(2024年 馬場状態 11/17まで) [良]18 [稍重→良]1 [良→稍重]1 [良→稍重→重]1 [稍重]19 [稍重→重]1 [重]19 [不良→重]1 [重→不良]2 [不良]33

2022年度高知けいばレース体系

2022(令和4)年度の高知けいばでは重賞競走が19競走、準重賞競走が24競走実施されることとなっています。

JRAや各地の地方競馬場では主要競走を馬齢や距離ごとに分け、時系列で並べたものを「レース体系」「ローテーション」として紹介し、上位馬がどのレースに出てくるか目安を示しています。

高知けいばでも福山競馬との中四国連携競走を実施していたころはガイドブックで2場合わせたレース体系表が載っていたこともありましたが、現在はそういったものがないので、重賞・準重賞を「2歳~明け3歳」「3歳」「牝馬」「古馬短距離・マイル」「古馬中距離・長距離」の5区分した路線別に並べたレース体系をまとめてみました。

なお、本稿は私見に基づくもので、「3歳三冠」以外は公式なものではないことをご了承ください。

2歳~明け3歳 

2015(平成27)年度に2歳新馬戦が再開。この時は従前からの2歳重賞「金の鞍賞」と明け3歳の年度末に行われる「土佐春花賞」のみだったこの路線も徐々に整備され、2022年度は新馬戦後に重賞・準重賞が7競走設けられ、黒船賞選考競走が集中する明け3歳1月を除き、10月から重賞・準重賞が概ね1か月に1~2戦設けられています。うち3競走は高知デビュー馬限定戦となっており、高知デビュー馬に経験を積ませたり適性を見極めやすくし、転入馬に対抗できるよう促す形となっています。

2021年度から、全ての高知所属2歳馬の王者決定戦的な位置にある年末の「金の鞍賞」に高知デビュー馬の出走を促す目的か、高知デビュー馬限定戦の重賞「黒潮ジュニアチャンピオンシップ」と準重賞「土佐寒蘭特別」の上位馬に「金の鞍賞」への優先出走権が付されるトライアル競走の要素が付されたほか、2022年度からは下半期最初の開催に2歳主要競走の第1弾として高知デビュー馬以外も出走できる準重賞「潮菊特別」も新設、この競走は上位3頭に「黒潮ジュニアチャンピオンシップ」への優先出走権が付されたことから、高知デビュー上位馬の2歳ローテーションは明確化されました。

一方、明け3歳となってからの主要競走は、後述の「高知優駿」関係を除き、いわゆるプレップレース(前哨戦)となっています。

なお、2017(平成29)年度に「高知優駿」が「ダービーシリーズ」に組み込まれ地方全国交流競走になった際、その世代で実施済の高知2、3歳重賞競走優勝馬には「高知優駿」への優先出走権が与えられる形式になったことから、2歳の段階で翌年の「高知優駿」への出走権を得ることが可能となっています。

2歳~明け3歳 レース体系図(2022年度)
  • 6月以降
    (見込)
    特・2歳新馬

    800m(適時開催)

  • 10月1日
    準・潮菊特別

    1300m
    3着以内馬に「第7回黒潮ジュニアチャンピオンシップ」優先出走権

  • 10月30日
    重・第7回黒潮ジュニアチャンピオンシップ
    未来優駿2022 2歳チャンピオンシリーズ

    1400m・高知デビュー馬限定・要高知既走歴
    (優先出走:「潮菊特別」3着以内馬)
    優勝馬に来年開催の「第51回高知優駿」優先出走権(例年)
    5着以内馬に「第44回金の鞍賞」優先出走権

  • 11月26日
    準・土佐寒蘭特別

    1600m・高知デビュー馬限定
    3着以内馬に「第44回金の鞍賞」優先出走権

  • 12月28日
    重・第44回金の鞍賞

    1400m・要高知既走歴
    (優先出走:「第7回黒潮ジュニアチャンピオンシップ」5着以内馬、「土佐寒蘭特別」3着以内馬)
    優勝馬に来年開催の「第51回高知優駿」優先出走権(例年)

  • 2月5日
    (明け3歳)
    準・土佐水木特別

    1600m

  • 2月26日
    準・土佐有楽特別

    1400m・高知デビュー馬限定

  • 3月19日
    重・第11回土佐春花賞

    1300m・要高知既走歴
    優勝馬に「第51回高知優駿」優先出走権(例年)

3歳

3歳馬の重賞のうち、「土佐春花賞」は前年度のため、ここでは4競走としています。
1997年の重賞競走体系化の目玉の1つであった、3歳三冠重賞「黒潮皐月賞」「黒潮ダービー 高知優駿」「黒潮菊花賞」を中心とした形は創設以来変わっていませんが、存廃が取りざたされていた時期の3歳重賞出走馬は、この時期になるとたいてい古馬の一般格に編入されていたり、別に3歳限定戦を設けていなかった時期も長かったことから、三冠重賞だけ3歳馬が集まる構図だったり、遠征しなければ「黒潮皐月賞」→「高知優駿」と一気の500m距離延長をいきなり経験することになっていました。

しかし、「高知優駿」が地方全国交流競走となり、賞金面でも他の3歳重賞とは別格となったのを機に3歳限定準重賞をプレップレースとして重賞の間に挟む形で、現在は自場の3歳戦だけで月1走程度のローテーションが組めるよう整備されています。なお、2022年度は7月の「第19回トレノ賞」(牝馬準重賞は「ヴェガ特別」)から3歳馬は古馬重賞・準重賞への出走が可能となり、陣営の方針によっては古馬重賞への挑戦が行われることもあります。

一方、「ダービーグランプリ」から「JBC競走」へという全国的な流れ作りの影響で、「ダービーグランプリ」指定競走になっている高知三冠の最終戦「黒潮菊花賞」の時期が以前よりも1か月以上前倒しされ、さらに高知デビュー馬が出走できる交流重賞「西日本ダービー」の開催時期が「黒潮菊花賞」と例年近接していることから、高知デビュー馬の場合はどちらにするのかを選ぶ必要があります。また、「高知優駿」→「黒潮菊花賞」に関しては(真夏はマイル戦以上をあまり組まない高知けいばの傾向もあり)、中間のプレップレース的な3歳準重賞は引き続き月1回設定されるものの、距離が例年1300~1400mと「黒潮菊花賞」の前哨戦的な要素は薄く見える体系になっています(2020年度までは1400mの「栴檀特別」でしたが、2021年度からは1300mの「魚梁瀬杉特別」になりました)。

三冠競走が終わった後、9月一杯で格付けとしての3歳格も終了しますが、11月には元々は福山との交流競走として2012年に設けられた重賞「土佐秋月賞」があります。これを最後に上位成績馬が他場へ移籍していくこともあるなど、現在は世代の卒業式レースのような形になっており、この重賞で高知の3歳競走は締めくくられます。

3歳 レース体系図(2022年度)
  • 4月9日
    準・仙台屋桜特別

    1600m

  • 5月1日
    重・第26回黒潮皐月賞

    高知3歳三冠第1戦
    1400m・要高知既走歴
    優勝馬に「第50回高知優駿」優先出走権

  • 5月22日
    準・山桃特別

    1800m

  • 6月12日
    重・黒潮ダービー 第50回高知優駿
    ダービーシリーズ2022

    高知3歳三冠第2戦
    1900m・地方全国交流(他地区4頭以内)・要所属場既走歴
    (優先出走:「第6回黒潮ジュニアチャンピオンシップ」「第43回金の鞍賞」「第10回土佐春花賞」「第26回黒潮皐月賞」優勝馬)
    高知所属の3着以内馬に「第26回黒潮菊花賞」優先出走権
    「第24回ジャパンダートダービー(JpnI)」指定競走(1着馬を指定馬)

  • 8月6日
    準・魚梁瀬杉特別

    1300m

  • 8月28日
    重・第26回黒潮菊花賞
    3歳秋のチャンピオンシップ2022

    高知3歳三冠第3戦
    1900m・要高知既走歴
    (優先出走:「第50回高知優駿」高知所属の3着以内馬)
    「第35回ダービーグランプリ(M1)」指定競走(優勝馬を指定馬)

  • 9月10日
    準・栴檀特別

    1400m

  • 11月20日
    重・第11回土佐秋月賞

    1600m・要高知既走歴

牝馬

高知けいばでは重賞競走の体系化の際、1997(平成9)~2000(平成2)年度の夏季に唯一の牝馬限定重賞「黒潮乙女賞」が設けられていたものの、2001(平成13)年度で準重賞に格下げされ、2002(平成14)~2004(平成16)年は「黒潮乙女特別」として続けられたもののそこで打ち切りとなっていました(なお、アラ系牝馬限定戦は2001年に準重賞の「南国乙女賞」を新設し、サラ系と同様に2002~2004年は競走名を「南国乙女特別」と変更した後打ち切り)。

以降高知には牝馬路線がない時代が長く、牝馬限定戦を走るには遠征するしかなかったものの、2011(平成23)年度から「レディスシリーズ」の総称(冠スポンサーが付いており現在は「グランディール レディスシリーズ」)で牝馬限定戦が四半期ごとに1戦ずつ設けられ、2013(平成25)年度からは特別競走から準重賞に昇格、現在に至ります。

「シリーズ」と銘打たれているものの、シリーズ通算での成績表彰や次戦への優先出走権、最終戦的な競走への繋がりといったものはなく、独立した牝馬限定戦を総称したものですが(競走ごとに表彰は行われます)、4競走共通で在籍クラスにより負担重量が設定される本シリーズ独自の別定戦となっているのが特徴です。

牝馬 体系図(2022年度)
  • 4月23日
    準・スピカ特別

    1400m・4歳以上牝馬・要高知既走歴・別定

  • 7月9日
    準・ヴェガ特別

    1300m・3歳以上牝馬・要高知既走歴・別定

  • 10月15日
    準・ミラク特別

    1400m・3歳以上牝馬・要高知既走歴・別定

  • 1月9日
    準・ベラトリックス特別

    1400m・4歳以上牝馬・要高知既走歴・別定

古馬 短距離・マイル

現在高知で最も充実しているのが古馬の短距離・マイル路線(1600m戦は場によっては中・長距離路線に位置付けているところもありますが、高知けいばでは普通・特別競走で日常的に行われていることから本稿では短距離路線に含めます)。

1997年度の体系化以前、この路線は少数派だったのですが、同年度に高知けいば唯一のダートグレード競走「黒船賞(JpnIII)」が1400m戦で新設されたことで路線整備が行われました。この間には経営難による縮小期をはじめ、中四国連携に伴う変化や、地元馬の「黒船賞」出走馬の選定競走を調整していった結果、現在はわかりやすいものとなっています。なお、準重賞競走のうち斤量が「別定」なのは別定戦であるA級1組戦の代わりに設定されているためです。これと重賞を組み合わせることで、1~2か月に1戦程度この路線のオープン格の主要競走が組まれている形となっています。

なお、「黒船賞」同様、夏の短距離重賞として長い歴史のある「建依別賞」も「トレノ賞」をステップレースとしており、こちらは上位3頭に優先出走権が与えられます。

この路線の条件準重賞は、特別戦に比べても賞金が大きいため、低い番組賞金で転入した実績馬を本来の位置に引き上げていく役割も担っていると言えます。

2022年度はこれまで黒船賞選考競走に近い時期に行われていた準重賞「長浜特別」が行われない他、12月の「高知・佐賀スタリオンシリーズ」が1600m戦から1800m戦に変更されたため、「建依別賞」から黒船賞選考競走の開始まで、オープンの短距離路線は間隔が開く形になっています。

古馬 短距離・マイル 体系図(2022年度)
  • 5月14日
    準・シュヴァルグラン賞
    高知・佐賀スタリオンシリーズ

    1400m・4歳以上・別定

  • 5月31日
    重・第13回福永洋一記念

    1600m・4歳以上・要高知既走歴

  • 6月18日
    準・エポカドーロ賞
    高知・佐賀スタリオンシリーズ

    1600m・4歳以上・別定

  • 7月17日
    重・第19回トレノ賞

    1300m・3歳以上・要高知既走歴
    3着以内馬に「第45回建依別賞」優先出走権

  • 8月21日
    重・第45回建依別賞

    1400m・3歳以上・要高知既走歴
    (優先出走:「第19回トレノ賞」3着以内馬)

  • 9月3日
    準・仁淀川特別

    1400m・3歳以上B級以下

  • 10月22日
    準・ディープブリランテ賞
    高知・佐賀スタリオンシリーズ

    1400m・3歳以上・別定

  • 11月6日
    重・第18回黒潮マイルチャンピオンシップ

    1600m・3歳以上・要高知既走歴

  • 1月1日
    準・初夢特別

    1400m・4歳以上B級以下

  • 1月8日
    準・八畳岩特別

    1600m・4歳以上C級以下

  • 1月15日
    重・第12回大高坂賞

    1400m・4歳以上・要高知既走歴
    優勝馬に「第25回黒船賞(JpnIII)」優先出走権

  • 1月29日
    重・第20回黒潮スプリンターズカップ

    1300m・4歳以上・地方全国交流(他地区8頭以内)・要所属場既走歴
    優勝馬に「第25回黒船賞(JpnIII)」優先出走権

  • 2月12日
    重・第10回だるま夕日賞

    1600m・4歳以上・要高知既走歴
    優勝馬に「第25回黒船賞(JpnIII)」優先出走権

  • 3月14日
    重・第25回黒船賞(JpnIII)

    1400m・4歳以上・指定交流(JRA5頭、地方7頭(高知3頭以内))
    高知所属馬は要既2走歴、地方他地区馬は要所属場既走歴・グレード別定
    (優先出走:「第12回大高坂賞」優勝馬、「第20回黒潮スプリンターズカップ」優勝馬、「第10回だるま夕日賞」優勝馬)

  • 3月26日
    重・第11回御厨人窟賞

    1400m・4歳以上・要高知既走歴

古馬 中・長距離

日本の競馬全体が短距離指向となる中、高知けいばも短距離・マイル路線と比べると中・長距離路線の重賞は大きな変化が少ないまま今日に至っています。大晦日に行われる年に1度の最長距離重賞であり、「GRAND PRIX」の冠を付けた「高知県知事賞」を頂点とした路線は不変。また、「黒船賞」を除く高知けいばにおける1着賞金最高重賞の座もこの重賞の制覇が高知けいばのホースマンの大目標の1つであることも変わっていません。なお、秋の中距離重賞「珊瑚冠賞」は「高知県知事賞」へのステップレースとなっており、上位3頭は「高知県知事賞」へ優先出走となります。上級馬の中・長距離戦は概ね3か月に1戦程度となっており、年末の「高知県知事賞」の後は新年度の「二十四万石賞」まで飛ぶこととなります。

一方、2020(令和2)年度から1800m戦や1900m戦の条件準重賞競走の創設が目立ちます。上位級ではなく条件級に中距離準重賞が増えている理由はアナウンスもないためわかりませんが、競走距離の多様化だけでなく、高知の賞金上昇で相対的に転入した馬の格付けが低くなりがちな中、元々中長距離実績の高い馬もおり、そういった馬が下級で適性外の短距離中心のレースにしか使えず、本来の力を出す場がない状況に陥らないよう、という面があるのかもしれません。準重賞となると条件戦よりも当然賞金は大きく上がる為、距離が長めになりやすい上級への昇級や中・長距離重賞への挑戦がしやすくなることもあるかと思われます。

2022年度は「ラニ賞」となった12月の「高知・佐賀スタリオンシリーズ」の準重賞が1800m戦に距離延長されており、「高知県知事賞」の前哨戦的な中距離戦がこの路線に加わったといえます。

古馬 中・長距離 体系図(2022年度)
  • 4月17日
    重・第38回二十四万石賞

    1900m・4歳以上・要高知既走歴

  • 5月7日
    準・丸山台特別

    1900m・4歳以上C級以下

  • 7月2日
    準・四万十川特別

    1800m・4歳以上B級以下

  • 7月30日
    準・エピカリス賞
    高知・佐賀スタリオンシリーズ

    1800m・3歳以上・別定

  • 9月19日
    重・第34回珊瑚冠賞

    1900m・3歳以上・要高知既走歴
    3着以内馬に「第53回高知県知事賞」優先出走権
    「第22回JBCクラシック(JpnI)」指定競走(優勝馬を指定馬)

  • 11月12日
    準・浦戸湾特別

    1800m・3歳以上C級以下

  • 11月19日
    準・鏡川特別

    1900m・3歳以上B級以下

  • 12月4日
    準・ラニ賞
    高知・佐賀スタリオンシリーズ

    1800m・3歳以上・別定

  • 12月31日
    重・GRAND PRIX 第53回高知県知事賞

    2400m・3歳以上・要高知既走歴
    (優先出走:「第34回珊瑚冠賞」3着以内馬)

(前年度はこちら)

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