(2024年 馬場状態 5/5まで) [良]8 [良→稍重]1 [稍重]7 [重]13 [不良→重]1 [重→不良]1 [不良]16

高知競馬場のマークカード

買いたい買い目が決まったら、マークカードを塗って、発売機に現金と共に投入する。…というのは競馬に限らず今の公営競技では当たり前の光景です。競馬のマークカード投票はJRAでの試験導入が1992(平成2)年4月(→出典:こちら)なのに対し、大井競馬場が先だって1991(平成元)年6月に一部の投票所で導入しています(→出典:こちら)。一方、高知競馬場でのマークカード導入は1996(平成8)年7月のこと。2021(令和3)年のスタンド1階改修開始直前まで常設の手売り窓口も残ってはいたものの、そちらも近年はマークカードと現金を手渡しで受取る形式になっており、マークカード投票は高知でも世代を問わずごく普通のものとなっています。

このマークカード、どこも同じなようで実は高知競馬場のマークカードは過去の経緯もあって近年でもちょっと変遷があります。現在のカードを中心に見てみましょう。

マークカードは8種類!

現在高知競馬場、及び系列場外発売所で使用するマークカードはご覧の8種類に分かれています。

高知けいばは日本トーター株式会社の投票システムを導入しているため、この一連のカードは高知競馬場と系列場外でしか使えない専用カードとなっています。

8種類って多い…となりますが、よく見ると背景がオレンジと薄緑の2種。このうち、薄緑のカードは「JRA投票専用カード」と書いてあり、要は2013(平成25)年4月7日からスタートしたJRA投票の「J-PLACE」用のもの。さすがにJRA用と地方用は分けないと場名欄が収まらないということのかも。「J-PLACE」を実施しているほかの地方競馬でもJRA・地方でマークカードは分けているようです。

つまり、8種類といっても

  • 基本カード
  • 「ながし/ボックス」カード
  • 「フォーメーション/ボックス」カード
  • 「ながし(マルチ)」カード

がJRAと地方でそれぞれあるという解釈になります。

基本カード&「ながし/ボックス」

高知競馬場のマークカードの基本といえるのがこの2種。青の「高知けいば投票カード」は買い目と購入額を一点ずつ塗る基本形のカード。なお、JRAや他の多くの地方競馬場と違い、高知競馬場は基本カードも片面のみ使用のため、1枚で4通りまでとなります。

一方、緑の「ながし/ボックス」カードは1頭もしくは2頭の軸馬を決めた「ながし」購入と選んだ馬の同士全ての買い目を「ボックス」購入できるカード。他場同様どちらか1つしか選べず、「ボックス」の場合でも枠番連勝式のゾロ目の組み合わせは買えません。

ただ、この「ながし/ボックス」の「ながし」の方は、「1つの着には1点のみ」と注釈は打たれているものの、他場の「ながし」購入カードと異なり、フォーメーション買いをしてしまいそうなデザインになっているため、遠征組にはうっかりそのように塗ってハネられた経験のある方もいるのでは。

「フォーメーション/ボックス」&「ながし(マルチ)」

一方、赤は「フォーメーション/ボックス」カード、紫は「ながし(マルチ)」カード。

赤の「フォーメーション/ボックス」カードは緑の「ながし/ボックス」とレイアウトがほぼ一緒。異なるのは中央のボックス組合せ点数がフォーメーションのイメージに変わり、注釈が「各欄、何点でも選択できます」となっていること。

一方、紫の「ながし(マルチ)」カードはJRA等の「ながし(マルチ)」カード同様、軸馬と相手欄が分けられ、三連勝式は軸馬が何頭いるかを指定する必要がある一方、軸と相手が入れ替わった買い目も購入する「マルチ」購入も可能としたカードです。

この2種類のカードは2014(平成26)年7月20日のキャッシュレス投票開始の際に、当初はキャッシュレス投票専用のカードとして導入されたものです。緑の「ながし/ボックス」と役割が重複するものの、これまでできなかった「フォーメーション」と「マルチ」買いを実現させており、「キャッシュレス投票ならフォーメーション・マルチ購入が可能」という売り文句の一つになっていました。言い換えると、その当時は現金投票の紙馬券の発券機では前項の2種類のカードしか対応しておらず、紙のフォーメーション・マルチ馬券は購入できませんでした。

しかし、2022(令和)年4月7日のスタンド1階投票所の新装オープンに合わせ、発券機も更新されたのを機になのかは不明ですがこの制限を撤廃し、現在は全てのマークカード全てが紙馬券、キャッシュレス投票いずれにも対応しています。

緑の「ながし/ボックス」カードの存在意義は…

合理的に考えれば緑の「ながし/ボックス」カードは赤の「フォーメーション/ボックス」や紫の「ながし(マルチ)」の折衷的な存在ゆえ、ないと困るものでもなく、遠征組の方々であれば緑よりも赤や紫の方が使いやすいのでは?と思われます。ただ、長年使われてきた投票カードでゆえに地元で慣れている層もいるはずで、それもあるのか現時点では共存しています。

ちなみに、同じ日本トーターの発券システムを採用し、高知と同じ形式の「ながし/ボックス」カードを使用していた金沢競馬は、2017(平成29)年10月21日に「フォーメーション/ボックス」と「ながし(マルチ)」のマークカードを導入した際、即「ながし/ボックス」のカードは廃止しています(→出典:こちら)。

JRA投票専用カード

こちらは「JRA投票専用カード」。地方競馬投票の4種類と同じ種類が用意されています。赤と紫のカードは、地方競馬用カードと同様に2022年のスタンド1階新装まではキャッシュレス投票専用となっていました。

「ながし(マルチ)」で比較。場名欄は大きく異なるのは当然として、地方競馬(高知けいば)側(上)には「枠単」がある一方、JRA側(下)は馬番のマークが18番まで可能となっています(地方競馬は最大設定が16番のため16番まで)。なお、地方競馬側のカードの賭式名がJRA側に合わせてあるのか、地方競馬で通常用いられる「枠複」「馬複」ではなく「枠連」「馬連」になっています(これは高知競馬場の勝馬投票券の券面表示も同じです)。

メモリアル:先代のマークカード

こちらは現在より1世代前のマークカード。基本カードと「ながし/ボックス」の2種類だけで機能的には現在の青と緑のカードと同じもの。ただ、レース番号欄や賭式名の辺りが違う他、重要視されていた南関東の場外発売を目立たせるために開催場名欄の南関4場の所を色抜きしたり、「荒尾」だったと思しき欄が空白になっているなど当時を感じさせるものとなっていました。

このカードになったのは2011(平成23)年10月10日からのよう(→出典:こちら)。さらに前になると場名欄は他場の場外発売を買う時だけ「場1」「場2」「場3」のうち指定されたものをマークする方式のものだったようです。

仕組み上仕方ない面もありますが、高知けいばだけにしかないマークカードでありました。

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