高知2歳をリードする最初の星は!?
基本情報
創 設
2023年
出走資格
・2歳
・高知所属後1走以上
(JRAデビュー馬、他の重賞級認定A優勝馬は出走不可)
競走距離
1400m
出走頭数
12頭以内
負担重量
56kg(牝馬1kg減)
本 賞 金
1着:1,000万円
2着:400万円
3着:250万円
4着:150万円
5着:100万円
(着外賞金:50万円)
ステップ
優勝馬はJRA認定馬(重賞級認定競走1着)となる
5着以内馬に「金の鞍賞」優先出走権付与
今年度開催
未来優駿2023 JRA認定
第1回ネクストスター高知
開催日:2023(令和5)年10月29日(日)
概要
2022年11月に「全日本的なダート競走の体系整備について」として競馬主催関係団体から発表された、日本国内のダート競馬の体系整備に伴って、「2・3歳ダート短距離路線の整備」として全国の平地地方競馬で2歳馬の秋シーズンに新設された、自場所属かつ地方競馬デビュー馬限定で行われる短距離重賞の高知けいば版である。
高知所属2歳馬にとっては最初の重賞となる。名目上は短距離路線だが、高知けいばの2歳は距離で路線を分けていないため、単純にステップとなる準重賞を経た馬を中心とした2歳上位の馬が集う形となっている。なお、前哨戦である準重賞2戦の上位3頭には優先出走権が与えられており、2歳路線としての形が作られている。
2022年まで実施されていた2歳高知デビュー馬限定重賞「黒潮ジュニアチャンピオンシップ」を引き継ぐ形で実施されており、年末に開催される「金の鞍賞」のステップレースの扱いも継続されている。
地方競馬デビュー馬に出走資格があるため、高知デビュー馬限定だった「黒潮ジュニア~」と違い、地方他場デビュー馬も出走可能となった。また、他場のネクストスター競走の勝馬(「他の重賞級認定A優勝馬」)が移籍して「ネクストスター高知」へ出走することはできない。
この2つの出走制限は、2歳秋の「ネクストスター」全競走共通である。
「ネクストスター」競走は実施各場統一でJRA重賞級認定競走となっており、1着馬はJRA認定馬となり、JRAの特別指定競走へ遠征を希望すると優遇措置が取られる。余談だが、高知けいばは現存の平地地方競馬で唯一JRA認定競走が設定されない状況が続いていたのが、この体系整備に合わせて、2023年から高知けいばにもJRA認定競走が設定され、同年は本競走と2歳準重賞競走3競走が対象となっている。
競走名の由来
2023年度に全国の平地地方競馬に新設された重賞級認定競走の統一名称であるが、公式な由来は明示されていない。「次(next)」世代の「スター(star)」ホースといったところか。
出走馬選出基準
- 優先出走を認める馬
本年度「堆金菊特別」3着以内
本年度「潮菊特別」3着以内 - 高知県競馬組合による選出
ローテーション
歴史
経営難以前から2歳馬の入厩が長らく少なかったこともあり、高知けいばの2歳重賞は年末開催の「金の鞍賞」のみという形が続いていたが、2015年に2歳新馬戦が再開。その翌年の2016年から2歳高知デビュー馬限定1400m戦の重賞「黒潮ジュニアチャンピオンシップ」が創設される。高知でデビューした2歳馬の最初の目標レースとして行われ、初年の1着80万円から2022年の第7回には1着800万円となるなど順調に条件も上がっていた。
しかし、2022年11月に「全日本的なダート競走の体系整備について」として発表された平地地方競馬の競走体系整備によって南関東を除く8競馬場で2歳秋に「ネクストスター」を冠したJRA重賞級認定競走を創設することが発表され、高知けいばにおいても「ネクストスター高知」として行われることとなった。
これに伴い、「黒潮ジュニアチャンピオンシップ」は2022年の第7回をもって終了し、代わる形で「ネクストスター高知」が実施されることとなった。レースの変更に伴い、出走条件が高知デビュー馬限定から地方競馬デビュー馬限定に緩和されている。距離は同じ1400mである。
- 2023年
(第1回)10月開催の2歳地方デビュー馬限定1400m定量重量戦で創設JRA重賞級認定競走 1着賞金1000万円
傾向(過去7年)
2023年は新設であるため、一部の項目についてのみ、距離設定も同じ1400m戦である「黒潮ジュニアチャンピオンシップ」の2016年(第1回)~2022年(第7回)までの成績を集計し、傾向を分析する。
天候・馬場状態
雨となったのは第1回の1度だけ。高知けいばの全体傾向通りに重・不良の比率が多いものの、良や稍重のケースも1度ずつあった。
天候 | 良 | 稍重 | 重 | 不良 |
---|---|---|---|---|
晴 | 1 | 0 | 1 | 0 |
曇 | 0 | 1 | 1 | 2 |
雨 | 0 | 0 | 0 | 1 |
走破時計
期間中の3着内馬の走破時計の分布を集計した。
唯一の良馬場開催、第7回の勝ち時計が1分33秒6、唯一の稍重開催である第5回(2020年)の勝ち時計は1分33秒1、重馬場2戦の平均勝ち時計が1分32秒95、不良2戦の平均勝ち時計は1分31秒43となっている。サンプルが少ないが、概ね馬場が悪いほど時計は早くなる傾向がある。
3着内時計では、最もサンプルの多い不良馬場で早い時計が出ているケースがあるが、概ね1分32~33秒台あたりが標準的なレンジと見ることができそうだ。
3着内馬走破時計 | 良 | 稍重 | 重 | 不良 |
---|---|---|---|---|
1分30秒台 | 0 | 0 | 0 | 1 |
1分31秒台 | 0 | 0 | 0 | 1 |
1分32秒台 | 0 | 0 | 2 | 6 |
1分33秒台 | 2 | 2 | 2 | 0 |
1分34秒台 | 1 | 1 | 1 | 1 |
1分35秒台 | 0 | 0 | 1 | 0 |
単勝人気
期間中、単勝1番人気馬は4勝2着2回、2番人気馬も2勝2着2回となっており、有力と目される馬の目星は付けやすい傾向と言える。
ただし、一転して3着は6番人気以下が7度中5度という明らかに難解な傾向に変わっており、経験の浅い2歳ゆえの紛れが3番手辺りになると出てくる雰囲気もある。馬券的に信頼感があるのは1番人気だけといえ、特に三連勝式では安易に上位人気ばかりとするのは危険とも言える。
単勝人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 4・5着 | 6着以下 |
---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 4 | 2 | 0 | 1 | 0 |
2番人気 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 |
3番人気 | 0 | 2 | 0 | 1 | 4 |
4番人気 | 1 | 0 | 0 | 2 | 4 |
5番人気 | 0 | 0 | 1 | 4 | 2 |
6番以下 | 0 | 1 | 5 | 5 | 29 |
性別
期間中牡馬4頭、牝馬3頭と性別は拮抗していた。しかし、2・3着に関しては圧倒的に牝馬が多い。これは創設当初は圧倒的に牝馬の出走が多かった(デビュー馬に牝馬が多かった)事情のためで、牡馬のデビュー馬の割合が増えてきたのは近年のことである。
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4・5着 | 6着以下 |
---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 4 | 1 | 1 | 8 | 13 |
セン馬 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
牝馬 | 3 | 6 | 6 | 6 | 27 |
発走枠
期間中、連対が最も多いのが8枠、次いで1枠と6枠となる。中の4・5枠に期間中連対がないが、3着は多い。最内、大外といった極端なところはやや成績がいい印象は受けるが、極端に不利な枠の傾向というのはあまり見られないと言えそうだ。
枠 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 1 | 2 | 0 | 4 |
2枠 | 2 | 0 | 0 | 5 |
3枠 | 1 | 0 | 0 | 6 |
4枠 | 0 | 0 | 2 | 5 |
5枠 | 0 | 0 | 4 | 7 |
6枠 | 2 | 1 | 0 | 8 |
7枠 | 0 | 1 | 1 | 9 |
8枠 | 1 | 3 | 0 | 10 |
払戻金
2023年は新設であるため、前身といえ、距離設定も同じ1400m戦である「黒潮ジュニアチャンピオンシップ」の2016年(第1回)~2022年(第7回)の5つの賭式をピックアップ。期間中の払戻結果の傾向を探った。
傾向としては上位2頭に関しては人気通りが多い反面、3着馬に波乱が起きるケースが多い。ある程度抜けている馬は目立つ反面、紛れ要素はあり、三連系馬券は跳ねる傾向が強く出ているといえる。ただし、第7回が上位人気が総崩れとなる大波乱となっており、突出した数値はこの回のものである。
単勝式
払戻金中央値:240円(最低110円~最高1,710円)
人気中央値:1番人気(最高1人気~最低4人気)
払戻金(円) | 200未満 | 200~500 | 510~1,000 | 1,010以上 |
---|---|---|---|---|
回数 | 3 | 2 | 1 | 1 |
単勝人気 | 1 | 2 | 3 | 4~5 | 6以下 |
---|---|---|---|---|---|
回数 | 4 | 2 | 0 | 1 | 0 |
期間中は1番人気が4度、2番人気が2度と、ほぼ上位人気馬での決着。黒潮ジュニア時代最後の第7回(2022年)のみが4番人気馬による波乱決着で10倍を超えている。
馬番連勝複式
払戻金中央値:260円(最低130円~最高16,800円)
人気中央値:1番人気(最高1人気~最低20人気)
払戻金(円) | 200未満 | 200~500 | 510~1,000 | 1,010以上 |
---|---|---|---|---|
回数 | 2 | 2 | 2 | 1 |
馬複人気 | 1 | 2~3 | 4~5 | 6~10 | 11以下 |
---|---|---|---|---|---|
回数 | 4 | 2 | 0 | 0 | 1 |
期間中は馬複1番人気決着4度、2番人気決着2度で極めて順当という傾向だった。最後の第7回を除いては連対は単勝3番人気以内、単勝1番人気馬は6度全てで連対していたため、非常に堅い形で収まっている。
馬番連勝単式
払戻金中央値:1,060円(最低190円~最高49,970円)
人気中央値:3番人気(最高1人気~最低43人気)
払戻金(円) | 500未満 | 500~1000 | 1,010~3,000 | 3,010以上 |
---|---|---|---|---|
回数 | 2 | 1 | 3 | 1 |
馬単人気 | 1 | 2~5 | 6~10 | 11~20 | 21以下 |
---|---|---|---|---|---|
回数 | 2 | 4 | 0 | 0 | 1 |
期間中は馬単1番人気での決着が2度、3~4番人気決着が4度とこちらも波乱感はさほど感じられなかった。ただ、単勝1番人気→2番人気は2度であり、上位人気の中の順番の波乱は十分考えられたと言える。
三連勝複式
払戻金中央値:2,550円(最低330円~最高71,620円)
人気中央値:7番人気(最高1人気~最低73人気)
払戻金(円) | 500未満 | 500~1,000 | 1,010~3000 | 3,010~10,000 | 10,010以上 |
---|---|---|---|---|---|
回数 | 1 | 1 | 3 | 0 | 2 |
三連複人気 | 1 | 2~5 | 6~10 | 11~20 | 21以下 |
---|---|---|---|---|---|
回数 | 1 | 2 | 2 | 0 | 2 |
三連複の1番人気は1度だけ。この時は上位人気3頭での決着であり、500円未満の払戻はこれが唯一。基本的には3頭目に人気薄が入る傾向が強く、その衝撃度合いで跳ねるという傾向が強かった。まだ力関係が固まり切っていない2歳だけに、上位3頭までに広げると、これまでを覆す好走を見せる馬が現れるということは十分あり得ることを示している。
三連勝単式
払戻金中央値:10,220円(最低1,360円~最高791,950円)
人気中央値:23番人気(最高4人気~最低401人気)
払戻金(円) | 1,000 未満 | 1,000~ 5,000 | 5,010~ 10,000 | 10,010~ 100,000 | 100,010以上 |
---|---|---|---|---|---|
回数 | 0 | 3 | 0 | 2 | 2 |
三連単人気 | 1 | 2~10 | 11~50 | 51~100 | 101以下 |
---|---|---|---|---|---|
回数 | 0 | 2 | 3 | 0 | 2 |
三連単の1番人気決着は期間中にはなく、最も上位人気で4番人気であった。上位人気→下位人気という順番の決着が少ないほか、3着の人気薄がかなりの低人気だったケースもある。このため、上位2頭が人気馬でも万馬券だったケースもあり、上位人気で1・2着、3着を手広くくらいでも無謀ではなさそうな傾向がみられた。