きょう、高知競馬の平成27年度番組編成要領が発表されました。 平成27年度高知競馬番組編成要領掲載ページ
平成26年度の売り上げが大きく伸びたこともあって、賞金・手当等の増額も行われたほか、レース設定や斤量設定の修正が行われています。
新年度に重点が置かれているのは、『2歳新馬の確保を目指す』という点のように思われ、近年(今まで?)なかった設定が追加されています。
以下、編成要領に基づいて記述し、感想等は私見であることをお断りしておきます。
~番組編成要領~
●「出走資格及び制限」の変更点
出走申込みできない馬として、従来は「サイクルの節(連続する開催単位)初日の前日までに出走制限及び出走停止期間を満了していない馬」となっていたのを「出走する競走前の金曜日までに満了していない馬」と改められました。以前は土日の2日連続の日程ばかりでしたので「節初日の前日」=「金曜日」だったわけですが、最近は日程が「日・火・水」となったりまちまちになってきたため、明確化したものと思われます。
(2015.6.1追記)その後4月1日付けで再度改定が行われ、禁止薬物関連など、一部条項の整理が行われました。
●番組賞金、格付け
転入馬の賞金換算率、格付けの賞金範囲は昨年度と同じです。
●前走他場ダートグレード、他場重賞勝ち馬の最上位強制編成方法
前走が他場のダートグレードだったり、他場の重賞で1着だった馬は地元出走の初戦はサイクルで実施される最上位の競走への編成となりますが、今回の改定では、その資格を持つ馬が多数で最上位競走の出走枠から漏れてしまった馬については「資格はそのままで次回以降適用」という項目が加わりました。まあなかなかないと思いますが…。
●負担重量の変更
一般格(古馬戦普通競走・特別競走)の負担重量が変更されており、
(従来)「2歳54キロ(牝馬53キロ)、3歳55キロ(牝馬53キロ)、4歳以上56キロ(牝馬54キロ)」
↓
(変更)「2歳54キロ(牝馬53キロ)、3歳以上56キロ(牝馬54キロ)」
となり、3歳馬の1キロ減がなくなりました。これにあわせ、黒船賞を除く古馬重賞での3歳馬の2キロ減(55キロ)は1キロ減(56キロ)に変更、JRA指定交流競走(はりまや盃・桂浜盃)、牝馬限定でない準重賞、A級1組の3歳馬の1キロ減規定はなくなりました。なお、牝馬限定でない準重賞とA級1組の2歳馬については「3歳以下55キロ」から「2歳54キロ」へと緩和されています(牝馬53キロは変わらず)。
また、従来は3歳戦に出走する2歳馬についてはレアだったのか要領上に規定がなく、定量戦での2歳と3歳の斤量差に準じて1キロ減となっていましたが、今回「3歳56キロ(牝馬54キロ)、2歳54キロ(牝馬53キロ)」と明確に設定されました。
これとは別に、重賞でない黒船賞選考競走(旧「だるま夕日特別」や「ガーネット特別」など)の斤量設定が今回削除されています。「だるま夕日特別」の「だるま夕日賞」への格上げ後は対象競走がなく、今後も使用する見込みがないためと思われます。
~賞金諸手当支給要領~
●本賞金の増額
3歳重賞、2歳重賞、準重賞のほか、C2級以上の特別・普通競走で本賞金が増額されました。さらに今回特別競走で「2歳新馬」という競走設定が加わっており、これについては1着50万円と大きな本賞金が設定されています。高知の新馬戦となるともう何年もやっていない種別であり、近年2歳で高知デビューという馬は年に1,2頭いるかどうかではありますが、後述の手当て新設も含め「高知デビューの新馬確保」策の一環ではないかと思われます。ただ、新馬勝ちで本賞金50万円をとってしまうと、2キロ減の減量があるとはいえ、いきなり2歳格卒業で次走が古馬C3の上位賞金馬と当たってしまう形になりますが、これって、大丈夫でしょうか…(新馬戦のレースレベルにもよりますが)。(※追記:その後2歳新馬戦に限り換算率が設定され、番組賞金への加算額は抑えられました)
<1着賞金>※級混合戦は混合された上位級の賞金
古馬重賞 100万円(高知県知事賞は150万円)→変更なし
3歳重賞 60万円→80万円
2歳重賞 40万円→60万円
準重賞 30万円→40万円
A級特別 18万円→24万円 A級普通 15万円→20万円
B級特別 15万円→20万円 B級普通 13万円→16万円
C1級特別 14万円→16万円 C1級普通 12万円→14万円
C2級特別 13万円→14万円 C2級普通 11万円→12万円
C3級・3歳特別 12万円→変更なし C3級・3歳・2歳普通 10万円→変更なし
2歳新馬(特別) 50万円(新設定)
●出走手当
昨年12月末に1走50,000円に引き上げられた出走手当てですが、新年度は二走目戦については35,000円に引き下げられます。前回の改定タイミングではほとんど二走目が組めない時期ということもあってか一律となっていましたが、新年度からはまた二走目が多数入りますのでさすがに同水準というわけにはいかなかったようです。
●「高知デビュー馬」への特別出走手当・特別付加賞金
要領において『高知競馬で生涯初めての出走投票を行い、10月末までに出走し引続き在籍する馬』を「高知デビュー馬」と定義し、この馬について2歳の間には1走につき10,000円の「特別出走手当」、また、3歳12月末までの重賞1着に300,000円、準重賞1着に50,000円、特別競走1着に30,000円の「特別付加賞金」(進上金対象外=馬主に贈呈)が贈られることとなりました。
2014年の2歳高知デビューは3頭いますが(ただし1頭は既に登録抹消)、いずれも出走は11月以降であり、それなりに条件は厳しい感じです。他場のデビュー馬入厩促進策がいかほどかは調べていませんが、現状の高知の賞金や手当の体系からはそれなりに振る舞った感はあります。3歳いっぱいと比較的長い期間を対象にした特別付加賞金をつけているあたりは、単に呼び込むだけでなく、来た以上はそれなりに居て欲しいという思いが感じられます。
●調教師賞、騎手賞、きゅう務員賞
手当に変更はないのですが、騎乗(管理)馬が上位成績に入ったときに贈られる賞が黒船賞以外では「1着1,000円、2着300円」だったものが、「1着1,000円、2着500円、3着300円」と支給対象の拡大と金額の増額が行われています。
『2歳新馬の確保を目指す』という方針がうかがえる新年度の高知競馬。個人的には1頭デビュー馬が混じるだけでもちょっと特別な目で見てしまいますし、ヒロカミヒメのように高知デビューの活躍馬が生まれればファンの注目も集めるだけに、成功すれば訴求効果は高いでしょう。それがさらに進んで夢の?「新馬戦」の実施まで結びつくことができるのか。動向を眺めていきたいと思います。