(2024年 馬場状態 11/17まで) [良]18 [稍重→良]1 [良→稍重]1 [良→稍重→重]1 [稍重]19 [稍重→重]1 [重]19 [不良→重]1 [重→不良]2 [不良]33
重賞競走

【高知けいばの重賞】大高坂賞

地元筆頭代表の座を黒船賞と同じ舞台で争う!

基本情報

創  設
2012年(福山競馬で創設)
※2014年から高知けいばで開催
出走資格
・4歳以上
・出走申込時所属場で1走以上
競走距離
1400m
出走頭数
12頭以内
負担重量
57kg(牝馬2kg減)
本 賞 金
1着:1,200万円
2着:420万円
3着:240万円
4着:180万円
5着:120万円
(着外賞金:50万円)
ステップ
1着馬に「黒船賞(JpnIII)」の優先出走権

今年度開催

黒船賞選考競走
第13回大高坂賞

開催日:2024(令和6)年1月14日(日)

歴代優勝馬・競走成績

※久松城賞

レースレコード

2023年1月15日 第12回
モダスオペランディ(57kg)
(牡7 田中 守厩舎/赤岡修次騎手)
1:28.3(雨・不良)
※高知けいば開催でのレコード

概要

大高坂は「おおたかさ」と読む。

3月に行われる高知けいば唯一のダートグレード競走「黒船賞(JpnIII)」への出走馬を選考する「黒船賞選考競走」として行われる年明け最初の短距離重賞であり、優勝馬には優先出走権が付与される。3つある選考競走の中で唯一、黒船賞と同じ舞台である1400m戦で行われる。

黒船賞と同条件という要素だけでなく、本番まで2か月ほどの間隔があるため調整しやすい点に加え、本競走前の短距離~マイルの古馬重賞の間隔が空いているため、短距離寄りの有力馬が集まりやすい競走となっており、歴代優勝馬にはその当時の筆頭格とも言えるオープン馬の名前が多く刻まれている。

競走名の由来

高知市中心部の高知城が建つ地域を指す地名「大高坂(おおたかさ)」より

出走馬選出基準

高知県競馬組合による選出

ローテーション

歴史

2011(平成23)年度、それ以前から人馬の交流や共同での広報活動を行っていた高知けいばと福山競馬が「中四国連携競走」と称して、出走枠を両地区半数ずつとする中国・四国地区交流重賞競走をそれぞれ1競走ずつ新設した。
高知・福山がともに城下町である共通点と相互交流にちなんで、相手地区の城に関する名称が競走名となり、高知は福山城の別名から「久松城賞」、福山は高知城のある地域の地名から「大高坂賞」の名が付けられた。

福山競馬時代の大高坂賞は3月開催の4歳以上オープン1800mで施行。一方、高知けいばの久松城賞は現在の大高坂賞と同じ古馬の1400m戦。初回は12月に行われたが、第2回は年明け2013(平成25)年1月の開催に変更、この回では優勝馬が黒船賞の出走馬選考の際、優先出走権付与馬に次いで優位となる選定上位馬の指定を受けることとなった。現在の大高坂賞の位置づけはこの回がベースとなったといえる。

2013年3月に福山競馬が廃止されたため、中四国連携競走の枠組みも自然消滅した。一方、この取り組みで新設された高知けいばの重賞は地元馬限定重賞としてそのまま残されたものの、福山由来の競走名である久松城賞に関しては創設時に対になる関係であった大高坂賞の名を福山競馬から引き継ぐ形で名称を変更し、2014(平成26)年の第3回からは大高坂賞として行われている。同時にこの回から黒船賞選考競走に加わり、優勝馬には黒船賞への優先出走権が付与されている。

2023年の第12回からは、他の黒船賞選考競走2競走とともに通常の古馬重賞よりも一段階賞金が引き上げられており、黒船賞路線の重要度が高いことを示す証ともなっている。

「大高坂賞」タイムライン
  • 2011年
    (第1回)
    高知けいばで「久松城賞」創設

    12月開催・3歳以上1400m定量重量戦の「中四国連携競走」

  • 2012年
    (第1回)
    福山競馬で「大高坂賞」創設

    3月開催・4歳以上オープン1800m別定重量戦の「中四国連携競走」

  • 2013年
    (第2回)
    高知「久松城賞」を1月開催に変更
    福山での「大高坂賞」最後の開催

    「久松城賞」の出走資格を4歳以上に変更、優勝馬は黒船賞選定上位馬となる

  • 2014年
    (第3回)
    「久松城賞」の位置づけを引き継いだ「大高坂賞」となる

    4歳以上1400m定量重量戦、優勝馬に黒船賞優先出走権を付与する「黒船賞選考競走」に指定

  • 2020年
    (第9回)
    赤岡修次騎手が同一重賞6連覇を達成

傾向(過去10年)

2014年(第3回)~2023年(第12回)までの成績を集計し、傾向を分析する。

天候・馬場状態

冬の乾燥した時期に行われるものの、夜露が馬場に滲みる時期でもあり、その影響で晴れても馬場の乾きがなかなか進まないためか、過去10年では過半数が重か不良である。雨のうち2016年(第5回)は開催中に降り出したため馬場が悪化せず「雨の良馬場」という高知では珍しい状態で施行されている。

天候稍重不良
1032
0110
1001

走破時計

期間中の3着内馬の走破時計の分布を集計した。

良馬場2戦の勝ち時計平均は1分31秒25、2017年の稍重での勝ち時計は1分30秒60、重馬場4戦の平均勝ち時計が1分30秒47、不良3戦の平均勝ち時計は1分28秒60となっている。

良、稍重は過去10年では30秒を切れていない。ただ、メンバーが揃うことの多い重賞だけに、抜けた有力馬が居た場合は展開の紛れなく突き放して勝っている。重馬場は決着に幅があり、重の程度次第という感がある。不良の28秒台は勝ち馬と2020年(第9回)2着のスペルマロンだけで、高速決着の馬場であれば能力上位馬の押し切りが十分あり得る。

3着内馬走破時計稍重不良
1分28秒台0004
1分29秒台0033
1分30秒台1111
1分31秒台2251
1分32秒台3030

単勝人気

過去10年は1番人気勝利が実に8度、連対率9割と1番人気の信頼度が抜群に高い。「概要」に記したように、その時の短距離筆頭格が順当に人気を集め、黒船賞への最初の切符を手にしていたことがこの結果でも示されている。2番人気は勝ちがなく2着6度とこれまた順当であり、3着で少し紛れが出てくるのが全体的な傾向であった。

ただし、2021年(第10回)と2022年(第11回)の直近2年はいずれも6番人気以下の勝利。メンバーが揃う重賞とはいえ、その中でも勝ち馬は相手関係からも付け入る隙が無い時代が続いていたのだが、近年はタレントが揃ってきたこともあるのか、隙をついたかのような伏兵馬の勝利が続き、時代が変わりつつある可能性も示している。

単勝人気1着2着3着4・5着6着以下
1番人気81010
2番人気06202
3番人気02323
4番人気01144
5番人気00136
6番以下2031036

性別

勝ち馬、出走頭数とも圧倒的に牡馬である。なお、サクラシャイニーが3連覇(2015(第4回)~2017年(第6回))、サクラレグナム(2019(第8回)~2020年(第9回))が連覇しており、牡馬の実数は5頭となる。
牝馬で唯一2018年(第7回)に勝利したティアップリバティはその年の高知けいば年度代表馬に輝いた名牝であり別格的存在であった。

性別1着2着3着4・5着6着以下
牡馬8871439
セン馬12349
牝馬10023

馬齢

過去10年の勝ち馬の半数が10歳以上という高知けいばらしい結果に。3連覇のサクラシャイニーは9~11歳、連覇のサクラレグナムは10、11歳で勝利しており、2014年(第3回)を10歳で勝利したエプソムアーロンを加え、一時代を築いたそうそうたる面々。9歳、10歳以上とも過去10年集計では入着馬の方が多く、高齢オープン馬が実績を遺憾なく発揮してきた重賞とも言える。

裏返すと強い若馬の参戦が少ないことも示すが、かつては3歳戦線で活躍した上位馬は世代重賞終了後、他場へ移籍していくケースが割と見られ、この時期はそもそも駒が少ないという側面もあった。このあたりは今後情勢が変化し傾向が変わるのかも注目点である。

馬齢1着2着3着4・5着6着以下
4歳01021
5歳101510
6歳12415
7歳221412
8歳031310
9歳12269
10歳以上50104

発走枠

枠の有利不利はそれほどないと言われる1400m戦。本競走も例外ではなく、過去10年に関しては極端な傾向が出ているとは言えなかった。
過去10年で1番人気馬8勝の重賞であるが、1番人気馬が入る枠が期間中ほぼ均等に散らばったため、それが反映された集計結果と言える。7枠に好成績が多いのも上位人気馬が比較的多く入っており、それらが順当に上位入線を果たしたゆえと言えそうだ。

1着2着3着4着
以下
1枠1116
2枠1126
3枠2017
4枠1027
5枠2208
6枠02112
7枠22310
8枠12015

調教師・騎手

期間内に3着内が1回以上ある馬を対象として、所属していた厩舎、騎手を集計した。

調教師

サクラシャイニー、サクラレグナム、モダスオペランディを擁した田中 守調教師が過去10年で5勝と群を抜いており、期間前半には上位馬を特に多く抱えていた雑賀正光厩舎が続く。出走数の多い厩舎が比較的偏っている感もあるが、少ない出走歴ながら勝ち負けしている馬を送り出した厩舎も見られる。

調教師1着2着3着出走頭数
田中 守60013
雑賀正光12418
打越勇児12118
中西達也1001
田中譲二1003
別府真司04113
*炭田健二0113
那俄性哲也0103
*大関吉明0013
宮路洋一0012
東原己俊0011
*は引退

騎乗騎手

2015~2020年にサクラシャイニー3連覇、ティアップリバティ、サクラレグナム連覇と3頭の全て1番人気を背負い同一重賞6連覇を達成した赤岡修次騎手の成績が光る。また、永森大智騎手や倉兼育康騎手も3着内入りの割合が高い。

騎手1着2着3着騎乗数
赤岡修次7009
永森大智1138
佐原秀泰1105
山崎雅由1002
*倉兼育康0306
*中西達也0114
岡村卓弥0108
*別府真衣0102
宮川 実0107
吉原寛人0102
上田将司0026
嬉 勝則0014
*西川敏弘0016
妹尾浩一朗0013
畑中信司0014
*は引退

高知県知事賞出走馬は…

本競走の直前の重賞は前年大晦日の2400m戦「高知県知事賞」となる。距離が大きく異なる上に、1か月経たずに本競走が行われることから一見別路線とも見えるが、高知県知事賞が高知けいばにおけるグランプリ競走という位置づけもあってか、前走もしくは前々走が高知県知事賞という馬が毎年見られる。

1000mの距離短縮を克服して勝利したのは過去10年で2018年のティアップリバティ(前走知事賞3着)、2022年のモズヘラクレス(前走知事賞4着)の2頭おり、また知事賞出走馬が3着内に全く絡んでいないのは過去10年で4例と半数を下回る。高知けいばの主要競走の体系が準重賞も含めればしっかりしてきたことで、短距離と中距離以上の路線を区分しやすくはなってきたものの、知事賞出走馬を別路線からの挑戦と見なして安易に軽視するのは得策ではなさそうである。

1着2着3着4着
以下
前年末「高知県知事賞」出走22330
前年末「高知県知事賞」未出走88742

払戻金

5つの賭式をピックアップ。期間中の払戻結果の傾向を探った。

創設時から俯瞰すると、高知けいばでも有数の堅い決着の多いイメージの重賞であり、中央値によりトレンドを出すと、現時点ではそれを物語る数字が並ぶのだが、この2年に限っては大波乱決着が続いているため、これまでとは様相が変化してきているのかの判断が難しい流れとなっている。

単勝式

払戻金中央値:150円(最低100円~最高3,990円)
人気中央値:1番人気(最高1人気~最低7人気)

払戻金(円)200未満200~500510~3,0003,010以上
回数6202
単勝人気1234~56以下
回数80002

「久松城賞」時代の第1回から9年連続で単勝1番人気が勝利。2014年のエプソムアーロン勝利時には単勝元返し、9年間で単勝払戻金が2倍を超えたのは210円を付けた2018年のみと、圧倒的人気馬が順当に勝つことを単勝払戻結果でも示していた。しかし、2021年アイアンブルー(7番人気・3,990円)、2022年モズヘラクレス(6番人気・3,870円)と人気薄馬が最後の直線で人気馬を下して逆転勝利したことで、傾向を覆す大きな払戻が出たことも。

馬番連勝複式

払戻金中央値:345円(最低120円~最高4,890円)
人気中央値:1.5番人気(最高1人気~最低11人気)

払戻金(円)200未満200~500510~2,0002,010以上
回数3412
馬複人気12~34~56~1011以下
回数53011

馬複も過去10年中5度が1番人気、3度が2番人気と非常に堅く収まっており、当初から順当決着が続いた傾向も単勝と同じ。初めて波乱となった2021年も1番人気馬は2着にとどまっており、単勝1番人気馬は馬複の上位人気には応えてきた傾向にある。

馬番連勝単式

払戻金中央値:390円(最低140円~最高16,300円)
人気中央値:1.5番人気(最高1人気~最低26人気)

払戻金(円)500未満510~10001,010~10,00010,010以上
回数6112
馬単人気12~56~1011~2021以下
回数53002

期間中、馬単は的中組合わせの人気順が馬複と同じだったことが2014~2020年までの7年間続いていた。また、1番人気勝利に相手も2か3番人気という組み合わせが続いたことで、2倍を切るケースが2度あるなど非常に堅く、馬複と馬単の払戻がほとんど変わらないケースも散見されていた。それだけに、近年の伏兵馬勝利では共に馬単が万馬券決着となったのが大きく目立つ。

三連勝複式

払戻金中央値:835円(最低210円~最高12,930円)
人気中央値:2.5番人気(最高1人気~最低28人気)

払戻金(円)500未満510~1,0001,010~30003,010~10,00010,010以上
回数32311
三連複人気12~56~1011~2021以下
回数34111

三連複1番人気決着は3度と二連勝式に比べるとわずかに波乱の傾向は高くなる。3着内に単勝3番人気以内が2頭いなかったケースは2022年の1度だけで、大きな傾向としては上位人気の軸は不動も3頭目の波乱に期待するといったところ。唯一傾向から外れた2022年は万馬券決着となっている。

三連勝単式

払戻金中央値:1,890円(最低470円~最高149,810円)
人気中央値:5番人気(最高1人気~最低179人気)

払戻金(円)1,000
未満
1,010~
5,000
5,010~
10,000
10,010~
100,000
100,010以上
回数26011
三連単人気12~1011~5051~100101以下
回数35002

唯一中央値が1,000円を超えた三連単だが、単勝1番人気が勝利していた過去8度は3着荒れでの場合で少し跳ねた払戻が出る程度で、最高でも4,030円(2023年、7番人気)と堅い決着が続いていた。それだけに、近年の伏兵馬勝利では大幅に払戻が跳ね上がっており、2022年は初めて10万円を超える高額払戻となった。

記録

※馬は2勝以上、騎手・調教師は3勝以上

勝利回数上位馬

3勝
サクラシャイニー
(4,5,6)
2勝
サクラレグナム
(9,10)

勝利回数上位騎手

7勝
赤岡修次
(4,5,6,7,8,9,12)

勝利回数上位調教師

6勝
田中 守
(4,5,6,8,9,12)

連覇
  • サクラシャイニー(3連覇)
    第4回(2015)、第5回(2016)、第6回(2017)
  • サクラレグナム
    第8回(2019)、第9回(2020)
  • 赤岡修次騎手(6連覇)
    第4~6回(2015~2017)サクラシャイニー、
    第7回(2018)ティアップリバティ、
    第8・9回(2019、2020)サクラレグナム
  • 田中 守調教師(3連覇、連覇)
    第4~6回(2015~2017)サクラシャイニー、
    第8・9回(2019、2020)サクラレグナム

前年度開催

※レースレコード
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