2024年4月3日に「令和6年度高知競馬番組編成要領」が発表されました。(2024年4月1日から適用)
2024年度は夏季に馬場改修に伴う約1か月の休催期間が設けられるため、番組賞金算定期間の変更を中心とした対応が行われます。また、A級戦の負担重量の変更や、2歳競走の入着賞金割合の変更も実施されています。
例によって、旧要領と照らし合わせながら令和6年度の要領の変更点を見ていきます。
番組編成要領
「1.出走の資格及び制限」の変更点
- 高知競馬に出走申込みや出走が可能となる条件の中で、高知競馬所属厩舎への入厩期限が「当該サイクルの登録日の前日まで」から「出走日の10日前まで」に改められています。((3)(カ))
「4.番組賞金」の変更点
- 番組賞金の算出対象期間に大きな改正が加えられています。
起点日から過去2年の獲得賞金を起点にする方式は同じですが、今年度は馬場改修に伴い、2024年8月4日の開催の次の開催は9月7日となっており、この間は約1か月間の休催となっています。このためか、今年度は年度途中に実施する番組賞金算定起点日が従来の10月から9月に前倒しされており、長期休催明けで編成替えとなります。
2023年度 | 2024年度 |
---|---|
4/1~9/29の番組賞金は 2021.4.1~編成日の獲得賞金 | 4/1~8/31の番組賞金は 2022.4.1~編成日の獲得賞金 |
9/30~3/31の番組賞金は 2021.10.1~編成日の獲得賞金 | 9/1~3/31の番組賞金は 2022.9.1~編成日の獲得賞金 |
「5.二歳及び三歳馬の取扱い」について
2024年の3歳戦の実施は9月29日までと規定されています((4))。このため、10月の開催から3歳格付馬は全馬一般格C3級下に編入されます。番組賞金とは異なり、休催期間の影響は受けず従来通りの取扱いとなっています。
「6.番組の編成について」の変更点
- 年間サイクル数は前年度と変わらず年間30サイクルです((1))。
- 競走馬の級区分については下記の通りC3級上下の境界の番組賞金の範囲のみが改められました((4))。
格 | 級 | 旧 | 新 |
---|---|---|---|
一般 | A | 1100超 | 1100超 |
B | 700超~1100以下 | 700超~1100以下 | |
C1 | 440超~ 700以下 | 440超~ 700以下 | |
C2 | 300超~ 440以下 | 300超~ 440以下 | |
C3上 | 180超~ 300以下 | 170超~ 300以下 | |
C3下 | 180以下 | 170以下 | |
3歳 | 100未満の三歳馬 | 100未満の三歳馬 | |
2歳 | 100未満の二歳馬 | 100未満の二歳馬 |
「8.負担重量」の変更点
- オープン準重賞を含むA級戦の負担重量に変更点があり、「(別に定めない)準重賞競走、A級特別競走(1組)」で実施されていた、最上位競走・他場重賞競走1着の直後に出走した場合に斤量加算を加える「別定重量1」戦の適用対象が、「準重賞競走、A級競走」に変更され、これまで定量重量戦だった2組以下のA級普通競走やAB混合戦についても、別定重量戦に変更されます。
ただし、斤量加算となる成績は従来通り「2歳・3歳を除く重賞、2歳・3歳・級限定・牝馬限定を除く準重賞、A級特別及び1組」と「他場重賞競走」の1着で変更はありません。また、年度後半の9月30日の時点で加増が一度リセットされる点も同じです。
((1)(カ))
※対象競走の範囲にAB混合も含まれる点は確認済です
令和6年度 高知競馬重賞競走等一覧
重賞競走
開催日程発表時に既にあわせて発表されており、昨年度と同じ20競走となっています。
準重賞競走
準重賞競走は昨年度より1競走減の24競走となっており、3歳準重賞「栴檀特別」が非開催となります。
なお、「高知・佐賀スタリオンシリーズ」として行われていたオープン準重賞5競走は、名称が高知競馬場周辺の地名を冠した競走名に変更されているものの、競走条件に変更はありません。
昨年度新設されたJRA認定競走の2歳準重賞は引き続き3競走が設定されています。
特別競走
昨年度新設された2歳1800mの特別競走「満天星特別」は今年度も掲載されています。
令和6年度 高知競馬重賞競走等選出基準
競走ごとに定められた選出基準に変更はなく、昨年度と同じです。
令和6年度 高知競馬馬検査実施要項
- 馬体検査、発走検査及び能力検査の対象となる馬の定義において、「出走申込日前180日」という期間設定が行われているもので、出走申込日が9月から12月までの間にある場合は「出走申込日前210日」に30日間延長されます。これは約1か月の夏季休催期間を挟んだために検査対象になることを避ける等の措置と思われます。(3.(1)(イ)、4.(1)(ア)、4.(1)(イ))
令和6年度 高知競馬賞金諸手当等支給要領
「1.馬主に対するもの」の変更点
(1)賞金
- 1着賞金の変更はありません。
- 2歳競走のうち、前年度はJRA認定競走の4競走(「ネクストスター高知」、「堆金菊特別」、「潮菊特別」、「土佐寒蘭特別」)のみ入着賞金が「190方式」、残りは「180方式」となっていましたが、今年度から全ての2歳競走が「190方式」になり、2着賞金(1着賞金の35%→40%)、3着賞金(1着賞金の20%→25%)が5%ずつ増額となっています。(他は従来通り黒船賞が「170方式」、ほかは「180方式」)。
(2)出走手当
- 基本の支給額に変更はありませんが、7月末時点の在籍馬が第10サイクル(9/7~9/16)と第11サイクル(9/22~9/29)に出走した場合は基本支給額に6万円の加算が行われます。夏季休催期間を踏まえての措置と思われます。
その他
- 馬主、調教師、騎手、厩務員について、賞典停止時の取扱いに関する文言が整理されています。
附則
「高知競馬賞金諸手当支給要項」には、引き続き「高知競馬は赤字を出すことができないため、必要に応じ変更する場合がある。」と規定されています。
高知競馬の在り方を示す象徴的な文言であり、この条項が発動するような状況が起こらないことを願うばかりです。
おわりに
2024年度の高知競馬の形態がこれで固まりました。また1年間それぞれの見方で楽しんでいきましょう。