン(2016)
  • 倉兼育康騎手
    第40回アルネゴー(2018)、
    第41回レインズパワー(2019)
  • 打越慶男調教師
    第4回リリアントツプ(1976)、
    第5回アサヒテルヒカリ(1977)
  • 炭田健二調教師
    第37回ブラックビューティ(2015)、
    第38回フリビオン(2016)
  • 細川忠義調教師
    第40回アルネゴー(2018)、
    第41回レインズパワー(2019)
  • 田中 守調教師
    第43回ファーストリッキー(2021)、
    第44回ユメノホノオ(2022)

前年度開催

※レースレコード
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