2023年4月4日、令和5年度の高知けいば最初のレース編成となる「令和5年度第1サイクル」が発表されました。
高知けいばでは、レースの単位となる「組」ごとに距離があらかじめ割り当てられており、出走馬は番組賞金順、選抜、記者選抜等の仕組みにより配属された組がどこかによって距離も自動的に決まることが原則となっています。また距離はクラス全体を同一の距離とするか、あるいはクラス内を分けてその範囲ごとに距離を分ける方式が取られています。
令和5年度第1サイクルは下記のようになっていました。
級 | 1300 | 1400 | 1600 | 1800 | 1900 |
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A | 2組 AB混合 |
重賞 | |||
B | 2~5組 | 準重賞 | |||
C1 | 1~5組 | ||||
C2 | 1~7組 C2C3混合 |
||||
C3上 | 1~6組 | ||||
C3下 | 7~16組 | 17~18組 | |||
3歳 | 2~8組 | 準重賞 |
ここで気になったのがC3級下の距離の分け方。2022年度までC3級下は全体で同じ距離という設定が基本であり、下2組だけ距離が違うというケースはありませんでした。しかも1600m。
これまでと違うレース編成がされているのではないか?
そこで、高知県競馬組合にメールにて問い合わせをしたところ、回答を頂きました。(要旨)
- C3級下の1600mは年間を通じて希望を募り、頭数が揃えば実施する
- 出走馬の編成は希望した馬の中で番組賞金順で行う
つまり、C3級下は1600m戦を希望する馬が集まった場合には、その都度通常の編成とは別枠にして組めるようにした模様です。
競馬において距離のバリエーションは興趣を高める大きな要素ですが、所属馬や距離設定の少ない小規模な地方競馬では、組に距離を割り当てる方式が一般的です。そのため設定次第で特に下級では適性の差が露骨に出てしまう懸念があります。だからと距離を短いままにしてしまうと、今度は馬の個性を封じる面もありました。
しかし、希望を募ることで距離的にあからさまに適正外な馬が入ることを防いだうえで、同一開催内で距離のバリエーションを作ることが可能になります。
高知で今回導入されるC3級下は基本的に最も所属頭数の多いクラスであると同時に来歴・能力の差も大きいクラスです。この先どれくらい設定されるかは希望次第ですが、頭数が集まる可能性は他のクラスで行うよりも高いのではないでしょうか。
C3級下にポツンと1600m戦があった場合、それは距離を求めた馬たちの集まる、他とは少し違うレースといえます。