(2024年 馬場状態 4/29まで) [良]8 [良→稍重]1 [稍重]6 [重]13 [不良→重]1 [重→不良]1 [不良]16
重賞競走

【高知けいばの重賞】黒潮皐月賞

高知3歳三冠競走第1弾は短距離決戦!

基本情報

創  設
1997年
出走資格
・3歳
・出走申込時所属場で1走以上
競走距離
1400m
出走頭数
12頭以内
負担重量
56kg(牝馬2kg減)
本 賞 金
1着:800万円
2着:280万円
3着:160万円
4着:120万円
5着:80万円
(着外賞金:40万円)
ステップ
1着馬に「高知優駿」の優先出走権

今年度開催

第27回黒潮皐月賞
開催日:2023(令和5)年4月30日(日)

歴代優勝馬・競走成績

※競走成績は1998年以降

レースレコード

2002年5月4日 第6回
リンデンスワロー(55kg)
(牡3 雑賀秀介厩舎/北野真弘騎手)
1:28.6(雨・不良)

概要

1997(平成9)年に高知けいば全体で行われた「重賞競走の体系化」によって新設された3歳三冠競走の第1戦と位置付けられる競走で、三冠競走で唯一短距離の1400m戦で行われる。

後の二戦とは違って高知けいばで日常的に行われる距離の競走であり、また近年は事前に3歳限定戦として1300mの重賞「土佐春花賞」やマイル以下の準重賞といった複数の前哨戦が組まれているため、戦績からの力量比較も行いやすい競走といえる。

なお、1着馬には三冠第2戦となる「高知優駿」への優先出走権を付与しており、3歳三冠競走の路線を明確化している。

競走名の由来

中央競馬の3歳三冠競走に範を取り、第1戦である「皐月賞」に高知県沖の太平洋を流れる海流「黒潮」を冠したものと推測

出走馬選出基準

  • 高知県競馬組合による選出

ローテーション

歴史

1997年の重賞競走の体系化に伴い創設。この年に本競走と秋の「黒潮菊花賞」を新設し、既存の「高知優駿」(体系化に合わせ「黒潮ダービー・やいろ鳥賞」から名称変更)を組み合わせる形で高知けいばにおける(現)3歳三冠路線が形成されており、これは今日まで変わっていない。
距離1400mの定量重量戦という設定も創設以来変わっておらず、開催時期も4月下旬~5月と狭い範囲の移動にとどまっており、競走設定の変化は少ない。

一方、創設直後から高知けいばの経営難による影響を大きく受けており、当初の1着賞金250万円を維持できたのはわずか2回。第3回(1999(平成11)年)からは早くも賞金の減額が始まり、第7回(2003(平成15)年)には1着賞金が2桁の50万円、そして第11回(2007(平成19)年)には27万円にまで下がり、この条件が6年に渡り続いた。

また、2008(平成20)年途中~2012(平成24)年度は高知けいば全体でほとんどの重賞を近隣地区との交流競走としたことに伴い、本競走も近畿(最終年度を除く)・中国・四国地区交流競走となったが、遠征馬はなかった。

ナイター開催「夜さ恋ナイター」の実施、インターネット投票の普及によって2013(平成25)年以降は賞金等が急激に回復、第23回(2019(平成31)年)に創設当初の250万円に復すると、その後はその水準も上回っている。

「黒潮皐月賞」タイムライン
  • 1997年
    (第1回)
    4月開催の4歳1400m定量重量戦の重賞として創設

    1着賞金250万円。開催時期は年によって4月下旬~5月で変動。

  • 2000年
    (第4回)
    北野真弘騎手が3連覇達成
  • 2001年
    (第5回)
    馬齢表記の変更に伴い出走条件が「3歳」に変更
  • 2007年
    (第11回)
    1着賞金27万円に変更

    第16回まで

  • 2009年
    (第13回)
    近畿・中国・四国地区交流競走に変更

    他地区出走枠を兵庫・福山所属8頭以内(この規定の明示は第14回以降)とした交流競走に変更

  • 2012年
    (第16回)
    中国・四国地区交流競走に変更

    他地区出走枠を福山所属6頭以内に変更

  • 2013年
    (第17回)
    高知所属馬のみの重賞に変更

    1着賞金40万円に変更(以降増額)

  • 2017年
    (第23回)
    「高知優駿」優先出走権付与対象を3着以内から1着馬のみに変更

    「高知優駿」の地方全国交流競走への移行と同時に実施

  • 2020年
    (第24回)
    新型コロナウイルス感染症の感染予防及び拡散防止のため無観客で開催

傾向(過去10年)

2013年(第17回)~2022年(第26回)までの成績を集計し、傾向を分析する。

天候・馬場状態

過去10年で良馬場は第20回(2016年)の1度だけ。重馬場が半数の5度となっている。なお残る4度は不良馬場だが、晴れの不良馬場が3度もあるのはいかにも高知けいばといったところか。

天候稍重不良
1023
0001
0030

走破時計

期間中の3着内馬の走破時計の分布を集計した。

第20回の良馬場開催時の勝ち時計は1分31秒6、重馬場5戦の平均勝ち時計が1分31秒30、不良2戦の平均勝ち時計は1分31秒05となっており、概ね31秒台が目安ともいえる。

3着内時計は31秒台が中心だが、不良では30秒台が中心になる。なお、同じ不良でも33、34秒台があるが、これはすべて第17回(2013年)に記録されておりこの回は特異的に時計がかかっていたと思われる。

3着内馬走破時計稍重不良
1分30秒台036
1分31秒台382
1分32秒台041
1分33秒台002
1分34秒台001

単勝人気

単勝1番人気馬は過去10年で4勝、また2番人気馬も4勝しており、勝ち馬は上位人気を順当に信頼する方が傾向的には安心感がある。一方2、3着に関しては人気順の分布は割れているものの、6番人気以下は3着1回しかないため、相当な人気薄を絡めるのは過去のトレンド視点では冒険とも思える。

単勝人気1着2着3着4・5着6着以下
1番人気42202
2番人気41212
3番人気02350
4番人気04132
5番人気21106
6番以下0011149

性別

過去10年間は牡馬・牝馬5頭ずつが優勝。2、3着もほぼ拮抗している。セン馬は過去10年間で出走自体がない。

性別1着2着3着4・5着6着以下
牡馬5651229
セン馬00000
牝馬545832

発走枠

過去10年は内の1~3枠から優勝馬がでていない。なお、1番枠には過去単勝1番人気馬、2番枠に1、2番人気馬が入ったことはない。一方5枠も1番人気馬は入っていないが2勝。馬券圏内入りの上位成績馬は外枠に偏っているようにも見える。

1着2着3着4着
以下
1枠0028
2枠0208
3枠0117
4枠2017
5枠20014
6枠31211
7枠14212
8枠22214

調教師・騎手

期間内に3着内が1回以上ある馬を対象として、所属していた厩舎、騎手を集計した。

調教師

引退した炭田、大関両調教師の好成績が光る。若馬の入厩傾向にも左右されるとはいえ、近年のリーディング上位厩舎が勝ち星に届いていない。

調教師1着2着3着出走頭数
*炭田健二3106
細川忠義20115
*大関吉明1102
那俄性哲也1006
中西達也1003
宮路洋一1003
宮川真衣1001
打越勇児04212
別府真司02011
*工藤英嗣0103
胡本友晴0102
雑賀正光00513
國澤輝幸0025
*は引退

騎乗騎手

馬齢限定戦ゆえ馬の連覇が不可能な中、引退した中西達也騎手(現調教師)が過去10年中4戦4勝と抜群の相性を誇った。現役では倉兼育康騎手が6戦で2勝含む4連対と好相性を見せる。調教師同様に近年のリーディングを取っている騎手は勝利を掴めていない。

騎手1着2着3着騎乗数
*中西達也4004
倉兼育康2206
*西川敏弘2109
佐原秀泰1106
畑中信司1003
宮川 実0338
岡村卓弥0118
赤岡修次0107
山中悠希0101
永森大智0037
上田将司0017
*別府真衣0015
多田羅誠也0012
*は引退

上位馬の「土佐春花賞」成績

「黒潮皐月賞」3着以内馬について、施行距離も開催時期も近い「土佐春花賞」の成績を集計した。

「土佐春花賞」に続いて重賞連勝となったのは2013年のニシノファスリエフと2021年のハルノインパクトの2頭だけだが、「黒潮皐月賞」1着馬の8割が「土佐春花賞」3着以内に入っていた。
なお、2018年以降5年連続で「土佐春花賞」1、2着馬が「黒潮皐月賞」でも3着以内に入っており、関連性が強いと言える。

土佐春花賞1着2着3着4着
以下
未出走
黒潮皐月賞1着23320
  〃  2着13042
  〃  3着32212

払戻金

5つの賭式をピックアップ。期間中の払戻結果の傾向を探った。

単勝式や複式馬券は比較的堅めという傾向が見られ、妙味狙いは単式でと見える。

単勝式

払戻金中央値:265円(最低140円~最高1,890円)
人気中央値:2番人気(最高1人気~最低5人気)

払戻金(円)200未満200~500510~1,0001,010以上
回数2512
単勝人気1234~56以下
回数44020

期間中は単勝1番人気、2番人気が各4勝ずつと上位人気の順当勝ちが8割を占める。払い戻しが10倍を超えたのは5番人気馬が勝利した2度だけで、5倍未満が7度と堅い傾向が見える。

馬番連勝複式

払戻金中央値:715円(最低190円~最高2,900円)
人気中央値:4番人気(最高1人気~最低9人気)

払戻金(円)200未満200~500510~1,0001,010以上
回数1243
馬複人気12~34~56~1011以下
回数23320

馬複の1番人気決着は2度も、過去10年は全て10番人気以内の組み合わせで決着しており、10倍未満払戻が7度と跳ねは少ない。

馬番連勝単式

払戻金中央値:1,355円(最低340円~最高10,770円)
人気中央値:5番人気(最高1人気~最低24人気)

払戻金(円)500未満500~10001,010~3,0003,010以上
回数3043
馬単人気12~56~1011~2021以下
回数23311

馬単1番人気は2度。しかし5倍未満の払戻は2番人気決着の1度を含めた3度に留まり、大半は10倍を超えている。なお、万馬券となったのは過去10年で最も波乱となった2015年(第19回)の1度だけで、この時は5人気-4人気での決着であった。

三連勝複式

払戻金中央値:705円(最低190円~最高17,570円)
人気中央値:1番人気(最高1人気~最低30人気)

払戻金(円)500未満500~1,0001,010~30003,010~10,00010,010以上
回数33211
三連複人気12~56~1011~2021以下
回数15211

期間中の1番人気は2016年(第20回)の1度だけだが、10番人気以内が8度と傾向面ではこちら大きな波乱は少ない。単勝1番人気馬は7年連続で三着圏内入りを守っており、三連系の軸としての信頼感は高いといえる。万馬券となったのは3着にシンガリ人気が入った2013年(第17回)のみ。

三連勝単式

払戻金中央値:5,600円(最低760円~最高38,920円)
人気中央値:16番人気(最高2人気~最低95人気)

払戻金(円)1,000
未満
1,000~
5,000
5,010~
10,000
10,010~
100,000
100,010以上
回数14230
三連単人気12~1011~5051~100101以下
回数03430

期間中三連単1番人気決着となったことはなく、10倍を切った払戻となったのは2番人気決着の2016年(第20回)のみ。単勝3番人気以内が2頭以上入らなかったのは2015年(第19回)のみと上位人気の信頼度が高い傾向にあるが、人気順の並びになったことは少ないため、並びの波乱は抑えておいてもという印象を持つ。

記録

※騎手・調教師は3勝以上

勝利回数上位騎手

7勝
中西達也(7,13,14,17,18,20,21)
4勝
北野真弘(2,3,4,6)
西川敏弘(8,9,22,25)

勝利回数上位調教師

5勝
炭田健二(13,14,17,20,21)
3勝
大関吉明(8,11,18)
細川忠義(15,23,24)

連覇
  • 北野真弘騎手(3連覇)
    第2回カイヨウジパング(1998)、
    第3回ギャロップスキー(1999)、
    第4回オオギリセイコー(2000)
  • 西川敏弘騎手
    第8回カイヨウソルトオー(2004)、
    第9回トップアオバ(2005)
  • 中西達也騎手
    第13回グランシング(2009)、
    第14回ナロウエスケープ(2010)
    第17回ニシノファスリエフ(2013)、
    第18回ニシケンメイピン(2014)
    第20回ブラックビューティ(2016)、
    第21回フリビオン(2017)
  • 倉兼育康騎手
    第23回アルネゴー(2019)、
    第24回レインズパワー(2020)
  • 雑賀秀介調教師
    第6回リンデンスワロー(2002)、
    第7回ワイエスジュリアン(2003)
  • 炭田健二調教師
    第13回グランシング(2009)、
    第14回ナロウエスケープ(2010)
    第20回ブラックビューティ(2016)、
    第21回フリビオン(2017)
  • 細川忠義調教師
    第23回アルネゴー(2019)、
    第24回レインズパワー(2020)

前年度開催

今年度結果

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