(2024年 馬場状態 5/19まで) [良]8 [良→稍重]1 [稍重]9 [重]13 [不良→重]1 [重→不良]2 [不良]18
レース編成・編成要領

令和3年度高知競馬番組編成要領より

(更新:2021.5.14 誤記修正)

 2021年4月6日に「令和3年度高知競馬番組編成要領」が発表されました。(高知競馬公式サイトでは2021年4月1日付けとして掲載、同日から適用)
令和3年度高知競馬番組編成要領掲載ページ

 一時無観客開催が続いたものの、元々ネット販売向けの開催スケジュールであったこと、また各種の知名度アップの効果もあって、大幅な売上の増加が達成されたことを受け、新年度も賞金の引き上げ、手当の引き上げが行われた他、それに伴うクラス分けの番組賞金の範囲変更に加え、長年変更されていなかった移籍前の賞金換算率の変更の秋から実施が当初から盛り込まれたほか、競走関係の編成ルールの変更も行われるなど、今回は全体的に変更点が多く見られます。

 例によって、旧要領と照らし合わせながら令和3年度の要領の変更点を見ていきます。

番組編成要領

「4.番組賞金」の変更点

  • (1)(ア)で規定されている番組賞金の算出対象期間については開催日程に合わせて記述が変更されており、今年度は基本どおり9月までの開催は2019年4月1日~編成日までの番組賞金、10月以降は2019年10月1日~編成日となります。
  • (イ)の収得賞金の換算率が改正されます。年度当初は従来通りですが、他場と高知の3歳競走の獲得賞金の換算率が10月1日以降引き上げられることになりました。他場獲得賞金の換算率は2011年のごくわずかな時期に改定されるもまた元に戻されており、それ以来約10年ぶりの見直しとなります。近年高知競馬の賞金増額が他場に比べると比較的規模が大きく、それに合わせて格付けの範囲が見直されてきた反面、換算率は変わっていなかったため、地方他場からの転入馬の格付けが低めになりつつあったのをこの秋から是正する形となります。また、2歳馬に関しては元々他場も賞金が高めになっているため、2歳馬の転入前の成績と所属地によっては2歳格を経ずに一般格からスタートとなる可能性が高くなりそうです。
種別「従来~9/30」→「10/1~」
高知競馬の2歳競走20%→20%
JRAの競走30%→30%
ダートグレード競走30%→30%
JRA認定競走1着30%→30%
高知競馬の3歳競走30%→40%
南関東40%→50%
兵庫50%→70%
岩手50%→90%
金沢・東海60%→90%
北海道70%→90%
佐賀70%→90%
高知(2、3歳競走外)100%→100%
※JRA条件交流競走は各競馬場の換算率を適用(変更なし)

「5.二歳及び三歳馬の取扱い」の変更点

 (1)に規定されている一般格への編入格付けの基準が再び2歳と3歳で分けられ、2歳馬は番組賞金100万円に到達すると一般格編入に改められました。3歳馬は9月30日までは引き続き50万円到達で一般格編入となります。なお、10月1日以降は100万円となっていますが、これが適用されるのは現2歳馬が明け3歳となる来年1月以降の競走になることから、今年度の2歳馬は通年で100万円到達で一般格編入という形になります。

「6.番組の編成について」の変更点

  • (1)で規定されている年間サイクル数は令和2年度と変わらず年間30サイクルです。
  • (4)の競走馬の級区分については新年度から下記の通りとなり、C1級以外は範囲が拡張され、それに伴いボーダーラインの額もそれぞれ上昇しています。

           (旧)        (新)
一般格 A級   630万超       740万超
    B級   450万超~630万   540万超~740万
    C1級  310万超~450万   400万超~540万
    C2級  210万超~310万   260万超~400万
    C3級上 130万超~210万   160万超~260万
    C3級下    0~120万      0~160万
3歳       一般格未編入3歳馬 一般格未編入3歳馬
2歳       一般格未編入2歳馬 一般格未編入2歳馬

  • (6)(ア)の重賞、準重賞、交流競走の選出基準については従来「参考とする競走は過去の重賞競走及び前走(他場の交流競走又は高知競馬の競走)とする。前走が二走目の場合は、前々走も参考とする。」とされていましたが、これが削除され、単に「競走成績を参考とし、出走希望を考慮の上、選出する」とのみ規定されています。(「レース展望サイト」でこの部分の見直しが図られるというコメントがありましたが、その関係で具体的な定義を外した可能性も)
  • (6)(イ)の級を指定する特別競走(今回から「選抜」とも定義)についても参考とする競走が改められ、「前走(ダート交流重賞競走、他場の重賞競走、高知競馬の競走)」から「前走(高知の競走)」と改められました。遠征で負けてもその前の高知の競走で上位なら選抜入りという形になるのかも。
  • (9)の下位級馬の格上挑戦の次走の取り扱いの表記が見直され、「上位級の最上位(選抜、1組)に出走し1着となった場合、次走は当該級の最上位(選抜、1組)に編成する。」となっています(意味合いは変わってない)。一方、新たに「2着から5着の場合、(4)に定める級(=自己条件)の最上位(選抜、1 組)相当の成績として、次走編成の参考とする。」という項目が加わっており、 格上挑戦で入着した場合は、自己条件の1組(選抜戦)入着相当として、次回出走時における編成先の参考とされることになります。
  • (11)の級混合競走について、これまで選抜の場合と賞金順の場合の取り扱いが明記されていましたが、選抜の級混合競走は実施されていないため、今回の要領では削除されています。
  • (14)規定の編成後の出走頭数調整について、従来は「出走日の変更を伴う出走頭数調整は原則として3日前までに行う」、「競走距離の変更を伴う場合は、原則として当初予定から200mの距離増減を上限として調整を行う」という項目がありましたが、現状にそぐわないのか今回削除されています。

「8.負担重量」

 競走種別の定義が再整理されていますが、適用される負担重量は昨年度と変更はありません。

令和3年度 高知競馬重賞競走等一覧

「重賞競走」

 開催日程発表時に既にあわせて発表されていますが昨年度と変わらず19競走となっています。各競走の条件の変更はありません。

「準重賞競走」の変更点

 準重賞競走は全部で24競走組まれ総数は昨年より5競走増です。(日程発表時から1競走追加)

 「高知・佐賀スタリオンシリーズ」昨年同様5競走。全てオープン準重賞となります。なお、昨年の「ヴァンセンヌ賞」「ニシケンモノノフ賞」はそれぞれ「エピカリス賞」「ワールドエース賞」に衣替えされ施行距離も変更されます。

  • 「シュヴァルグラン賞」(4歳以上1600m)※前年度と同じ
  • 「ヴァンセンヌ賞」(3歳以上1400m)→「エピカリス賞」(3歳以上1800m)
  • 「ミッキーロケット賞」(3歳以上1400m)※前年度と同じ
  • 「アドミラブル賞」(3歳以上1400m)※前年度と同じ
  • 「ニシケンモノノフ賞」(3歳以上1400m)→「ワールドエース賞」(3歳以上1600m)

 そのほかの準重賞は古馬の条件準重賞が3競走、(明け)3歳高知デビュー馬限定準重賞が1競走、2歳高知デビュー馬準重賞が1競走追加されます。(なお、いずれも条件は前回と異なりますが「四万十川特別」は2013年以来(前回はオープン準重賞)、「土佐寒蘭特別」は2019年以来(前回は3歳準重賞)の準重賞競走名となります)

★追加される準重賞

  • 「四万十川特別」(3歳以上B級以下1800m)
  • 「鏡川特別」(3歳以上B級以下1900m)
  • 「八畳岩特別」(3歳以上C級以下1600m)
  • 「土佐有楽特別」(3歳高知デビュー馬限定 1400m)
  • 「土佐寒蘭特別」(2歳高知デビュー馬限定 1600m)

「特別競走」の変更点

 特別競走の施行距離について、従来はA級は1900mまで、B級・C1級は1800mまで、C2級・C3級・3歳、騎手(招待)交流競走は1600mまで、また、全日本新人王争覇戦は1400mと規定されていましたが、今回からこれらが全て1300m~1900mで行うことに統一されています。なお、2歳特別競走もあるのですが、こちらは従来から定義されておらず、今回も未定義です。

令和3年度 高知競馬重賞競走等選出基準

 準重賞競走の新設に伴う追加が行われています。今回新設の5つの準重賞は馬齢と在籍級が資格要件とされており、高知での既走歴は求められていないため、転入初戦にこれらの準重賞に出走することも可能です。ただし、「土佐有楽特別」「土佐寒蘭特別」は高知デビュー馬であることが要件となっています。

 また、これまで単に組合による選出で選ばれていた2歳重賞「金の鞍賞」について、高知デビュー馬限定重賞の「黒潮ジュニアチャンピオンシップ」上位5頭、高知デビュー馬限定準重賞「土佐寒蘭特別」の上位3頭に優先出走権が与える体系に変更されており、高知デビュー馬の主要競走成績上位馬へ出走の機会を広げる形に改められています。

令和3年度 高知競馬馬検査実施要項

 内容の変更はありません。

令和3年度 高知競馬賞金諸手当等支給要領

「1.馬主に対するもの」の変更点

(1)賞金

 重賞競走は昨年12月の要項改正時にそれ以降に行われる「黒船賞」を除いて一度年度途中に増額されていましたが、今回改めて増額が実施され、「高知県知事賞」は1着賞金1,600万円と「黒船賞」以外の重賞では史上最高額に、また「福永洋一記念」「高知優駿」は他の同種重賞とは別格扱いで1着賞金1,000万円に増額されました。さらに2012年に1着賞金が2,100万円に減額されて以降、ずっと賞金変更が行われてこなかった「黒船賞」も今回1着賞金2,600万円に増額されています。

 また、準重賞競走・特別競走の全て、普通競走一走目のA級・B級・2歳戦賞金が増額となったほか、二走目戦も2018年12月の改定以来の変更が行われ、級ごとに細かく分かれていた賞金体系がA・B級が1着30万円、他は1着20万円と単純化されました(C1二走目は元々1着20万円だったため結果的に据え置き)。

 なお、賞金配分は引き続き「黒船賞」のみ「150方式」、その他は全て「180方式」方式です。

★重賞競走1着賞金(昨年12月改定との比較)
「黒船賞」 2,100万→2,600万
「高知県知事賞」 1,200万→1,600万
「福永洋一記念」 500万(12月改定前実施)→1,000万
「高知優駿」 700万(12月改定前実施)→1,000万
その他の古馬重賞 600万→800万
その他の3歳重賞 500万→600万
2歳重賞 500万→600万

★準重賞競走1着賞金(昨年12月改定との比較)
オープン準重賞 200万→400万
牝馬・条件準重賞 160万→300万

★特別競走(選抜戦)1着賞金
A級 120万→200万
B級 110万→160万
C1級 90万→120万
C2級 80万→110万
C3級 70万→100万
3歳 70万→100万
2歳 80万→(設定なし)※施行されないため

★特別競走(賞金順編成)1着賞金(級混合戦は上位級の賞金体系を使用)
A級 110万→160万
B級 100万→120万
C1級 80万→90万
C2級 70万→80万
C3級 60万→70万
3歳 60万→70万
2歳 70万→90万
2歳新馬 100万→220万

★普通競走一走目1着賞金(級混合戦は上位級の賞金体系を使用)
A級 100万→140万
B級 90万→100万
C1級 70万(変更なし)
C2級 60万(変更なし)
C3級 50万(変更なし)
3歳 50万(変更なし)
2歳 60万→70万

★普通競走二走目1着賞金(級混合戦は上位級の賞金体系を使用)
A級 28万→30万
B級 24万→30万
C1級 20万(変更なし)
C2級 18万→20万
C3級 16万→20万
3歳 16万→20万
2歳 16万→20万

(2)出走手当

 昨年12月の要項改定の枠組みを維持したうえで一走目について増額されています。なお、二走目戦(3.5万)は変更されていません。

重賞競走・準重賞競走及びA級競走の各一走目 11万→12万
B級競走 10万→11万
C級競走・3歳競走及び2歳競走 9万→10万

(3)高知デビュー馬奨励金関連

 要項1(3)~(5)で規定された「高知競馬で生涯初めての出走投票を行い出走し引き続き在籍する所有馬(高知デビュー馬)」に対する諸手当については昨年12月の改定後と変更はありません。(当初変更箇所ありとしていましたが、当初発表の編成要領に記載誤りがあり修正されています 2021.4.9)

「2.調教師に対するもの」の変更点

(1)「調教師賞」

管理馬が3着以内に入ると支給されるもので、次の部分が変更となっています。

「黒船賞」 1着:10万→20万 2着:5万→10万 3着:3万→5万
実施要領などで定めない競走 1着:2万(変更なし) 2着:6千→1万 3着:2千→5千 

「3.騎手に対するもの」の変更点

(1)「騎手賞」

騎乗馬が3着以内に入ると支給されるもので、次の部分が変更となっています。
「黒船賞」 1着:10万→20万 2着:5万→10万 3着:3万→5万
実施要領などで定めない競走 1着:2万(変更なし) 2着:6千→1万 3着:2千→5千 

「4.きゅう務員に対するもの」の変更点

(1)「きゅう務員賞」

調教師の届出による担当馬が3着以内に入ると支給されるもので、次の部分が変更となっています。
「黒船賞」 1着:10万→20万 2着:5万→10万 3着:3万→5万
実施要領などで定めない競走 1着:2万(変更なし) 2着:6千→1万 3着:2千→5千 

 2021年度の高知競馬の形態がこれで固まりました。また1年間思い思いの見方で楽しんでいきましょう。

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