(2024年 馬場状態 4/29まで) [良]8 [良→稍重]1 [稍重]6 [重]13 [不良→重]1 [重→不良]1 [不良]16

高知けいばの表彰式・セレモニー

(初回掲載)2018.9.23
(更新)最近の状況に合わせて更新

(2017.8.27「第40回建依別賞」表彰式より)

競馬場ではさまざまなイベントが催されることがありますが、競馬に直結するイベントとして重要なのがレースの勝利陣営に対して、また関係者の記録達成等を讃えて行われる表彰式。ファンが騎手と直接接することのできる数少ない機会でもあります。

表彰式・セレモニーの開催パターンや形式、頻度も例によって競馬場によってさまざま。近年の高知けいばの場合をまとめてみました。

なお、現在は新型コロナウイルス感染及び拡散防止のため、表彰式・セレモニー自体は実施されているものの、形態が大幅に変わっていますのでその部分も合わせて追記しております。

表彰式がある競走

  • 全ての重賞
  • 「グランディール レディスシリーズ」「高知・佐賀スタリオンシリーズ」などのスポンサーが付いている一部の準重賞
  • 中央条件交流の特別競走(「~盃」)
  • 騎手交流競走
  • 中国・四国地方の畜産振興団体による協賛競走(ない場合もあります)
  • 協賛企業が希望した場合の企業協賛競走(めったにありません)

以上の競走で表彰式が行われます。準重賞なら表彰式がありがちに思われますがスポンサーなしのものも多いため、表彰式のあるなしは出馬表でスポンサーの有無を確認してください。なお、畜産団体の協賛競走、企業協賛競走の表彰式の開催有無は当日の出馬表・案内放送でないとわかりません。(個人協賛競走で表彰式が協賛特典にある地方競馬場もありますが、高知けいばでは設定されていません)

公開口取り式が行われる競走

高知けいばで優勝馬の口取り式が公開で行われるのは現在「黒船賞(JpnIII)」のみとなっています。黒船賞終了後すぐ行われる表彰式の際に、黒い優勝レイを下げた優勝馬が本馬場に現れて口取りが行われます。

新型コロナウイルス感染対策期間中であった2021年「第23回黒船賞(JpnIII)」、2022年「第24回黒船賞(JpnIII)」では、公開口取り式は実施されていません。

2019(平成31)年の「第21回黒船賞」を例に。表彰式が終わる頃、ゴール前付近に優勝馬サクセスエナジー号が黒船賞の優勝レイをかけて現れました。

そして進行方向と垂直になる形で口取りを行う関係者が並び、報道関係者と向かい合う形となります(なお、この年はゲートと向き合う方向で並んでいましたが、前年はゲートに背を向ける形で並んでおり、年によって違うのかもしれません)。なお、この年は水が浮く不良馬場のため、優勝馬関係者が並ぶ位置にはシートが敷かれて足元が保護されていました。

口取りの記念撮影

園田競馬場やかつての福山競馬場のようにスタンド側を向くことはなかったのですが、レイを掛けた優勝馬を見たり、低いラチ越しかつ角度はかなり厳しいものの口取りを撮ることも位置取り次第で可能です。

なお、平成初期頃までは地元限定重賞でも本馬場で公開口取り式が行われていたようですが一旦取り止めとなり、「黒船賞」以外は優勝レイもなかったのですが、2018(平成30)年度から再び全重賞で優勝レイが贈呈され、合わせて内部で口取りの記念写真が撮られるようになっています。その画像は後日中継映像での紹介や、専門紙の表紙や競馬メディアのウェブサイトでの掲載、取材された方々により個別でネット上に上げる形などでファンの目にも届くようになっています。

記録達成の表彰式

高知けいばでは騎手の勝利500勝ごと、騎乗回数5000回ごとに主催者からの表彰が行われます。また、過去には歴代の高知けいばや地方競馬の記録を更新した場合に表彰式が行われることがあります。また、新人騎手がデビューから1年以内に30勝を達成した場合に「新人年間30勝達成表彰」がされており、2007年デビューの石本純也騎手が達成したあとはしばらく該当者がいなかったものの、2019年デビューの多田羅誠也騎手、2021年デビューの岡 遼太郎騎手がクリアし表彰を受けています。

一方、調教師については2018年に田中 守調教師が2000勝達成、松木啓助調教師が3000勝達成、2019年に別府真司調教師が2000勝達成による表彰を受けていますが、それ以前に調教師が区切り勝ちでの表彰を受けたという話がネット上では確認できず、規定があるのか不明です。

なお、この形の表彰式は達成直後ではなく、ある程度時間を置いてから実施される傾向にあり、実施に際しては事前に公式サイト等での告知が行われますが、開催の数日前に公式サイトで発表されることが多いので、お目当ての区切り表彰がある場合はこまめに公式サイトを確認しておく必要があります。

競走馬引退式

2018.5.6「マウンテンダイヤ号引退式」

2019.11.9「ディアマルコ号 引退式」

多数の重賞制覇や遠征で活躍した馬の引退に際して引退式が行われることがあります。高知けいば公式サイトで確認できた近年の馬の引退式の開催実績は下記のとおりです。

  • 2009.1.1開催 エスケープハッチ号
    (当時の地方競馬平地競走最多勝記録(54勝)馬。高知重賞7勝)※本馬場で開催
  • 2014.1.26開催 アドマイヤインディ号
    (南関遠征時に指定交流で3、4着入着。高知7勝)
  • 2014.4.6開催 タンゴノセック号
    (高知重賞4勝、船橋地方交流「総の国オープン」勝ち)
  • 2015.10.31開催 グランシュヴァリエ号
    (交流含め重賞4勝、指定交流JpnI入着2回)
  • 2018.5.6開催 マウンテンダイヤ号
    (重賞4勝含め高知39勝、5年近くA級馬として活躍)
  • 2019.11.9開催 ディアマルコ号
    (交流含め重賞9勝。NARグランプリ2018最優秀4歳以上牝馬受賞)
  • 2020.1.19開催 サクラシャイニー号
    (交流含め重賞9勝、指定交流3着、船橋地方交流「総の国オープン」勝ち)

引退式は基本的に間隔を開けたレース間、もしくは開始前にパドックで行わます。引退馬と共に馬主、調教師、主戦騎手などが列席し、お披露目の後、競馬組合からの表彰、関係者の挨拶、記念撮影が行われるのが通例です。なお、レース間での開催のため、こちらも開催日時の決定が出馬表確定後になり、開催の2~3日前に発表となることが一般的です。

各種セレモニー

このほか、以下が定番的に行われる主なセレモニーとなります。こちらも実施の際には事前に告知が行われます。

  • 年度当初の所属騎手紹介式
  • 期間限定騎乗騎手の紹介式・送別式
  • 移籍騎手の紹介式
  • 引退騎手、調教師の引退式(本人が希望しない場合は実施されません)
  • 高知所属騎手の他場期間限定騎乗の壮行式・帰高報告式
  • 騎手交流競走出場の際の壮行式
  • 「NARグランプリ」受賞者の報告式
  • 高知けいば優秀競走馬表彰式(2018年より。年度代表馬とカテゴリー別の優秀馬関係者を表彰。)
  • 主催者・関係団体役員による元日開催にあたっての新年挨拶
  • 「成人の祝いセレモニー」(成人を迎えた高知けいばの騎手・厩務員へのお祝いセレモニー)
  • 「ファーストキッス」(お米)贈呈式

(2015.8.30「ファーストキッス」贈呈式にて。前後の騎乗に影響のない騎手が揃うこともあります)

開催場所

通常セレモニーが行われるのはゴール前直線に接するファンエリアのど真ん中に位置する「中央スタンド前ステージ」です。それなりに広く、20人以上並ぶ年1回の所属騎手紹介式も2列に並べば余裕で行えます。スタンド前が傾斜していることもあって、ステージを取り囲む位置から離れても見やすいほか、後ろがスタンドなので座って見ることもできます。

スタンド1階「セレモニースペース」

一方、2022年4月に新装されたスタンド1階には「セレモニースペース」という空間が設けられており、雨天時にはこちらで表彰式等のセレモニーが行われます。当初は新型コロナウイルス感染対策がまだ続いていたためか使用されておらず、人がいる形で最初に使用されたのは2022年11月6日にYouTube配信番組「ヨルノヲケイバ」のステージとして。雨天に伴う表彰式会場として初めて使われたのは2023年1月15日の「第12回大高坂賞」でした。

(アーカイブ 旧「受付前特設ステージ」)

スタンド1階改修前、雨天や雨天が予想される場合にセレモニーを行う際に設置されていたスタンド内の「受付前特設ステージ」。こちらはスタンド1階のパドックと走路前を繋ぐ通路の一部を仕切り、背景を整えて行われていました。

当初は折り畳み式のステージも設置されていたのですが、その後中央スタンド前ステージと同じ表彰台を置く形が基本です。
(2018.5.6「第22回黒潮皐月賞」表彰式より)

登壇者との距離はスタンド前よりも感覚的に近いもののキャパが小さく、フラットな目線になるため最前列でないと見にくくなる印象がありました。2014年の「福永洋一記念」が雨のため表彰式をここで行ったのが作者の一番古い記憶ですが、その時は大混雑でほとんど見えず。また中継映像や音声もうまく乗らなかったようですが、その後は中継の精度が改善されたのか、特に映像はカメラが近いこともあってむしろ見やすくなった印象がありました。

なお、スタンド1階改修工事の開始によりこの形は取られなくなり、2021年7月から2022年の間、雨天時のセレモニーは5階来賓室で行い、中継映像でファンに伝える形式となっていました。

式典進行

式典進行役は2014(平成26)年度以降は重賞の表彰式を中心に、重要な式典、一部の区切り勝利達成などについては実況でおなじみの橋口浩二アナウンサーが進行を務める形になっています。

(2017.7.23「赤岡修次騎手 帰高報告式」にて)

ツボをつく問いかけを繰り出す橋口アナと解説者のような理路整然としたわかりやすいコメントを返す赤岡修次騎手のインタビューは聞いてて心地よいです。

かつては橋口アナウンサーがどんな表彰式やセレモニーでもほぼ全部進行を担当していたのですが、地方競馬IPAT導入以降、高知けいばの回復基調によって12レース開催が主流となったうえに、レースの間隔が短くなったこともあり、橋口アナウンサーがすべて賄うのは難しくなったこともあってか、2014(平成26)年度から橋口アナウンサーが担当しない式典も行われるようになり、2014~2016(平成28)年度の間、その種の式典は基本的に高知県競馬組合の広報担当職員の方による進行となっていました。

2017(平成29)年度からは外部の進行役の方が登場するようになり、表彰式のある準重賞、表彰式のある企業・畜産協賛競走の表彰式や騎手紹介式の進行を行っています(外部MCの都合が付かない場合は高知県競馬組合の広報担当職員の方が担当)。

2022年度はフリーアナウンサーの甲木彩美さんの起用が中心となっており、高知競輪の中継MCを務める元競輪選手の山口菜津子さんが時折進行役を務めることもあります。

大西由梨アナウンサー (YouTube配信「高知競馬実況中継」より)

2代目の進行役はフリーアナウンサーの大西由梨アナウンサー。2020(令和2)年度までは5年間エフエム高知でアナウンサーをされており、2021(令和3)年度からフリーに。その直後の2021年4月10日から12月19日まで高知けいばの式典進行役を担当。エフエム高知での番組出演、制作のほか、サッカーJFL「高知ユナイテッドSC」のホーム戦YouTube配信の実況や、プロ野球独立リーグ・四国アイランドリーグ「高知ファイティングドッグス」のスタジアムアナウンサーを務めるなど、高知のスポーツ関係の仕事もされており、アナウンスの場数も踏まれてることもあって、きっちりとした進行は流石といったところ。また、この頃は式典最後にカメラに向かって決めポーズを取る習慣ができていた頃で、ポーズを取ってもらう時に「せーの、ガッツ!」という合図が印象的だとYouTube配信番組「ヨルノヲケイバ」で話題になることもありました。(なお、大西さんが収録した注意喚起の音源が2022年度から使用されており、名残りが残っています)

岡林あやのさん

初代は「2014年度ミス高知観光キャンペーンレディ」を経て当時高知県内で放送されるテレビの情報番組のレポーターとして活躍されていた岡林あやのさんが 2017(平成29)年度から2019年12月14日まで担当していました(岡林さんの都合がつかない場合は組合広報職員の方が進行)。

(2017.11.25「中国地区畜産協会協賛 福山競馬記念特別 表彰式」より)

この仕事をきっかけに競馬とつながったという岡林さんですが、舞台に立つ経験値の高さはさすが、というのを感じる進行ぶり。パドック放映に入る前のアイキャッチジングルと呼ばれるショート映像にも多数出演されていたほか、SNSでの高知けいばのPR発信や対外PR活動への参加も数多く、この時期の高知けいばではおなじみの存在でありました。

優勝馬表彰式はいつ行われる?

組合の方の先導で表彰式に向かう優勝馬フリビオン号の陣営
(2017.6.18「第45回高知優駿」表彰式開始前より)

優勝馬関係者への表彰式はそのレースの確定後すぐに行われることが一般的かと思いますが、高知けいばの場合、終了時間が延ばせないナイター開催の上、投票券の発売スケジュールに合わせて1日のタイムスケジュールやレース順を組む節があるためにレース間隔が詰まっており、さらに競走後に騎手が戻る検量室からスタンド前ステージが遠いこともあってか「高知県知事賞」や「福永洋一記念」などセレモニーが大掛かりになるもの以外は、すぐに表彰式とはならないのが一般的です。

現在は表彰対象レースの1レース後にレース間隔をあらかじめ35~40分空けたところが設定されており、基本的にはそこで行われます(12レース制なら7レースの重賞の表彰式は8レース確定後が多い)。

かつては表彰式を行うのをあらかじめ「○レース終了後」とした上で優勝馬が決まってから「○レース」の前後の優勝騎手の騎乗状況に応じて「確定後」なのか「本馬場入場後」なのかを後で決めるといった綱渡り的なことをしていた時期もありましたが、表彰される騎手は乗鞍が多い上位騎手になりがちで、表彰式・セレモニー問わず「本馬場入場後」の開催になることが多く、セレモニーを見たファンはあらかじめ投票してないと買いもらすリスクすらあったり、騎手は終わったらすぐ騎乗馬のもとへ飛んで行く慌しさでしたが、最近は基本的に最終の1つ前の競走の優勝馬への表彰がある場合のみ最終競走本馬場入場後となる以外は確定後の開催となります。

セレモニーの流れ

現在、新型コロナウイルス感染及び拡散防止対策のため式典の形が大きく変わっています。以下の記事は対策前に行われていた形式です。

(2017.12.31「第48回高知県知事賞 表彰式」より)

セレモニーや表彰式の流れなぞどこも同じ、かと思ったらインタビューのタイミングひとつとっても競馬場によって異なるもので、高知けいばの場合はだいたい下記のような流れとなります。

(競走優勝の表彰式)

表彰状・副賞授与(馬主→調教師→騎手→厩務員)→優勝騎手インタビュー→ファンへの花束プレゼント

(個人記録等の表彰・セレモニー)

花束贈呈(ない場合も)→紹介(表彰内容や騎手のプロフィールなど)→表彰→インタビュー→ファンへの花束プレゼント

(現在の表彰式)
表彰状の読み上げ→優勝騎手インタビュー→記念撮影

表彰の際にはそれぞれの壇上に上がって賞状等の授与を受けます。はじめから来ないことがわかってる場合その方の台は用意されません。

優勝馬関係者の表彰式については馬主は現地に来られていることが少なくその場合は調教師が代理受け取り、また厩務員も後のレースの準備にかかっているのか欠席となるケースがわりとあり、この場合も調教師の代理受け取りとなります。騎手・調教師の2人での出席というケースが多い印象がありますが、ごくまれに調教師も欠席の場合があり、その場合は騎手1人で全員分受け取る、なんてレアケースも発生することがあります。

そして、ほぼ全てのセレモニーで最後に行われるのが表彰者からファンへの花束のプレゼント。

(2018.7.1 「林 謙佑騎手 紹介式」にて)

セレモニーのはじめに主催者から花束を表彰者全員が受け取って登壇しますが、ほどなく式典前に一旦回収され、そして式典が終わると再び表彰者に戻された後、進行の呼びかけとともにステージ前のファンに花束が手渡されます。前の方にいて少しでも意思表示してるともらえることが多そう。競争率もおしなべてそんなに…な感じはしますw(たまになかなか受け取ってくれないと思しきケースが…)。なお、花束は生花です。

このほか、騎手の区切り記録といった事前発表のある表彰式の際には、まれに主催者から式典に集まったファンへ記念のカンバッジが式典終了後にプレゼントされることがあります。

新型コロナウイルス感染及び拡散防止対策期間中も式典は基本的に行われていますが、ステージと観客が近づきすぎないように柵が設けられ、離れた位置から見ることになっています。また、表彰式、セレモニーとも表彰状、副賞の表彰者への手渡しでの授与は省略されており、馬主に対する表彰状の読み上げと副賞等の紹介にとどめられており、優勝騎手インタビューはインタビュアーと騎手が離れて受け答えする形になっています。また、優勝馬関係者に花束は送られますが、ファンへの花束プレゼントも省略されています。
その代わり、優勝馬表彰式の最後にはテレビカメラに向かって記念撮影的なポーズを関係者にやってもらうことが最近は定番化しています。

サイン・写真お願いします…は?

騎手がファンに近いところに来るのはまず表彰式だけ。そこでサインを書いてもらったり写真を撮らせてもらうお願いをしたいということもあろうかと思います。

高知競馬場で騎手にお願いする場合は表彰式が終わって降壇し、馬場とファンエリアの境目にある低い柵のついた通路(4枚上の画像)を通って戻る際に騎手に声をかけることになります。

次のレースに騎乗がなければ高知の騎手はまず応じてくれます。一方、本馬場入場後の表彰式で表彰騎手が次のレースにすぐ騎乗する場合は時間がないので100%不可。また、確定後表彰式でも次のレースに騎乗がある場合は時間の関係で難しいケースがあります。このあたりは次にその騎手の騎乗があるかどうか確認した上で、自重するかお願いしてみるかはその時の空気を読んで判断…というところでしょうか。

高知けいばは表彰式・セレモニーの開催数は地方競馬の中では少ない方に属するかなという印象がありますが、それだけに騎手を間近に見られる、場合によっては声もかけられる貴重な場でもあります。来場の際に表彰式・セレモニーがあった際はぜひステージに集まって観覧・ご声援のほどを。

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