(2024年 馬場状態 4/29まで) [良]8 [良→稍重]1 [稍重]6 [重]13 [不良→重]1 [重→不良]1 [不良]16
重賞競走

【高知けいばの重賞】黒潮菊花賞

3歳クラシック路線の締めくくり・三冠競走最終戦!

基本情報

創  設
1997年
出走資格
・3歳
・出走申込時所属場で1走以上
競走距離
1900m
出走頭数
12頭以内
負担重量
56kg(牝馬2kg減)
本 賞 金
1着:800万円
2着:280万円
3着:160万円
4着:120万円
5着:80万円
(着外賞金:40万円)
ステップ
1着馬に「高知県知事賞」優先出走権付与
盛岡「ダービーグランプリ(M1)」指定競走

今年度開催

3歳秋のチャンピオンシップ2023
第27回黒潮菊花賞

開催日:2023(令和5)年8月27日(日)

歴代優勝馬・競走成績

※競走成績は1998年以降

レースレコード

2017年10月15日 第21回
モズオトコマエ(56kg)
(牡3 宮路洋一厩舎/赤岡修次騎手)
2:05.4(雨・不良)

概要

1997(平成9)年に高知けいば全体で行われた「重賞競走の体系化」によって新設された3歳三冠競走の第3戦と位置付けられる競走で、高知優駿と同じ1900m戦で行われる。

高知優駿と同距離で、同競走3着以内馬は本競走への優先出走権が与えられている。そして中間の世代戦に中距離戦がないため、まずは高知優駿の成績が焦点となる。ただ間隔がしばらく開いており、高知の暑い夏を乗り越えられているかがポイントとなる。
以前は転入馬や上がり馬がそれまでの世代上位馬に割って入れるかも大きな要素となっていたが、近年、あまりにも転入から日の浅い馬は重賞には選出されにくい傾向にあり、力量比較は以前よりしやすくなった印象はある。

1997年の三冠形成以来、二冠馬となって本競走に進出したのは8頭いるが達成したのは3頭に留まり、決して楽ではない。最後に三冠を達成したのは2009年のグランシング号が最後である。

2010年から岩手競馬の「ダービーグランプリ」への指定競走となっており、現在は優勝した場合選定上位馬となり、出走を申し込んだ場合は出走馬に選定されやすい扱いがされる。また、2017年より地方競馬の全国シリーズ「3歳秋のチャンピオンシップ」の構成競走となっており、本競走を優勝して「ダービーグランプリ」にも優勝すると報奨金が進呈される。

なお、2023年から優勝馬には年末のグランプリ競走「高知県知事賞」への優先出走権が付与される。

競走名の由来

中央競馬の3歳三冠競走に範を取り、第3戦である「菊花賞」に高知県沖の太平洋を流れる海流「黒潮」を冠したものと推測

出走馬選出基準

  • 優先出走を認める馬
    本年度「高知優駿」3着以内
  • 高知県競馬組合による選出

ローテーション

歴史

1997年の重賞競走の体系化に伴い創設。この年に本競走と春の「黒潮皐月賞」を新設し、既存の「高知優駿」(体系化に合わせ「黒潮ダービー・やいろ鳥賞」から名称変更)を組み合わせる形で高知けいばにおける(現)3歳三冠路線が形成されており、これは今日まで変わっていない。

第2回の1998年にカイヨウジパング号が早くも初の三冠を達成、2年後の第4回(2000年)にもオオギリセイコー号が達成し、歴史を刻んでいった。

しかしその後高知けいばの経営難が本競走も直撃する。レースこそ継続されるが、1着賞金は急落。存続のための賞典奨励費調整が随時行われていたこと、また開催時期が他の三冠競走よりも遅かった関係か、後々も経営難の象徴とされた1着賞金27万円への移行は他の二冠戦よりも1年早く行われた。

ギリギリの状況下の2009年、グランシング号が3頭目の三冠馬に輝いている。同年より4年間は他の多くの重賞同様に交流競走となり、初年のこの年のみ兵庫と福山から1頭ずつ遠征があった。

2010年からはこの年から再開された岩手競馬の3歳地方全国交流競走「ダービーグランプリ」の指定競走となり、優勝馬が希望すれば出走が叶いやすい扱いがされている(初年は出走権付与と明示されていた)。

経営環境が落ち着き、高知所属馬限定重賞に戻った2013年からは賞金が回復しはじめ、2021年以降は創設当初の水準をも上回っている。

なお、2019年に「3歳秋のチャンピオンシップ」がその後のJBC競走出走を促す機能を持つようになったため、その目標戦である「ダービーグランプリ」が時期を2か月程度前倒ししたことから、指定競走である本競走も連動して開催時期が早められており、近年は8月下旬開催となっている。

「黒潮菊花賞」タイムライン
  • 1997年
    (第1回)
    11月開催の4歳1900m定量重量戦の重賞として創設

    1着賞金300万円(第4回まで、以降減額)
    開催時期は年によって10~11月で変動

  • 1998年
    (第2回)
    カイヨウジパング号が優勝し三冠馬となる

  • 2000年
    (第4回)
    オオギリセイコー号が優勝し2頭目の三冠馬となる

    ※掲載時点で高知生え抜き三冠馬は本馬が最後

  • 2001年
    (第5回)
    馬齢表記の変更に伴い出走条件が「3歳」に変更
  • 2006年
    (第10回)
    1着賞金27万円に変更

    第16回まで、以降増額

  • 2007年
    (第11回)
    開催時期が9月に移動

  • 2009年
    (第13回)
    グランシング号が優勝し3頭目の三冠馬となる
    近畿・中国・四国地区交流競走に変更
    開催時期が10月に移動

    他地区出走枠を兵庫・福山所属各1頭とした交流競走に変更

  • 2010年
    (第14回)
    岩手競馬「ダービーグランプリ」指定競走となる
    他地区出走枠の配分を変更

    他地区出走枠を兵庫・福山所属8頭以内に変更

  • 2012年
    (第16回)
    中国・四国地区交流競走に変更

    他地区出走枠を福山所属6頭以内に変更

  • 2013年
    (第17回)
    高知所属馬のみの重賞に変更

    1着賞金40万円に変更(以降増額)

  • 2017年
    (第21回)
    「3歳秋のチャンピオンシップ」構成競走となる

  • 2019年
    (第23回)
    開催時期が9月に変更

  • 2021年
    (第25回)
    開催時期が8月に変更
    新型コロナウイルス感染症の感染予防及び拡散防止のため無観客で開催

傾向(過去10年)

2013年(第17回)~2022年(第26回)までの成績を集計し、傾向を分析する。

天候・馬場状態

期間中最も多いのは晴での開催。良が2度ある一方、不良も2回あり、当日以前の天候の影響を大きく受ける高知らしい結果となっている。曇、雨の場合は全て不良馬場であった。

天候稍重不良
2112
0003
0001

走破時計

期間中の3着内馬の走破時計の分布を集計した。

良馬場2戦の平均勝ち時計が2分08秒35、唯一の稍重開催である第25回(2022年)の勝ち時計は2分08秒0、重馬場だった第22回(2018年)が2分11秒1、不良6戦の平均勝ち時計は2分08秒03となっている。1度の重馬場だけ大きく時計を要しているが、この時は追い込みで決着する競馬だったためペースが特殊だったようにも思われる。これを踏まえると、馬場を問わず勝ち負けには2分08秒台での走破が可能か否かがひとつのポイントといえる。

3着内時計の中心は2分08~09秒台となっており、期間中の複勝圏内馬は概ねこの時計で走っているケースが多い。最もサンプルが多い不良馬場に関しては馬場の影響もあるといえ、2分05~06秒台は全てレースレコードが出た第21回(2017年)に記録されている。

3着内馬走破時計稍重不良
2分05秒台0001
2分06秒台0002
2分07秒台0001
2分08秒台3306
2分09秒台2007
2分10秒台1001
2分11秒台0030

単勝人気

期間中は単勝1番人気馬が4勝、2番人気馬が3勝と上位人気馬決着が多い。これは各年のメンバー構成にもより、上位とそれ以外に力差が感じられるメンバー構成になった場合、展開次第で結果的に人気薄になった馬が上位に飛び込んだというケースも起きている。
なお、以前は転入直後に快勝した馬がいきなり人気を背負ったケースも見られ、それが跳ね返されて波乱になったケースもある。世代戦=条件緩和ではないだけに、ここで初めて重賞に挑戦という馬は見極めがかなり大事である。

単勝人気1着2着3着4・5着6着以下
1番人気43003
2番人気33112
3番人気10324
4番人気01072
5番人気10207
6番以下1341046

性別

期間中の上位3頭は牡馬・牝馬ともにほぼ拮抗していると言っていい。かつては入厩傾向から牝馬が力上位という世代もあり、優勝した牝馬は後々も当地の上位級で活躍したり、他場移籍後も長く現役を務めたりと概ね活躍している。なお、直近は3年連続で牡馬が勝利している。

性別1着2着3着4・5着6着以下
牡馬6451239
セン馬00010
牝馬465725

発走枠

期間中は内の1、2枠からの優勝馬が出ていない。ただし、1番人気馬が入ったのが1枠に1度だけ、2番人気は入ったことがなく、枠順抽選の妙という感もある。一番相性が良さそうなのは中枠で特に4枠だが、人気馬が入っていたケースも多い。

1着2着3着4着
以下
1枠0028
2枠0109
3枠2017
4枠3304
5枠12112
6枠21213
7枠11216
8枠12215

調教師・騎手

期間内に3着内が1回以上ある馬を対象として、所属していた厩舎、騎手を集計した。

調教師

期間中複数の勝利を挙げた調教師はおらず、珍しく毎年勝利調教師が変わっている。3着以内に拡げるとさらに散らばっており、この競走を得意にしている厩舎があるとは言いにくい。

調教師1着2着3着出走頭数
松木啓助12010
細川忠義11213
田中譲二1117
雑賀正光11115
那俄性哲也1106
宮路洋一1104
中西達也1027
田中 守1016
目迫大輔1004
工藤真司1004
打越勇児0118
*大関吉明0102
宮川真衣0101
國澤輝幸0011
別府真司00112
*は引退

騎乗騎手

期間中は赤岡修次騎手が3勝、多田羅誠也騎手が連覇で2勝と2人で半数勝っている計算となるが、勝利した騎手と2、3着を取った騎手が分かれているという傾向があり、勝利騎手が2、3着も多数取っているという感じではない。

騎手1着2着3着騎乗数
赤岡修次3019
多田羅誠也2003
佐原秀泰1107
上田将司1016
岡村卓弥1006
嬉 勝則1005
林 謙佑1004
永森大智02110
*西川敏弘02110
*倉兼育康0126
宮川 実0119
郷間勇太0115
*中西達也0104
畑中信司0101
*別府真衣0015
妹尾浩一朗0013
*は引退

「高知優駿」3着以内馬の本競走成績

本競走は高知優駿3着以内馬に優先出走権が与えられている。同距離でもあり関連性は高いと考えられるが、期間中の結果を集計した。

前走1着2着3着4着
以下
未出走他地区
所属
高知優駿1着331111
高知優駿2着110332
高知優駿3着000415
高知優駿4着以下316
高知優駿未出走353

高知優駿と黒潮菊花賞の連勝は期間中3頭、黒潮菊花賞が2着は3度であった。出走して複勝圏を外したのは1度だけで信頼度が高い傾向が見える。
一方、高知優駿2着からの黒潮菊花賞優勝、2着は1頭ずつ。高知優駿3着馬は期間中複勝圏入りがない。ただし、3着は2017年の地方全国交流化以降は6回中5度が他地区馬であり、サンプルが少ない。

期間中に高知優駿ワンツーが黒潮菊花賞でもワンツーとなったのは第18回(2014年)と第26回(2022年)の2度に留まる。一方高知優駿4着以下、もしくは未出走からの黒潮菊花賞優勝は3頭ずついる。
2着以下も4着以下・未出走馬が占める比率は高いため、安易に高知優駿の上位馬をそのまま持ってくるのではなく、少なくとも1頭は穴となりそうな馬を抑えておいても傾向的には悪くないと言えそうだ。

払戻金

5つの賭式をピックアップ。期間中の払戻結果の傾向を探った。

単勝式こそ上位人気は安心感があるものの、他の賭式は全て万馬券が複数回出ており、紛れを狙うだけの価値はある傾向が出ている。

単勝式

払戻金中央値:405円(最低110円~最高3,420円)
人気中央値:2番人気(最高1人気~最低6人気)

払戻金(円)200未満200~500510~1,0001,010以上
回数3403
単勝人気1234~56以下
回数43111

単勝1番人気馬の勝利は4度、2番人気馬が3度と基本的には上位人気による順当勝ち中心も、中距離戦の展開のあやなのか、人気薄が突っ込んできての波乱が起きたこともある。

馬番連勝複式

払戻金中央値:390円(最低140円~最高27,600円)
人気中央値:2番人気(最高1人気~最低37人気)

払戻金(円)200未満200~500510~1,0001,010~9,99010,000以上
回数24022
馬複人気12~34~56~1011以下
回数51013

馬複1番人気決着は期間中半数の5度。2番人気の1度を加えた6度が500円以下の払戻であった。力量評価で上位候補が固まった時はそれを素直に評価してその通りという結果が基本的には多い。10倍超えの払戻となった時は単勝1番人気馬が連対を外しており、2度の万馬券も出ている。

馬番連勝単式

払戻金中央値:1,440円(最低230円~最高72,910円)
人気中央値:5番人気(最高1人気~最低75人気)

払戻金(円)500未満500~10001,010~3,0003,010~9,99010,000以上
回数32203
馬単人気12~56~1011~2021以下
回数33103

馬単1番人気決着は3度。4番人気までで決着した5度が10倍未満のオッズだった。一方、人気薄の馬の連対も少なからずあったため、馬単での万馬券が3度出ている。

三連勝複式

払戻金中央値:4,920円(最低180円~最高34,020円)
人気中央値:17番人気(最高1人気~最低66人気)

払戻金(円)500未満500~1,0001,010~3,0003,010~10,00010,010以上
回数20224
三連複人気12~56~1011~2021以下
回数20224

三連複1番人気決着は2度で10倍未満のオッズとなったのはこの時のみ。1番人気馬が3着を外したり、上位人気の中に相当な人気薄が1頭入るといったことが多く、結果三連複で万馬券が4度もでており、紛れを期待できる傾向が出ている。

三連勝単式

払戻金中央値:36,285円(最低730円~最高492,500円)
人気中央値:77番人気(最高1人気~最低509人気)

払戻金(円)1,000
未満
1,000~
5,000
5,010~
10,000
10,010~
100,000
100,010以上
回数12133
三連単人気12~1011~5051~100101以下
回数11224

期間中の三連単1番人気決着は2022年の単勝1→2→3人気決着となった1度だけで、この時のみ10倍を割った。10番人気以内での決着はほかに1度しかない一方で、万馬券決着が6度を数え、うち3度は10万円超えとなるなど、傾向的には紛れが多いといえる。

記録

※騎手・調教師は3勝以上

勝利回数上位騎手

4勝
赤岡修次(5,17,21,23)
3勝
北野真弘(2,4,6)
中西達也(8,13,14)
西川敏弘(9,10,16)

勝利回数上位調教師

3勝
大関吉明(8,10,16)
雑賀正光(12,15,23)

連覇
  • 西川敏弘騎手
    第9回トップアオバ(2005)、
    第10回レッドスターリリー(2006)
  • 中西達也騎手
    第13回グランシング(2009)、
    第14回ナロウエスケープ(2010)
  • 多田羅誠也騎手
    第24回フリタイム(2020)、
    第25回トーセンジェイク(2021)
  • 炭田健二調教師
    第13回グランシング(2009)、
    第14回ナロウエスケープ(2010)

今年度結果

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