自宅等でインターネット中継を見ながらインターネットを通じて投票するのが、高知けいばに限らず昨今の地方競馬の主流ですが、紙の勝馬投票券を持って現地で観戦することこそ至高、というファンの欲求もまだまだ根強くあります。そこで利用するのが現地に設置されている勝馬投票券の発売機。
JRAや多くの地方競馬では白くてタッチパネルがはみ出してて…という機械が思い出されるかと思いますが、高知競馬場及び高知競馬場の系列場外発売所で発売される勝馬投票券は全く形が異なります。どんな発売機なのか見てみましょう。
そもそもなぜ他所と違う
競馬の勝馬投票券など、公営競技の投票券の発売、払戻のシステムは「トータリゼータシステム」と呼ばれています。現在地方競馬では「地方競馬共同トータリゼータシステム」というシステムで全ての地方競馬の投票集計や計算を行う仕組みが構築されていますが、窓口での発券や払戻を行うシステムは各主催者が個別に管理しています。
中央競馬の場合は日本中央競馬会という単一の主催者が開催しているため、どの場も同じ発券システム(富士通フロンテック製)を使用していますが、地方競馬は個々の主催者が独立しているため、理論上もバラバラになりえます。実際に地方競馬の発券システムの事業者は、
- 富士通フロンテック株式会社
- 日本トーター株式会社
- 日本ベンダーネット株式会社
の3社が納入しており、大半はJRAと同じ富士通フロンテックのシステムであるものの、笠松けいばは日本ベンダーネットのシステム、そして金沢競馬と高知けいばでは日本トーターのシステムを使用しているため、この3場だけは一般に競馬でイメージされる発売機とは異なる機械を使っています。
高知競馬場の発売払戻機
こちらが高知競馬場に設置されている紙の投票券を発券し、払戻金を払出す現在の「発売払戻機」。JRAなどで見られるものに比べると、上部に発売や払戻内容のメッセージが流れるボードがあったり、操作部分が黒基調になっているのが目立つ一方、買い目や金額を表示する液晶画面は小ぶりなのが見た目の大きな違いでしょうか。
競馬場ではシェアが小さいためレアもの的な扱いの日本トーターの発売払戻機ですが、同社はボートレース場でのシェアが極めて高く、その他の公営競技でも比較的見ることが多いのではと思われます。
現在高知競馬場の一般エリアにはこの発売払戻機がスタンド1階に12台、同3階に6台設置されています(4階特別観覧席は現在改修中)。
この1台で現金での投票券の発売、的中投票券の受付と払戻金の払出し、またキャッシュレス投票カードへの入金(預入)やキャッシュレス投票での払戻金の引出を行うことができます(キャッシュレス投票の残高を使って紙の投票券を購入することや、キャッシュレス投票を行うことはできません)。
10円以上の現金もしくは的中投票券を投入するとマークシートが受け付けられるようになり、最大20枚まで一度に投入することが可能です。
日本トーターの発売機の大きな特徴としては、他社製と違って(まとめて)マークカードを読み込んでもすぐには発券されず、カード1枚ごとに液晶パネルに投票内容が表示され、その内容を確認をするようになっており、液晶パネルの下にある「発行」ボタンを押すことではじめて投票券が印字され、次のマークカードの内容確認に入る、という仕組みになっています。
一方、払戻の際は機体左下の投票券挿入口に最大20枚まで一括で投入することが可能。こちらは、確認ボタンを押すことなく次々と判定、計算が行われ、終わった所で最後に液晶パネル下の「支払精算」ボタンを押下することで払戻金が支払われます。
なお、この発売払戻機は音声ガイドが逐一流れたり、ここを押せと言った意味合いでランプが点いたりするため、投票時に毎回「発行」ボタンを押すこと以外は、さほどまごつくことはないかなと思われます。