(2024年 馬場状態 4/29まで) [良]8 [良→稍重]1 [稍重]6 [重]13 [不良→重]1 [重→不良]1 [不良]16
レース編成・編成要領

令和5年度高知競馬番組編成要領より

2023年4月1日に「令和5年度高知競馬番組編成要領」が発表されました。(2023年4月1日から適用)

今回は各級に格付ける番組賞金の範囲の変更の他、出走した競走の種別に応じて設定されている本賞金から番組賞金への換算率の改定、また明け3歳馬を中心とした負担重量の見直し等が実施されています。

例によって、旧要領と照らし合わせながら令和5年度の要領の変更点を見ていきます。

番組編成要領

「4.番組賞金」の変更点

  • (1)(ア)で規定されている番組賞金の算出対象期間については開催日程に合わせて記述が変更されています。過去2年の獲得賞金を起点にする方式は同じですが、今年度は曜日の配置の関係上、下半期の「2021年10月1日~編成日」の獲得賞金で算定するのは2023年9月30日の開催からとなります。
  • (イ)の収得賞金の換算率については大きく改正され、2歳競走のうち高知以外の地方競馬での競走に関しては、従来の開催地や競走種別ごとの換算率から、開催場や競走種別を問わず全て30%換算とする形に変更されます(JRA、ダートグレード競走は従来から全競走30%)。なお、それ以外の地方他場の競走は従来通り開催場・競走種別ごとの換算率となります。
    合わせて、高知競馬の2歳競走は換算率を10%、3歳競走は30%と変更し、前年度より10%下げられます。
2歳競走 2022年度 2023年度
北海道・岩手
金沢・東海
佐賀
90% 「他場の2歳競走」
30%
兵庫 70%
南関東 50%
JRA認定競走
1着
30%
高知2歳競走 20% 10%
高知3歳競走 40% 30%

他場からの転入2歳馬はこれまで古馬と同じ換算率で格付されていたため、大きく割り引かれていた高知デビュー馬に比べると格付けが高く、いきなり古馬戦というケースも見られていましたが、幾分解消されることとなります。ただし、転入馬に対するアドバンテージを引き続き持つ意味からか高知の2・3歳競走はさらに換算率を下げています。

「5.二歳及び三歳馬の取扱い」の変更点

3歳戦の実施は曜日の関係上今年度は9月29日までと規定されています(実際の開催は9月18日まで)。9月30日の開催から3歳格付馬は全馬一般格C3級下に編入されます。

「6.番組の編成について」の変更点

  • (1)で規定されている年間サイクル数は前年度と変わらず年間30サイクルです。
  • (4)の競走馬の級区分については下記の通り格付ごとの番組賞金の範囲が改められました。
一般 A 1000超 1100超
B 600超~1000以下 700超1100以下
C1 400超~ 600以下 440超 700以下
C2 280超~ 400以下 300超 440以下
C3上 180超~ 280以下 200超 300以下
C3下 180以下 200以下
3歳 100未満の三歳馬 100未満の三歳馬
2歳 100未満の二歳馬 100未満の二歳馬

「8.負担重量」

  • (1)の負担重量全般で3歳馬の負担重量に改正があり、従来は重賞のみ4歳以上馬より1kg減となっていましたが、今年度から3歳の1月から3月の間の全ての古馬と走る競走では3歳馬は古馬より1kg軽い55kgが基本の重量となりました。
    一方、4月以降は従来通り重賞のみ1kg減となります。
    なお、従来の要領で3歳格競走は一般格競走の規定を準用していましたが、今年度から(イ)を「2歳格競走・3歳格競走」とし定義づけを行っています。3歳格競走の負担重量は従来通り56kgとなります。
  • (ウ)の「二歳・三歳重賞競走、二歳・三歳準重賞競走」に改正があり、2歳重賞・準重賞の牝馬は2kg減とされていましたが、今年度より普通・特別競走と同様に牝馬は1kg減となります。
  • 新設される古馬牝馬重賞「レジーナディンヴェルノ賞」に合わせ、新たに(オ)として「牝馬重賞競走」が定量重量戦として設定されました。4歳以上の負担重量は56kgとなっています。

令和5年度 高知競馬重賞競走等一覧

重賞競走

開催日程発表時に既にあわせて発表されており、昨年度より1競走増の20競走となっています。
2歳1400m重賞「ネクストスター高知」をJRA重賞級認定競走として新設し、「黒潮ジュニアチャンピオンシップ」は開催されません。また、4歳以上牝馬限定重賞「レジーナディンヴェルノ賞」が新設されます。

準重賞競走

準重賞競走は昨年度より1競走増の25競走組まれています。

開催日程発表にはありませんでしたが、2歳準重賞「堆金菊特別」、「潮菊特別」、「土佐寒蘭特別」の3競走がJRA上級認定競走となります。

高知けいばにJRA認定競走が設定されるのは史上初となります。

特別競走

開催日程には記載がなく実施時期は不明ですが、2歳1800mの特別競走「満天星特別」が設定されています。同名の競走は2019年に3歳1300mの準重賞競走として1年だけ設定されていたことがあります。

令和5年度 高知競馬重賞競走等選出基準

重賞競走

  • 指定交流・地方全国交流を問わず、交流重賞の地方他地区からの遠征馬は、各重賞の実施要領で別途定める日以降に重賞競走で5着以内の成績があることが資格に追加されています。
  • 「高知県知事賞」における優先出走権を認める馬に従来の「珊瑚冠賞」3着以内馬に加えて、「高知優駿」と「黒潮菊花賞」の優勝馬が新たに加えられました。
  • 新設の「レジーナディンヴェルノ賞」は出走頭数12頭以内のうち、他場所属馬は6頭以内となっています。
  • 「黒船賞(JpnIII)」の高知からの出走馬は、これまで高知在籍で2走以上が出走資格とされていましたが、地方他地区馬と同じく所属後1走以上に改められています。
  • 新設の「ネクストスター高知」は事前の準重賞「堆金菊特別」と「潮菊特別」の各3着以内馬に優先出走権が認められます。なお、本競走は他地区の「ネクストスター」競走と同様にJRAデビュー馬の出走はできず、他の重賞級認定競走優勝馬も出走できないとされています(他場で重賞級認定競走を勝って移籍した馬は出走できないと解されます)。
  • 「金の鞍賞」の優先出走権を認める馬のうち、「黒潮ジュニアチャンピオンシップ」が非開催となったため、代わりに「ネクストスター高知」5着以内へ置き換えられています。

準重賞競走

新設の準重賞「堆金菊特別」は2歳のみが出走条件となっています。

令和5年度 高知競馬馬検査実施要項

変更はありません

令和5年度 高知競馬賞金諸手当等支給要領

「1.馬主に対するもの」の変更点

(1)賞金

既存の競走については、後述のJRA認定競走となった「潮菊特別」「土佐寒蘭特別」の入着賞金以外に変更はありません。また、新設競走で従来からある区分の競走は従来と同額となっています。

新設競走で従来にない区分の競走のうち、「ネクストスター高知」は他場「ネクストスター」競走同様に1着賞金1000万円での実施となり、2歳重賞の中で最も高額の競走となります。

なお、今年度から行われるJRA認定競走の4競走(「ネクストスター高知」、「堆金菊特別」、「潮菊特別」、「土佐寒蘭特別」)のみ入着賞金が「190方式」となります(他は従来通り黒船賞が「170方式」、ほかは「180方式」)。

一方、牝馬重賞「レジーナディンヴェルノ賞」は1着賞金800万円となっているほか、2歳特別競走「満天星特別」は古馬A級特別の選抜戦と同額の1着240万円で設定されています。

附則

「高知競馬賞金諸手当支給要項」には、引き続き「高知競馬は赤字を出すことができないため、必要に応じ変更する場合がある。」と規定されています。

高知競馬の在り方を示す象徴的な文言であり、この条項が発動するような状況が行らないことを願うばかりです。

おわりに

2023年度の高知競馬の形態がこれで固まりました。また1年間それぞれの見方で楽しんでいきましょう。

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