(初稿:2021.6.16)
更新:貸服の画像追加、現状に合わせて更新
騎手の騎乗や騎手服(勝負服)の取り扱い、競走馬への負担重量の設定についても、JRAと地方競馬、また地方競馬ごとによってルールはそれぞれの事情により様々です。高知けいばのルールを整理してみました。こちらも「番組編成要領」に掲載されている内容ですが、一部はそれ以外や、中継放送等で語られた内規的なものも含めています。
なお、内容は2023年4月1日から適用分の「高知競馬番組編成要領」に基づいたものです。
(抜粋して掲載しています。全文は→こちら)
騎乗回数
騎手の騎乗回数ルール
JRAでは1日の開催で騎手の騎乗回数に制限は設けられていないため、その日の全12競走に12連続で乗ることも可能ですが、地方競馬では各場毎の規定で騎手の1日の騎乗回数に制限がかけられています。
高知けいばでは、現在騎手が1日の競走で騎乗できる最大騎乗数は原則8回以内までとなっています。ただし、開催執務委員長が認めた場合はこの限りではないことから、出馬表確定後や開催中に急遽負傷や疾病等で騎手が離脱した場合は、この制限にとらわれず騎乗変更で1日8回を超える騎乗が認められます。
一方、ときおり特に急遽離脱した騎手がいなくても出馬表の段階で1日8回を超える騎乗がある騎手がいることがありますが、他の騎手が全員8鞍乗っていなくてもあることから、あくまで「原則」ということで例外も許容されているようです。
また、連続騎乗回数についても地方競馬では制限がかかっているケースがあり、高知けいばでは遅くとも平成20(2008)年11月までは連続5回まで、平成22(2010)年度までは連続8回までという制限がありましたが、現在は制限がありません。このため、例えば都合で9回騎乗することになった場合、休みなく9競走連続で乗ることも可能です。
なお、JRAや他の一部の地方競馬とは違い、高知けいばには一定の勝利度数がないと重賞競走に騎乗できないという制度はありません。
遠征騎手のエキストラ騎乗
平地地方競馬全場では交流・地元限定に関わらず2006(平成18)年度より、重賞競走に地方競馬他場の騎手に騎乗を依頼することが可能となっていますが、高知けいばではこれに加え、2013(平成25)年度に準重賞競走の区分を復活させてからは、(公式な発表はなかったものの)準重賞でも地方競馬他場騎手の遠征騎乗を可能としているようで、実際に遠征があった例があります。
一方、交流競走開催日の際、主目的の騎乗競走以外の競走についてへの騎乗(一般的には「エキストラ」騎乗と呼ばれる)については、各場で運用が異なっています。
高知けいばの場合は中央・地方他地区所属などの区分に関わらず所属騎手と合わせており、主目的の騎乗競走を含めて8回までの騎乗が可能となっています(ただし、式典準備等で騎乗できない競走がその都度指定されることもあります)。そのため、例えば他場騎手が「一発逆転ファイナルレース」に乗ることも制度上は可能で、実際に騎乗例があります。
騎手服
高知けいば所属騎手の騎手服の規定
騎手服(勝負服)で使える色、模様の規定は地方競馬では各主催者で規定しており、公開しているところはほとんどありません(騎手服に関するレポート記事でライターさんが取材すると断片的に出てくることはありますが)。高知けいばでも公開されておらず詳細は不明ですが、以前実況放送内の「Jockey's Talk!」で「デビュー時に『水色 青鋸歯形』の服色を希望した所、高知の規定では同系統の色を合わせて使えないと言われたので今の色になった」と話した騎手がいたことから、そういう規定はあるものと思われます(ただその後移籍の騎手が以前から使用していたこの例示と全く同じ服色を継続して使っていたので、そこは柔軟なのかもしれません)。
なお、高知けいばで特徴的な騎手服の柄となると上田将司騎手の胴と背中に大きな白星を1つだけ付けた騎手服かと思いますが、これも服色呼称上はあくまで「白星散らし」となっています。
高知けいばの「貸服」
遠征騎手はJRA所属馬に乗る場合は馬主服、地方他地区騎手が地方所属馬に乗る時は所属場の自分の騎手服を着ますが、JRA騎手が地方所属馬に乗る場合や遠征騎手の騎手服が他と類似していたり、騎手服を忘れた場合に主催者から貸し出されるいわゆる「貸服」。これも地方競馬各主催者によって大きく異なっており、JRAの藤田菜七子騎手がデビュー直後に各地の条件交流競走に遠征し、エキストラ騎乗で様々な貸服を着たことが契機となったか、ネット上でもこれに関する研究記事が見られます。
高知けいばでは「全日本新人王争覇戦競走」の際にJRA騎手が必ず着ることとなりますが、それ以外ではそもそもJRA騎手が遠征する競走が少ないことから滅多に見ることはありません。(「ヤングジョッキーズシリーズ トライアルラウンド高知」では、JRA騎手も個人デザインの騎手服を使うため、エキストラ騎乗しない限り貸服は使いません。)
現在の貸服はJRAで使用されている「地方競馬所属の競走馬で、馬主がJRAで馬主登録をしていない場合」に貸し出される「交流服」と同一デザインとなっており、騎乗馬の枠番号ごとに「白 (枠色)四ツ割 袖(枠色)一本輪」となっています。ただし、1枠は枠色が「白」で、これでは真っ白になってしまうため、1枠については(枠色)の部分は「水色」になります。
なお、同枠に貸服騎手が入った場合でも貸服は同じで、馬番号の大きな方の帽子が染め分け帽になります(2018.1.23の「第32回全日本新人王争覇戦競走」で偶然2戦とも7枠7番にJRAの木幡巧也騎手、7枠8番にJRAの坂井瑠星騎手が入っており、いずれも騎手服は同じで8番の坂井騎手が染め分け帽を着用していました→3R(第1戦)映像、5R(第2戦)映像(いずれも地方競馬ライブのアーカイブ))。
ちなみにこの貸服が初登場したのは2015(平成27)年1月の「全日本新人王争覇戦競走」で、前年の同競走までは単色のジャンパーのような貸服を着用しており、その間は貸服使用の例が見当たらないことからこの間に変わったようです。
高知けいばでの馬主服着用
地方競馬は基本的に騎手が決めた騎手服を着用することになっていますが、JRAのように騎乗馬の馬主が決めた馬主服で騎乗するケースは、ながらくJRAとの交流競走でJRAの所属馬に騎乗する場合に限られており、高知けいばも長年同様でした。ただ、「黒船賞」では原則的にJRA所属馬にはJRAの騎手しか乗れない規定があるため、実情は条件交流の「~盃」で何人か中央馬騎乗の依頼を受けた騎手が見慣れない馬主服を着て現れ、「服が違うと随分と雰囲気が変わるな(笑)」、という光景が年にごくわずかあるのみとなっていました。
地方競馬では2006(平成18)年度からホッカイドウ競馬で指定された競走に限り、希望すれば馬主服着用での騎乗が可能となりました。これにより、地方競馬の馬主資格のみ持つ馬主がホッカイドウ競馬だけで使える馬主服を作ったり、JRAの馬主でもホッカイドウ競馬では違う柄の馬主服を登録するケースがあるなど、馬主のステータスの一つともいえる馬主服の採用はもともと馬主側に潜在的な需要があったとされます。とはいえ、地方競馬の騎手服文化への支持も高く、わかりやすいという一面もあってか、これに追随するところはしばらくありませんでした。
2016(平成28)年度に、岩手競馬が自場の厩舎に所有馬を預け、かつJRAの馬主資格を持つ馬主が希望すれば、指定された競走でJRAに登録している馬主服と同一柄の馬主服馬主服着用を認める制度を導入。これがきっかけとなったのか、各地区で岩手方式での馬主服着用が認める制度改正が次々と行われ、高知けいばでも2018(平成30)年度から、岩手方式に近い形で馬主服着用が認められるようになりました。
(当時のニュースリリース「高知競馬場における馬主服の導入について(2018.4.5)」→こちら)
導入開始から現在までルールに変更はなく、次の通りとなっています(遠征の中央競馬所属馬は従来通り馬主服)。なお、高知けいばでは、高知に所有馬を預けていない馬主の地方競馬所属馬が遠征で出走した場合でも馬主服を着用しているケースが過去あり、この点は岩手方式とは異なるようです。
- 馬主服の使用が認められる対象
日本中央競馬会(JRA)の服色登録を受けている馬主が所有する地方競馬所属馬が、日本中央競馬会で登録している服色を使用すると、対象となる競走毎に主催者(高知県競馬組合)に届け出た場合。 - 馬主服の使用を認める対象競走
- ダートグレード競走(現在は「黒船賞(JpnIII)」のみ)
- 重賞競走(現在年間20競走)
- JRA条件交流競走(現在は「JRA交流 ○○盃」が年に最大で3競走程度)
- 2歳新馬競走(年によって施行数は異なるが年間10競走弱)
ちなみに、これまで上記4種別の競走とも対象馬の騎手が馬主服で出走した実例があります。ただ、あくまで希望する場合使えるということであり、要件を満たしていても馬主服を使わない馬主さんもいらっしゃいます。
高知けいばの競走における負担重量
競走結果を大きく左右するだけでなく騎手にとっても体調管理で最も基本となる体重調整の根幹である負担重量。競馬における最も基本的なハンデであり、その設定はJRA、地方関係なく色々な要素を用いて設定されています。高知けいばではいわゆるハンデキャッパーが負担重量を決めるハンデキャップ戦はなく、大きく分けて「定量重量戦」と「別定重量戦」の2種類に分かれます。
なお、動画サイトでアップされている2010年春より前の古い個人協賛競走などの映像で「馬齢重量(戦)」という表現が使われていることがあります。馬の性別と年齢で負担重量を決める高知けいばの競走では現在でも基本の形式ですが、こちらは地方競馬全国協会が取りまとめて2010(平成22)年度4月から競走番組の呼称(「A・B・C」の3段階を基本の区分とする)や牝馬に対する減量の扱い(3歳以上牝馬は牡・セン馬から2キロ減とする)を平地地方競馬で合わせる申し合わせをした際、高知けいばでは馬齢重量戦を定量重量戦の一部という形に改編したため、現在、表現としては用いられていません(なお、NARの記録では2010.3.26と2010.3.27の競走記録が定量重量戦になっていますがこれは厳密にはフライングで、編成要領の規定上はまだ馬齢重量戦です)。
ちなみに、年またぎの開催の場合、馬齢で負担重量が決定される競走の場合は編成サイクル第1日目の馬齢が採用されます。
定量重量戦
高知けいばで現在使用されている定量重量戦は5種類あり、高知けいばの競走の大半は定量重量戦と言って差し支えありません(編成要領上は番号付きで区分されていますが公の表記はすべて「定量」で統一されています)。なお、前項で述べたかつての「馬齢重量戦」は現在の「定量重量1」と考えていいかと思います。
区分 | 競走種別 | 主な対象競走 | 負担重量 |
---|---|---|---|
定量重量1 | 級限定準重賞競走 一般格競走 | 初夢特別等のB級以下準重賞 丸山台特別等のC級以下準重賞 B~C3級特別競走、A~C3級下普通競走 | 2歳54kg 3歳3月まで55kg 3歳4月以降56kg 4歳以上56kg 2歳牝馬1kg減 3歳以上牝馬2kg減 下位級1kg減 (希望馬除く) |
定量重量2 | 2歳格競走 3歳格競走 | 2歳特別競走、2歳普通競走 3歳特別競走、3歳普通競走 | 2歳55kg 2歳牝馬1kg減 3歳56kg 3歳牝馬2kg減 |
定量重量3 | 2歳重賞・準重賞競走 3歳重賞・準重賞競走 | ネクストスター高知、 金の鞍賞、土佐春花賞、黒潮皐月賞、 高知優駿、黒潮菊花賞、土佐秋月賞の 各重賞及び 土佐寒蘭特別や栴檀特別等の 2.3歳準重賞 | 56kg 2歳牝馬1kg減 3歳牝馬2kg減 |
定量重量4 | 重賞競走 | 高知県知事賞、福永洋一記念、 二十四万石賞、トレノ賞、建依別賞 等の黒船賞を除く古馬重賞 | 3歳56kg 4歳以上57kg 牝馬2kg減 |
定量重量5 | 牝馬重賞競走 | レジーナディンヴェルノ賞 | 4歳以上56kg |
2歳馬や春先の3歳馬が古馬と走ることによく驚かれる高知けいばですが、さすがに2歳馬が古馬戦に出る場合はハンデで2~3キロ軽い重量で走れます。
一方、3歳馬については古馬重賞(例年「高知優駿」後から古馬重賞の出走要件が「4歳以上」から「3歳以上」となり出走可能)ではハンデで1キロ軽くなりますが、古馬との普通競走や特別競走では1~3月のみ1キロ減となる一方、4月以降は古馬と同斤量となります。
重賞はかつては色々と負担重量を調整するルールが付く競走が多くある時代もあったのですが、現在はグレード別定となる「黒船賞」以外は定量重量戦のみとなっています。
他場でもよく見られますが、級混合戦(隣接2級の混合しか組まれません)の場合は下位級馬の負担重量が1キロ減となる為、これでどちらの級の馬なのか判別することが可能です。
別定重量戦
一方、別定重量戦も4種類ありますが、こちらを使用する競走は上級競走の一部に限られます。(編成要領上は番号付きで区分されていますが公の表記はすべて「別定」で統一されています)
区分 | 競走種別 | 対象競走 | 負担重量 |
---|---|---|---|
別定重量1 | 準重賞競走 A級特別競走 | 高知・佐賀スタリオンシリーズ の準重賞、A級特別競走、A級1組 | 2歳54kg、3歳3月まで55kg 3歳4月以降56kg、4歳以上56kg 2歳牝馬1kg減、3歳以上牝馬2kg減、 下位級馬1kg減(希望馬及び番組編成 委員が指定する馬を除く) を基本重量とし、成績に応じて加増(下記) |
別定重量2 | 牝馬準重賞 | スピカ特別、ミラク特別、 ヴェガ特別、ベラトリックス特別 (牝馬限定競走) | A級56kg B級55kg C1級~C3級、3歳54kg |
別定重量3 | 全日本新人王 争覇戦競走 | 全日本新人王争覇戦競走 | 56kg 牝馬2kg減 |
別定重量4 | グレード別定 | 黒船賞(JpnIII) | 4歳以上56kg 牝馬2kg減 実施要領で定める日までに3歳以降の 競走で GI(JpnI)1着馬3kg増 GII(JpnII)1着馬2kg増 GIII(JpnIII)1着馬1kg増 |
年4競走の牝馬準重賞は馬齢を問わず、在籍級での斤量決定となり、A級牝馬は通常より2キロ、古馬重賞よりも1キロ増で走ることとなります。全日本新人王争覇戦競走は選定馬戦で、馬の能力差が出ないようになっていることからシンプルな定量制。そして黒船賞は他場のダートグレード競走でも採用例の多いグレード競走の勝利歴に応じて加増されるグレード別定制となっています。
「別定重量1」の負担重量増減ルール
他場では普通競走でも「勝って同条件なら1キロ加算」や「賞金がいくらごとに1キロ加算」など細かく負担重量に差を付けるところもあり、高知けいばもかつてはそういったルールを採用していた時期もありましたが、現在別定重量戦で直近の成績を加味してハンデを付けるのは、古馬重賞がない編成サイクルでの古馬最高位競走となるオープン準重賞か「A-1」(選抜、賞金順とも)戦で採用される「別定重量1」戦のみ。文章にするとこのようなルールとなります。
- ハンデ増減の起点は4月1日と10月1日。転入馬は転入日が起点。
- 重賞、オープン準重賞、「A-1(選抜)」、他場重賞で1着を取った次の「別定重量1」戦では負担重量1キロ加増。
- 加増後に高知の競走で2着以下となると負担重量1キロ減。
- 最高重量は58キロ。最低重量は基本重量。
- 起点日をまたぐとハンデはリセット。
…いくつか実例を見た方が早そう。探してみました。
出走日 | 競走種別 | 競走名 | 条件 | 着順 | 重量種別 | 負担 重量 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2020/10/25 | 準重賞 | アドミラブル賞 | 3歳以上OP | 1着/9 | 別定1 | 56 | 基本重量 |
2020/11/23 | 特別 | トパーズ特別 | A-1選抜馬 | 1着/8 | 別定1 | 57 | 前走OP準重勝ち+1 |
2021/01/09 | 特別 | ガーネット特別 | A-1選抜馬 | 1着/7 | 別定1 | 58 | 前走A-1勝ち+1 |
2021/01/31 | 重賞 | 黒潮スプリンターズC | 4歳以上OP | 1着/12 | 定量4 | 57 | (定量重量戦) |
2020年の秋、サクラレグナムは得意の1400m戦までに絞って出走し、別定1の起点となる2020年10月から加増対象競走を2連勝して+2キロとなり別定1の上限の58キロに到達。さらに別定1の競走に出走した明け12歳の初戦も勝利。次走の重賞は定量重量戦のため、逆に斤量が減るという逆転現象が起きました。なお、重賞も勝ったため、さらに別定1の競走を走っていたらそこはまた58キロで走ることになっていましたが、それはなく、2021年4月を迎えたことで+2キロはリセットされています。
出走日 | 競走種別 | 競走名 | 条件 | 着順 | 重量種別 | 負担 重量 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2020/05/04 | 重賞 | 福永洋一記念 | 4歳以上OP | 1着/10 | 定量4 | 57 | (定量重量戦) |
2020/05/17 | 特別 | エメラルド特別 | A-1選抜馬 | 取消 | 別定1 | 57 | 前走重賞勝ち+1 |
2020/10/11 | 特別 | オパール特別 | A-1 | 1着/7 | 別定1 | 56 | (10/1で加算リセット) |
2020/10/25 | 準重賞 | アドミラブル賞 | 3歳以上OP | 3着/7 | 別定1 | 57 | 前走A-1勝ち+1 |
2020年の福永洋一記念を勝ったツクバクロオーは前走重賞勝ちにつき次走が別定1のA-1選抜で負担重量が1キロ増となったのですが、この時は出走取消(取消・除外ではハンデは消えません)。そのまま休養に入り、復帰したのは新たなハンデ起点の10/1を跨いだA-1戦(編成替え最初のサイクルで賞金順最上位組)。この時はハンデ起点を跨いだことで加算が消えて56キロで走り勝利。次走も別定1の準重賞で「前走A-1勝ち」により再び1キロ増の57キロとなりましたがここは3着に敗れ「高知の競走で2着以下」となりハンデ解消。直前の重賞を勝っていない限り次の別定1戦は56キロとなりますが、実際はその後3月まで別定1戦には出走しませんでした。
出走日 | 競走 種別 | 競走名 | 条件 | 着順 | 重量 種別 | 負担 重量 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2019/10/03 | 特別 | オパール特別 | A-1 | 1着/10 | 別定1 | 56 | |
2019/10/26 | 準重賞 | ニシケンモノノフ賞 | 3歳以上OP | 3着/9 | 別定1 | 57 | 前走A-1勝ち+1 ※3着で次回ー1 |
2019/11/10 | 重賞 | 黒潮マイルCS | 3歳以上OP | 1着/10 | 定量4 | 57 | (定量重量戦) |
2019/11/24 | 特別 | ガーネット特別 | A-1選抜馬 | 2着/9 | 別定1 | 57 | 前走重賞勝ち+1 |
2019/12/07 | 準重賞 | 横浜特別 | 3歳以上OP | 1着/9 | 別定1 | 56 | 前走2着でー1 |
2019/12/31 | 重賞 | 高知県知事賞 | 3歳以上OP | 2着/11 | 定量4 | 57 | (定量重量戦) |
2019年秋、編成替え後最初の賞金順編成最上位のA-1で勝利したウォーターマーズは続けて別定1の準重賞に出走。前走のA-1勝ちでハンデ1キロ増の57キロで出走しましたが3着に敗れ一旦ハンデは消えたのですが、続く重賞は定量重量で続けて57キロ。ここを勝利したことで次のA-1選抜では再び前走重賞勝ちとしてハンデ1キロ増が付きまた57キロ。しかし2着敗退でハンデは消え、12月初戦の別定1の準重賞は56キロに戻りました。この準重賞は勝ったことでまた別定1の競走に出ればハンデが付く…のですが、その後は3月まで重賞以外走ることはなく、また、次走の重賞では2着だったことから準重賞勝ちのハンデもその時点で消えた形になっています。
別定1の競走は重賞のない時の競走であることから、次の重賞で敗れてしまったり、重賞のサイクルではそこに行かずA級の普通競走へ回って負けてしまうなどで、ハンデを持ってもすぐ消えてしまうケースも割とあるほか、最上位競走を勝つ馬はローテーションをゆったり組める余裕もでてくるため、よほど間隔があかない限り重賞だけ狙うという馬もいます。このため、57キロは時折現れますが、上限の58キロで出走するのはかなりのレアケースです。
高知けいばの騎手減量制度
「貸服」以上にJRAの藤田菜七子騎手の地方遠征で地方競馬の若手騎手や女性騎手の減量制度がバラバラであることが明らかになったのがきっかけとなったのか、2019(平成31/令和元)年度から女性騎手の減量制度を基本的な部分が中央・地方で統一されました。ただし、やはり主催者ごとに微妙な差異(重賞騎乗の制限、申し出による減量解除等)は存在します。高知けいばの場合は次の通りとなっています。(2024.4.1時点適用)
女性騎手
騎手免許 通算取得期間 |
勝利度数 | 減量 | 表記 | 所属適用騎手 |
5年未満 | 50回以下 | 4kg | ★ | |
51回以上100回以下 | 3kg | ▲ | ||
5年以上 | 勝利度数に関わらず | 2kg | ◇ | 濱 尚美騎手 |
男性騎手
騎手免許 通算取得期間 |
勝利度数 | 減量 | 表記 | 所属適用騎手 |
5年未満 | 30回以下 | 3kg | ▲ | 阿部基嗣騎手 城野慈尚騎手 |
31回以上50回以下 | 2kg | △ | ||
51回以上100回以下 | 1kg | ☆ |
勝利度数は初騎乗日から当該競走の出走投票締切日の前日までに国内で騎乗して得た1着の回数となります(JRAの騎手はJRAが指定した勝利度数をこの表に当てはめます)。また、本人の申出によりこの減量を適用しない場合もあります。
騎手減量が適用されない競走
高知けいばでは、重賞競走は例外なく騎手減量が非適用となります。
また、騎手招待競走など、実施要領・細目で別に騎手の減量を適用しないと定められた競走についても適用されません。なお、実施要領・細目の発表される競走のうち、中央条件交流競走は2019(平成29)年度の「桂浜盃」から騎手減量適用あり(それ以前から遠征減量騎手の重賞以外のエクストラ騎乗は減量適用あり)となったほか、女性騎手招待競走ながら男女混合で行われていた「レディスヴィクトリーラウンド 高知ラウンド」では2020年2月の開催時のみ騎手減量適用ありで行われました。
高知けいばで起こり得る最高負担重量・最低負担重量
最高負担重量は「別定重量4」の「黒船賞(JpnIII)」でGI(JpnI)勝利歴がある馬が出走する場合の59キロとなります。
最低負担重量は「定量重量1」となる一般格競走の級混合競走で、下位級2歳牝馬もしくは3月までの3歳牝馬に通算免許取得期間5年未満かつ勝利度数50回以下の女性騎手(★の騎手)が騎乗する場合で、
54キロ(2歳馬)-1キロ(牝馬)ー1キロ(下位級馬)ー4キロ(★の騎手)=48キロ
55キロ(3月までの3歳馬)-2キロ(牝馬)ー1キロ(下位級馬)ー4キロ(★の騎手)=48キロ
が理論上の最低値となります。