(2024年 馬場状態 4/29まで) [良]8 [良→稍重]1 [稍重]6 [重]13 [不良→重]1 [重→不良]1 [不良]16
レースライナー

令和5年度第18サイクル出馬表発表

2023年12月25日に28日(木)、29日(金)分、また27日に31日(日)、2024年1月1日(祝・月)の高知けいばの出馬表が発表された。競走数は当初編成どおり、28日、29日、1月1日が12レース、31日が10レース制で行われる。31日と1月1日は薄暮開催の「夕焼けいば」となっており、開始・終了時間が通常のナイター開催より早いためご注意を。

なお今サイクル以降、今年度の残りのサイクル割りは1週で完結となる。

編成からの変更点

31日9Rに予定されていた「A-3」が出走投票の結果実施されないこととなったため、この日は11レース編成から10レース編成に変更となった。これに伴い、A級普通競走2競走と1月1日実施のAB混合戦が再編成となり、A級普通競走1競走とAB混合戦に組み替えられた。
また競走の実施順も当初6Rの「C1-5」と7R「第54回高知県知事賞」を入れ替えた上で、当初の10R以降のレースが1レースずつ繰り上げとなっている。

重賞競走「高知県知事賞」

31日のメイン競走、「GRAN PRIX 第54回高知県知事賞」(3歳以上・2400m)は回避なく編成通りの12頭フルゲートとなった。なお、「第35回珊瑚冠賞」2着のアヴァンセと「第51回高知優駿」「第27回黒潮菊花賞」優勝のユメノホノオは優先出走権を有している。
ロードブレスとヤマノマタカがB級格付け、残る10頭はA級格付け。また、3歳馬のユメノホノオとデステージョは斤量が1キロ軽くなっている。

1着賞金2000万円のビッグレースは17時30分のゲートイン。出走馬12頭を簡単にご紹介する。

1 アヴァンセ

セン7・雑賀正光厩舎
高知18戦5勝 2022年3月JRA3勝クラスから転入
JRA時はダート中距離を3勝。転入当初は無傷の4連勝で下級の中距離準重賞「丸山台特別」「四万十川特別」を連勝したが、A級勝ちを収めた後に長期休養。今年復帰後は勝ち星がないが9月の重賞「珊瑚冠賞」で2着に入り優先出走権を得てゲートイン。近走は後方待機から珊瑚冠賞でも見せた末脚が武器で初体験の2400mで発揮されるかどうか。

2 ジャッキー

牡9・那俄性哲也厩舎
高知48戦6勝 2021年10月JRA1勝クラスから転入
JRA時は芝の短距離を2勝だが障害戦や長距離戦も経験。C3級上から勝ち上がって2022年8月にA級入り。A級戦は1勝ながら昨年の「高知県知事賞」は6着、今年の「珊瑚冠賞」(1900m)は4着と中距離戦以上で後方から長くジワジワと位置を上げる戦法を見せており、展開と恵まれの助けが叶えば。

3 ファイアランス

牡6・別府真司厩舎
高知1戦1勝 2023年12月JRAオープンから転入
JRA時はダートの中距離を3勝したのち短距離を1勝してオープン入り。今月行われた転入初戦のB級戦を好位から楽な手応えで後続を置き去りにする圧勝を見せ、まだB級格付けだがいきなりの重賞挑戦。直前のJRA短距離オープンでも1秒内の着差にまとめるなど実力は確かだが、JRA時の最長距離は1800mであり、600mの距離延長に対応できるかが全てになりそう。

4 ナムラゴロフキン

牡6・別府真司厩舎
高知9戦5勝 2023年2月JRA2勝クラスから転入
JRA時はダートの中距離を2勝。転入当初から加速がつくと鋭い伸び脚を見せ、転入4戦目にB級格付けながら1900mの重賞「二十四万石賞」で2着に入り頭角を現す。反面、走る気を出さなかったり遊びを見せる気性難ともされており、当初の主戦だった倉兼育康騎手(現調教師)が重賞級の実力を邪魔する気性の難しさをインタビューで度々惜しんだほど。前走の1800m準重賞「キセキ賞」でもタイム差なし2着と詰めており、初距離対応とそれ以上に真面目に走って能力を発揮できれば。

5 デステージョ

牡3・打越勇児厩舎
高知11戦4勝 2022年12月北海道2歳1組から転入
北海道時代はJRA認定競走を3勝、重賞を含め全て3着内にまとめた世代上位の1頭。昨年の園田「兵庫ジュニアグランプリ(JpnII)」を3着しての高知入りは前例のない2歳実績馬の転入だった。明け3歳で自己条件の古馬B級戦を勝利するも、同世代のユメノホノオの後塵を拝する結果が続き、ユメノホノオが不在の3歳準重賞は3勝するが3歳重賞では2着3回3着2回に終わった。出脚が付かないケースが散見される一方、末脚の鋭さは距離を問わず抜群で自己条件の古馬戦でも威力を見せており、終盤までに先頭との差が縮んでいればあるいはの感も。デビューから通算19戦で全て3着以内をキープ。

6 ヒカリオーソ

牡7・別府真司厩舎
高知32戦15勝 2022年5月川崎A級から転入
川崎時代は2019年の東京ダービー馬となるなど重賞を4勝し、古馬となっても2019年の「川崎記念(JpnI)」で2着入りするなど南関東のトップクラスに位置したが、後に長期に渡って調子を崩し高知入り。番組賞金ゼロのC3級下スタートとなったが、自在な位置取りから終いも伸びるレースぶりで1年足らずでA級入り。当初は最上位競走では一息も出走を重ねるごとに対応しA級1組戦を2勝。2019年以来の重賞勝ちを目指す高知重賞3度目の挑戦は終いの伸びと展開利が噛み合えば。

7 ガルボマンボ

牡4・細川忠義厩舎
高知27戦11勝 2021年11月北海道2歳3組から転入
北海道時代は自己条件の短距離戦を1勝。転入後に着実に力を付け、2022年の3歳世代上位馬となり、「高知優駿」と「黒潮菊花賞」の2冠馬となる。昨年の「高知県知事賞」ではスペルマロンとの長い叩き合いを制して史上3頭目の3歳馬制覇を達成。夏場に精彩を欠いたり、諸事情で一時的に登録抹消となったこともあったが今年も古馬重賞を3勝しており、高知所属での獲得賞金1億円も達成。バテないタフな脚を発揮して中盤以降のレースの主導権を握れば連覇も見えてくる。

8 メイショウワザシ

牡8・雑賀正光厩舎
高知5戦0勝 2023年9月大井A1級から転入
JRA時代はダート中距離を4勝しオープン入り。大井時代は交流重賞への出走も多く2022年に笠松のマイル重賞「くろゆり賞」で重賞初制覇。高知では自己条件の入着までだが、重賞経験の豊富さに加え、6戦目の馬場慣れと2400m前後の距離でも信条の前々で粘る競馬でうまく運ぶことができるのなら。

9 ダノンロイヤル

牡8・別府真司厩舎
高知23戦8勝 2022年8月JRA3勝クラスから転入
JRA時代はダート中距離を3勝。JRA終盤は成績があがらず高知転入時はC3級下だったが、8連続連対目で2023年の準重賞「初夢特別」を勝利し、短距離重賞でも馬券圏内入りを複数果たす。A級1組戦は1勝のみだが中団から位置を上げる競馬で最上位競走での善戦は多数。2000m超の競走は初体験だが、いつもの後半勝負の堅実な脚が2400m戦でも発揮されるなら。

10 ユメノホノオ

牡3・田中 守厩舎
高知15戦13勝 2022年7月高知デビュー
出走馬中唯一の高知デビュー馬。「高知優駿」「黒潮菊花賞」優勝による優先出走権を得て参戦。世代重賞を6勝し14年ぶりの高知三冠馬となった2022年デビュー組の高知ナンバーワンホース。レース中盤から次元の違う鋭い加速で外を捲る競馬で魅了し、全国的な視点での地方競馬3歳上位馬としても名前が上がるほど。弱点は個性として認識されるほど顕著な発馬の悪さだったが、秋に入り幾分緩和された感がある。古馬重賞と遜色のない勝ち時計もマークしているとはいえ初挑戦の古馬戦の流れに対応できるかが焦点か。これをクリアできれば翌年以降の夢が大きく膨らむ。現在10連勝中。

11 ロードブレス

牡7・打越勇児厩舎
高知2戦2勝 2023年10月JRAオープンから転入
JRA時は芝の長距離を1勝した後、ダート中距離を4勝。2020年には船橋「日本テレビ盃(JpnII)」で重賞勝ちを収めている。C1格付けで転入初戦を一捲りで圧勝し、続くB級以下の1900m準重賞「鏡川特別」でも同様にステッキを使うことなく一捲りで後続を5馬身ちぎる圧勝劇が続いた。B級格付けであるが参戦。後半の伸び脚は明らかに強力であり、2000mを越える距離は芝ながら3歳時に経験もある。残るは高知オープンクラスとの力関係だけといえ、ここを勝利するようなら勢力図が大きく塗り替わる。

12 ヤマノマタカ

牡6・松木啓助厩舎
高知10戦0勝 2023年6月JRA2勝クラスから転入
JRA時代はダートの長距離戦で好位から抜け出して2勝。JRA終盤から末脚に徹する競馬が続き、高知転入後も同様だが、日常の条件では距離が足りていない印象がぬぐえず追い込み切れず入着どまりが続いている。B級格付けで参戦。前走のB級以下1900m準重賞「鏡川特別」では追い上げて3着に届いていることから、JRA時の守備範囲だった2400m戦ならば適性から展開次第で隙が付けることも。

重賞競走「金の鞍賞」

28日のメイン競走、7Rの「高知市長賞典 第45回金の鞍賞」(2歳・1400m)は編成通りの12頭フルゲートで行われる。リケアサブルとプリフロオールインがC3級下格付け、残る10頭は2歳格付け馬となっており、「第1回ネクストスター高知」5着以内のプリフロオールイン、リケアサブル、シシノブレイブ、マジックセブン、テイクノートの5頭と、「土佐寒蘭特別」3着以内馬のうち、3着のホーリーバローズの6頭が優先出走権を得ての出走となっている。

「第1回ネクストスター高知」で前々から後続を突き放したプリフロオールインが中心視されるのが妥当か。このレース後は休養しているが、オーナーサイドの発信では調整も問題なく行われており、世代重賞2連勝を狙う態勢は整っている。同様に重賞後休養を挟んでの参戦のリケアサブルは結果はまとめられる能力があるも道中に地味になる面が解消されていれば。夏場を全休し3戦3勝で主要競走初参戦のバウンティキャットは1300m戦の持ち時計は世代上位と大差はなく、まだ底が見えていないだけに人気は集めそう。距離があれば堅実に伸びるシシノブレイブや、「ネクストスター高知」後に成長が明らかなホーリーバローズ、見せ場が増えてきたイッセーノーデも前が崩れるようなら。

準重賞競走「初夢特別」

1月1日のメイン競走となるRの「初夢特別」(4歳以上B級以下・1400m)は回避なく編成通りの12頭フルゲート。ヒロシゲアトムのみがC1格付け、残る11頭はB級格付け馬による一戦となった。

ハナを奪うと実績馬も破り全勝中のデシジョンがレースの中心か。ただハナを奪わせないには捨て身覚悟の感もあり、鈴を付けに行く馬がいるのかどうかにもよりそう。筆頭となりそうなケプラーも基本は同じタイプだが、前々走に好位から進めて勝利しており、番手を取ることはできそうだが。展開が向けばダノンマヴロスやゼンノジャスタといった差し勢にも上昇は望めそうにも。

特別競走

28日の1Rに「2歳新馬」(2歳新馬・1300m)が組まれており、2023年最後の新馬戦となる。高知けいばで12月に新馬戦と名の付く競走が行われるのは初であり、また新馬戦が1300m戦で行われるのもはじめてである。なお、ブルーアプローズのみ1300mで能力検査を受検している。

28日の11Rは「満天星(どうだんつつじ)特別」(2歳・1800m)。編成からウオタカが回避し、4組の転入初戦馬ミシロウェイが移動し12頭フルゲートを維持。
記録がインターネット上で検索できる1986年以降において、高知けいばの2歳馬による競走で1800m戦を行ったことはないことから新機軸の設定であり、短距離の「金の鞍賞」に対して本競走は中距離路線を試す馬向けのレースと言える。

マイル戦の「土佐寒蘭特別」1着のワンウォリアーと2着ジョウショーラインは「金の鞍賞」への優先出走権を得ていたが、こちらにエントリーしており、意欲を感じる。一方、ミシロウェイ、クレフェノー、エールステステルの3頭はホッカイドウ競馬時代に中距離戦の経験があり、特にミシロウェイは入着していることから、土佐寒蘭特別上位2頭を合わせたこの3頭が人気を集めそうな雰囲気も感じる。残る高知デビュー馬は最長でも1400mまでの経験しかなく、戦績からの手掛かりが掴みにくい(エーステンペストは土佐寒蘭特別に出走しているが騎手落馬で競走中止)。

28日の6R「歳末特別」(C2-1選抜馬・1600m)は編成からオルクリストとディーズマヌーバーが回避し9頭立てとなった。前回選抜2着のシャープレシオと3着ライラテソーロが居残り、前走1~3着馬が加わったメンバーで行われる。
前回からの居残り組であるシャープレシオとライラテソーロは勝ち馬が強かったレースが続いており、上位圏有望感は変わらず。先行一手のコスモケルビンは以前は中距離を走っており距離対応は問題なさそうだが。エースレイジングは展開が向けばという感があり人気はありそう。
なお、馬場が乾いた状態の可能性があり、その適応もポイントとなりそう。

29日の7Rは「バイカオウレン特別」(C3-1選抜馬・1400m)。編成からクリノマンゲツ、プロテア、アルピニズムの3頭が回避した9頭立て。前回選抜2着のイントゥザワールドと3着フリーウィーリングが居残り、残る7頭は全て前走1着馬というレースとなった。
11月初め以来となるサトノフェイバーは時計面では一歩リードで人気も集めそうだが間隔を開けて使ってきた関係もあってこれが初の選抜戦となるのがポイントか。転入から6戦パーフェクト連対のスヴニールデジールや長休明け初戦快勝のスズカゴーディー、乾いた馬場でも良績あるグランリージェントやチリセラーノも人気を集めそう。

29日のメイン11R「高知城特別」(C1-1選抜馬・1600m)は編成からブリッツェンシチー、カネコメアサヒ、アバンダンス、トロワシャルムの4頭が回避し8頭立てとなった。前回選抜3着のオンストロンが居残り、これに前走1~3着馬が選抜されている。
選抜3度目のオンストロンは強力な相手でも馬券圏内をキープしておりまず目立つところ。2戦目のドウドウキリシマも稍重馬場での初戦の時計ならここでも。持ち時計上位のモズゴールドメダルや前々が叶えばミスズメジャーも気になる存在。

今サイクルの「一発逆転ファイナルレース」

今サイクルの記者選抜戦はC2級、C3級上とC3級下から2戦の選抜で行われる。恒例であるが31日の記者選抜戦が今年の高知けいば、また日本の競馬においても最終レースとなるため「一発逆転2023ファイナルレース」のレース名で行われる。

28日は12Rに組まれ、C2-5記者選抜の1600m戦。編成通りの11頭フルゲート。ニシケンリターン、ネバーランド、スターライトキスの3頭が初選出となる。全馬近4走以内に入着があり、ニシケンリターンは3歳準重賞「栴檀特別」で3着があるが高知のマイルは初めてとなる。
乾いた馬場が予想されるが、先行しても粘り切れていない馬が散見されるため、差し展開が生まれるかどうかもポイントとなりそう。

29日はC3-6記者選抜の1400m戦で行われる。この日も回避はなく12頭フルゲートでの競走。レッドフェリーチェのみが初の記者選抜入りという構成。
オセアレジェンドが5走前にこの条件の記者選抜戦を勝利。一方で近5走着外も3頭いる。
この日も乾いた馬場が想定されるため、その適正がまずポイントとなりそう。展開が向けばという脚質の馬は見られるだけに、その辺りを絡めるかどうかか。

大晦日の31日は10Rとなる。今年の最終競走として「一発逆転2023ファイナルレース」の名称で行われるC3-20記者選抜の1400m戦。編成からサムシンググレートとハイアーグレードが回避し、1月1日の14組に編成されていたスターライトテールとナイトフォールサンが移動しての12頭フルゲート。
初記者選抜はスリーガーニッシュ、スターライトテール、アトムズスピアーの3頭。1頭を除いて近5走以内に入着がある。時計を持っている馬は内目に寄っている感がある。一方近走の馬券絡みのある馬は比較的差しタイプが多い。着外だらけではないゆえに材料になる項目が多くなっており、難解な印象がある。
なお、この日は馬場が湿っている可能性が高いため、前半2日との馬場の変化には留意する必要がありそうだ。

1月1日は12Rに組まれたC3-19記者選抜の1400m戦。こちらも回避無しの12頭フルゲート。
初記者選抜はメイショウミチロク、メイショウケンセイ、ネイサンバローズ、ミオファースト、イリゼリヴァージュ、アスカセオンと半数の6頭。
メイショウミチロクは5走前に現級を勝利。また、全馬近2走以内に入着があり、12頭中10頭は近5走以内に2ないし3着が複数回あるという、あと一歩の馬が揃ったメンバー構成となった。また残る2頭も馬券圏外とは言え大敗はしておらず、比較が難しい。一方、時計面では少し抜けた馬も数頭おり、そこを見るかどうかという感もある。

騎手の騎乗状況

今サイクルより金沢の中島龍也騎手と吉原寛人騎手が期間限定騎乗を開始。中島騎手は28日の8Rから騎乗しこの日は2鞍。また吉原騎手は28日3Rが期間限定騎乗での最初の騎乗となり5鞍に騎乗する。

なお、嬉 勝則騎手は31日、赤岡修次騎手は1月1日に騎乗予定が入っていない。

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