2022年4月3日に「令和4年度高知競馬番組編成要領」が発表されました。(2022年4月1日から適用)
→令和4年度高知競馬番組編成要領掲載ページ
(高知けいば公式サイト)
前年度に比べると格付け・編成ルールの変更点はあまりなく、好調だった令和3年度実績を受けて賞金・手当の増額が主となっています。
例によって、旧要領と照らし合わせながら令和4年度の要領の変更点を見ていきます。
番組編成要領
「4.番組賞金」の変更点
- (1)(ア)で規定されている番組賞金の算出対象期間については開催日程に合わせて記述が変更されており、今年度は基本どおり9月までの開催は2020年4月1日~編成日までの番組賞金、10月以降は2020年10月1日~編成日となります。
- (イ)の収得賞金の換算率については昨年10月に大幅な改正が行われましたが、今年度も同じ換算率が適用されます。
「5.二歳及び三歳馬の取扱い」の変更点
昨年度から2歳馬は番組賞金100万円で一般格編入となっており、今年度の2歳馬も同様となります。また、3歳馬も2歳時から続いて100万円到達で一般格編入となります。
3歳戦の実施は昨年同様9月末まで。終了後3歳格付馬は全馬一般格C3級下に編入されます。
「6.番組の編成について」の変更点
- (1)で規定されている年間サイクル数は前年度と変わらず年間30サイクルです。
- (4)の競走馬の級区分については新年度から下記の通りとなり、C3級上下のボーダーラインのみが変更されています。
(旧)※2021.9.24~2022.3.31
A級 900万円超
B級 600万円超900万円以下
C1級 400万円超600万円以下
C2級 280万円超400万円以下
C3級上 180万円超280万円以下
C3級下 0円以上180万円以下
3歳格 番組賞金100万円以下の3歳馬
(9月末まで)
2歳格 番組賞金100万円以下の2歳馬
(新)※2022.4.1~
A級 900万円超
B級 600万円超900万円以下
C1級 400万円超600万円以下
C2級 280万円超400万円以下
C3級上 170万円超280万円以下
C3級下 0円以上170万円以下
3歳格 番組賞金100万円以下の3歳馬
(9月末まで)
2歳格 番組賞金100万円以下の2歳馬
これ以外の項目は文脈を変えない程度の文言の整理があったのみで変更はありません。
「8.負担重量」
文脈を変えない程度の文言の整理があったのみで適用される負担重量は昨年度と変更はありません。
令和4年度 高知競馬重賞競走等一覧
「重賞競走」
開催日程発表時に既にあわせて発表されていますが昨年度と変わらず19競走となっています。各競走の条件の変更はありません。
「準重賞競走」の変更点
準重賞競走は全部で24競走組まれ総数は昨年度と同数です。
「高知・佐賀スタリオンシリーズ」昨年同様5競走。全てオープン準重賞となります。なお、今年度は3競走で対象種牡馬の変更や施行内容の変更が行われています。
- シュヴァルグラン賞(4歳以上1600m)
→変更なし - エピカリス賞(3歳以上1800m)
→変更なし - ミッキーロケット賞(3歳以上1600m)
→「エポカドーロ賞」(4歳以上1800m)に変更
※施行時期の関係で対象馬齢も変更 - アドミラブル賞(3歳以上1400m)
→「ディープブリランテ賞」(3歳以上1400m)に変更 - ワールドエース賞(3歳以上1600m)
→「ラニ賞」(3歳以上1800m)に変更
そのほかの変更点は下記の通りです。
- オープン準重賞「長浜特別」は施行なし。
- 2歳準重賞「潮菊特別」(2歳1300m)を新設。
- C級以下準重賞「五台山特別」(3歳以上1900m)を施行せず、同条件の「丸山台特別」を新設。
令和4年度 高知競馬重賞競走等選出基準
重賞競走
2歳重賞「黒潮ジュニアチャンピオンシップ」に変更があり、新設の準重賞「潮菊特別」の3着以内馬に優先出走権が認められることとなりました。なお、「潮菊特別」は2歳馬であることのみが条件のため他場デビュー馬の出走が可能ですが、「黒潮ジュニアチャンピオンシップ」は引き続き高知デビュー馬限定のため、他地区デビュー2歳馬が「潮菊特別」で3着以内となっても出走できません。
準重賞競走
新設の準重賞「丸山台特別」は昨年までの同距離準重賞「五台山特別」と同じ3歳以上C級以下、「潮菊特別」は2歳のみが出走条件となっています。
余談ですが、B級以下準重賞「四万十川特別」が、今年度は7月2日の開催で「高知優駿」の後に変わりましたが、従来通り出走条件は「4歳以上馬」となっています。これまでは「高知優駿」が終わると年内の古馬重賞・準重賞の出走条件が「3歳以上」に変わっていたのですが、今年度は「四万十川特別」までが「4歳以上」、次の「ヴェガ特別」(7月9日)からが「3歳以上」となります。
令和4年度 高知競馬馬検査実施要項
「4.発走検査及び能力検査」の(3)能力検査について変更があり、これまで2歳馬は「距離800mで制限タイム57秒以内で決勝線に入線する」ことが条件となっていましたが、新たに3歳以上馬と同じ「距離1300mで制限タイム1分34秒以内で決勝線に入線する」という条件が加わり、2歳は2種類の検査パターンが設定されました。(検査にどちらを使用するかの基準等は要項には記載されていません)
令和4年度 高知競馬賞金諸手当等支給要領
「1.馬主に対するもの」の変更点
(1)賞金
重賞競走は本年度も全競走で増額が実施されています。昨年度賞金が引き上げられた「黒船賞」は今年度は1着賞金3,000万円となり、創設から第11回(2009年)までの水準に戻された上で、入着賞金は「150方式」から「170方式」(2着35、3着20、4着10、5着5)に増額されました。
昨年黒船賞以外では歴代最高額の1着賞金1600万となっていた「高知県知事賞」はさらに増額され1着賞金2,000万円、「高知優駿」は1着賞金1,600万円に増額。また「福永洋一記念」に加え、これまで賞金上は通常の古馬重賞扱いだった「黒船賞選考競走」とされる3つの重賞が今年度は別格扱いとされ1着賞金1,200万円と引き上げられました。残る古馬重賞も1着賞金は1,000万円となり、令和4年度の高知けいばの古馬重賞は全て1,000万円以上の1着賞金で争われることとなりました。一方、「高知優駿」以外の3歳重賞・2歳重賞も1着賞金が200万円引き上げられています。
また、C級以下を除く準重賞、特別競走、普通競走一走目・二走目も増額されています。
賞金配分は「黒船賞」が「170方式」となり、その他は前年度同様「180方式」です。
★重賞競走1着賞金
「黒船賞」 2,600万→3,000万
「高知県知事賞」 1,600万→2,000万
「高知優駿」 1,000万→1,600万
「福永洋一記念」 1,000万→1,200万
「大高坂賞」
「黒潮スプリンターズカップ」
「だるま夕日賞」の3競走 800万→1,200万
その他の古馬重賞 800万→1,000万
その他の3歳重賞 600万→800万
2歳重賞 600万→800万
★準重賞競走1着賞金
オープン準重賞 400万→500万
牝馬準重賞 300万→400万
B級以下準重賞 300万→400万
C級以下準重賞 300万(変更なし)
3歳・2歳準重賞 300万→400万
★特別競走(選抜戦)1着賞金
A級 200万→240万
B級 160万→200万
C1級 120万→160万
C2級 110万→130万
C3級 100万→110万
3歳 100万→110万
★特別競走(賞金順編成)1着賞金
(級混合戦は上位級の賞金体系を使用)
A級 160万→200万
B級 120万→160万
C1級 90万→120万
C2級 80万→90万
C3級 70万→80万
3歳 70万→80万
2歳 90万→120万
2歳新馬 220万→240万
★普通競走一走目1着賞金
(級混合戦は上位級の賞金体系を使用)
A級 140万→160万
B級 100万→120万
C1級 70万→90万
C2級 60万→70万
C3級 50万→60万
3歳 50万→60万
2歳 70万→90万
★普通競走二走目1着賞金
(級混合戦は上位級の賞金体系を使用)
A級 30万→40万
B級 30万→40万
C1級 20万→30万
C2級 20万→30万
C3級 20万→30万
3歳 20万→30万
2歳 20万→30万
(2)出走手当
昨年度の枠組みを維持したうえで一走目について増額されています。なお、二走目戦(3.5万)は変更されていません。
重賞競走・準重賞競走及びA級競走の各一走目 12万→13万
B級競走 11万→12万
C級競走・3歳競走及び2歳競走 10万→11万
(3)高知デビュー馬奨励金関連
要項1(3)に規定された「2歳馬が、高知競馬で生涯初めての出走投票を行い出走したとき」に支給される「デビュー奨励金」について、前年度は時期に応じて2種類あったのが、今年度は3種類となっており、早い時期での新馬戦編成を促す形となっています。
(前年度)
6月以前…35万
7月以降…30万
(今年度)
6月以前…50万
7月及び8月…40万
9月以降…30万
「2.調教師に対するもの」の変更点
(1)「調教師賞」
管理馬が3着以内に入ると支給されるもので、前年度は「黒船賞」と「実施要領などで定めない競走」の2種であったのが、今年度は後者が細分化され、重賞と重賞を除く競走で分けられています。
実施要領などで定めない重賞競走※新設
1着:4万 2着:2万 3着:1万
実施要領などで定めない競走(重賞を除く)
※変更なし
1着:2万 2着:1万 3着:5千
「3.騎手に対するもの」の変更点
(1)「騎手賞」
騎乗馬が3着以内に入ると支給されるもので、前年度は「黒船賞」と「実施要領などで定めない競走」の2種であったのが、今年度は後者が細分化され、重賞と重賞を除く競走で分けられています。
(調教師賞と内容は同じです)
「4.きゅう務員に対するもの」の変更点
(1)「きゅう務員賞」
調教師の届出による担当馬が3着以内に入ると支給されるもので、前年度は「黒船賞」と「実施要領などで定めない競走」の2種であったのが、今年度は後者が細分化され、重賞と重賞を除く競走で分けられています。
(調教師賞と内容は同じです)
附則
「高知競馬賞金諸手当支給要項」には、引き続き「高知競馬は赤字を出すことができないため、必要に応じ変更する場合がある。」と規定されています。
高知競馬の在り方を示す象徴的な文言であり、この条項が発動するような状況が行らないことを願うばかりです。
おわりに
2022年度の高知競馬の形態がこれで固まりました。また1年間それぞれの見方で楽しんでいきましょう。